
プロジェクト本文
▼自己紹介
私たちウォーターズ・リバイタルプロジェクト(WRP)は、各方面の専門家の方々と一緒に地域の河川の調査・検証をおこない、リバーブランディングを行う特定非営利活動法人(NPO)です。
その目的は、地域の河川を入り口とした持続的で豊かな地域社会を創造すること、素晴らしい環境を次世代に繋ぐことです。
そして豊かな環境と地域文化が生み出す新産業の六次化を目指していきます。
WRP地域貢献のポイントは、リバーブランディング、地域ビジネスの開発とチャネル開拓、地域人材育成の3点です。
▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ
かつて安家川は、ヤマメやイワナに代表される渓流釣りのメッカでしたが、今は、当時の魚影は見られなくなりました。かつて豊富に生息していた「カワシンジュガイ」も今、絶滅の危機に瀕しています。(環境省レッドリスト 絶滅危惧IB類)
この「カワシンジュガイ」(絶滅危惧種)の生息調査を行い、この川の生態系が変わってしまう前に、この危機を何とか乗り越えていきたいと考えております。
▼プロジェクトの内容
主催:特定非営利活動法人 ウォーターズ・リバイタルプロジェクト
協賛:岩手県 下閉伊郡 岩泉町
協力:岩手県立博物館 渡辺修二 主任専門学芸員
ーカワシンジュガイの生態ー
「カワシンジュガイ」は、春先に卵から孵化した幼生が約2か月もの間、ヤマメのエラだけに寄生して成長し、ある程度大きくなると稚貝になって川底で生活します。
川底の「カワシンジュガイ」は川の中の有機物を生物たちが摂取しやすくする働きをします。この「カワシンジュガイ」の働きにより、川魚の女王ヤマメなどの魚影が濃くなり、自然・生物の多様性に富んだ究極の清流が蘇るのです。
「カワシンジュガイ」の生息条件はとてもデリケートで、ヤマメと同様 水温20℃以下のきれいな川でしか生きていけません。
また人間の寿命をはるかに超える、何と100年以上生きる長寿生物で知られていますが、継代的に子孫を残していくには、この宿主であるヤマメが同じ川に豊富に生息していることが条件となります。
寄生するヤマメがいなければ、「カワシンジュガイ」も絶滅の危機に瀕します。「カワシンジュガイ」が絶滅すると川の生態系も大きく変わることが考えられます。
その前に「カワシンジュガイ」の生息状況を徹底的に調べ、保護し、往年の素晴らしい安家川に戻し、次世代に継承していきたいと考えます。
私たちの目的は、この安家川を「カワシンジュガイ」の稚貝が生育できる川に保全し、かつての理想の清流(「カワシンジュガイ」の宝庫)に再生することにあります。そのためにまずは、どこに、どれだけ、そのような個体群が生息しているかを把握する必要があります。
この活動を岩手県立博物館 主任専門学芸員 渡辺修二様ご協力により進めていこうと考えております。
渡辺修二
岩手県立博物館 主任専門学芸員
博士(農学)
皆様、是非私たちの活動をサポートしてください。
▼プロジェクトの展望・ビジョン
最近の別の調査から、稚貝が見つからない、大型の老齢な個体しかいない個体群が多く存在することもわかってきました。
これは、老齢な個体は長寿のため生き残っているけども、稚貝が増えず、世代交代がうまくいっていないことを示しています。
はからずも私たち人間社会で直面している超高齢化社会の問題を連想させます。
このように長寿命で魚への寄生を必要とする複雑なメカニズムで生き抜く「カワシンジュガイ」において、その世代交代が停まってしまう理由も調査を進めながら同時に深掘りしたく思っています。
皆様、是非私たちの活動をサポートしてください。
- プロジェクト実行責任者:
- 水谷 要(ウォーターズ・リバイタルプロジェクト)
- プロジェクト実施完了日:
- 2024年6月30日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
安家川 「カワシンジュガイ」フィールド調査 調査項目:環境調査、底生生物調査、魚類採集調査 この調査項目に従い、ファンディングされた資金はその調査に伴う費用として使用いたします。