病気があっても笑顔で暮らせる社会を取り戻したい『暮らしの保健室』
病気があっても笑顔で暮らせる社会を取り戻したい『暮らしの保健室』

支援総額

890,000

目標金額 350,000円

支援者
119人
募集終了日
2023年7月31日

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2025年03月16日 16:50

21回 活動報告

「はこだて暮らしの保健室」活動報告:福祉用具体験会

 

先日開催された「はこだて暮らしの保健室」第20回では、福祉用具体験会を実施いたしました。この企画は、参加者の皆様に実際に福祉用具に触れ、体験していただくことで、日常生活をより豊かにするための知識を共有する機会となりました。本報告では、当日の様子と参加者の反応、そして得られた気づきについてお伝えします。

 

▼企画の経緯と実施内容

本企画は、スタッフからの提案をきっかけに、福祉用具関連事業者の方々とのつながりが生まれ実現したものです。「暮らしの保健室」の理念である「医療と生活の橋渡し」を具現化する試みとして、単なる道具の紹介ではなく、参加者同士の対話を促進する仕掛けを取り入れました。

具体的には、各福祉用具の体験後、参加者が最も印象に残った用具に「投票」する「福祉用具総選挙」を実施。模造紙にシールを貼るという遊び心のある方法で、自然と参加者同士の会話が生まれる環境を作りました。このアプローチは、山崎(2018)が提唱する「地域におけるケアの共創」の概念とも合致し、参加者が受動的な情報受信者ではなく、能動的な体験の共有者となる場を目指しました。

 

 

▼参加者の反応と生まれたコミュニケーション

当初懸念していた「医療色が強くなりすぎるのではないか」という点については、実際には杞憂に終わりました。参加者の会話は自然と「病院での治療」ではなく「自宅での生活」に焦点が移り、日常の暮らしにおける工夫や悩みの共有へと展開しました。

「私の家ではこう使っているよ」「これがあれば玄関の段差も怖くないわね」といった具体的な生活場面の話題が中心となり、医療者が一方的に情報提供するのではなく、参加者同士が経験や知恵を交換し合う双方向のコミュニケーションが生まれました。

これは、武田(2020)が指摘する「ケアする・される関係を超えた、共に学び合うコミュニティづくり」の実践例といえるでしょう。特に投票結果の共有時には、「なぜそれを選んだのか」という理由の説明を通じて、参加者それぞれの生活背景や価値観が垣間見える貴重な瞬間がありました。

 

▼医療者としての気づき:福祉用具の進化

専門家の立場からも多くの学びがありました。特に印象的だったのは、ポータブルトイレの技術的進化です。従来型の排泄物をバケツに溜めるタイプから、凝固剤で尿を固め、リモコン操作で密封・廃棄できる最新モデルまで、その進化は目覚ましいものでした。約10万円という比較的手の届きやすい価格設定も含め、在宅ケアの質を大きく向上させる可能性を感じました。

 

▼新たなネットワークの創出

今回の体験会では、更別村でコミュニティーナースとして活動されている稲本さんや、札幌市立大学の片山先生をはじめとした学生の皆さん、さらには北海道医療新聞社の方にもご参加いただき、地域を超えた交流の場となりました。

それぞれの地域での取り組みや課題を共有する中で、「暮らしの保健室」のような地域に根ざした活動が北海道全体でどのように展開できるか、新たな視点も生まれました。星野(2021)が論じる「地域包括ケアシステムにおけるインフォーマルサポートの役割」が、実践的な対話を通じて具体化される貴重な機会となりました。

 

▼考察:医療と生活の境界線を超えて

今回の福祉用具体験会を通じて、「暮らしの保健室」が目指す「医療とは一定の距離を置いて、一人ひとりの方の語りを聞く中で、ケアしケアされる関係性」の構築に、一歩近づけたと実感しています。福祉用具という「モノ」を介して、参加者それぞれの「生活」や「物語」が自然と語られる場が生まれました。

藤田(2019)が「地域共生社会における医療者の役割は、治療者から伴走者へとシフトしている」と指摘するように、私たち医療者も「教える側」ではなく「共に学ぶ仲間」として参加することの大切さを改めて感じました。

 

▼おわりに

福祉用具体験会は、参加者の皆様、福祉用具事業者の方々、そして様々な分野からお越しいただいた専門家の皆様の協力によって、単なる道具の紹介会を超えた、豊かな学びと交流の場となりました。

今後も「はこだて暮らしの保健室」は、医療と生活をつなぐ活動を通じて、一人ひとりのWell-beingにつながる地域づくりを目指して参ります。次回の活動もどうぞお楽しみに。

リターン

2,000+システム利用料


2000円|感謝のメール

2000円|感謝のメール

●感謝のメールをお送りいたします。
●活動報告を定期的にさせていただきます。

申込数
75
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年8月

4,000+システム利用料


4000円|感謝のメール

4000円|感謝のメール

●感謝のメールをお送りいたします。
●活動報告を定期的にさせていただきます。

申込数
40
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年8月

2,000+システム利用料


2000円|感謝のメール

2000円|感謝のメール

●感謝のメールをお送りいたします。
●活動報告を定期的にさせていただきます。

申込数
75
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年8月

4,000+システム利用料


4000円|感謝のメール

4000円|感謝のメール

●感謝のメールをお送りいたします。
●活動報告を定期的にさせていただきます。

申込数
40
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年8月
1 ~ 1/ 8

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