高田歌舞伎を継いだ女役者刊行プロジェクト
高田歌舞伎を継いだ女役者刊行プロジェクト

支援総額

2,069,000

目標金額 1,300,000円

支援者
171人
募集終了日
2021年7月10日

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2021年06月15日 07:00

気仙わたしのふるさと(4)「失って気付かされたこと」

人生の転機となった東日本大震災

 人には人生の転機があると思います。60余年生きてきた私にも、大きな転機が2度ありました。ひとつはもちろん、東日本大震災です。
 私は300年以上続いてきた家を継ぎ、守ることを宿命として育ってきました。大学卒業後に東京で2年働き、1年の欧州放浪旅を経て帰郷したのもそのためです。2人の娘にはそれぞれの人生を生きてほしいと願い、「家を継ぐ」しきたりは私の代で終えると決めていました。
 ところが東日本大震災の大津波によって家や家財だけでなく、代々大切にしてきた仏壇まで失ってしまいました。悲嘆にくれる中、浮かんできたのは「悪いことは、次に来る良いことの前兆と思いなさい」との東海新報社長のお母さんの言葉でした。失った意味を問い直し、得た結論は「家に縛られないで、自由に生きなさい。そう、ご先祖様が示してくださったにちがいない」というものでした。そう考えることで、前に進むことができました。
 海の街に住む私たちは、美しい景観や豊かな恵みという多大な恩恵を授かりながら暮らしてきました。恩恵の裏には、代償として危険が潜んでいることを忘れていました。災害が起きても自分は被害に遭わない。なぜか、そんな思いも心の片隅にありました。しかし、そんなことはありえないのです。災害は善人であろうがなかろうが関係なく、全ての人に降り掛かってきます。
 「この世はいつ、何が起きるか分からない」「明日が来るとはかぎらない」「形ある物は必ず壊れる」。そのことを身をもって体験しました。「形ある物に金をかけることはやめ、残された人生を悔いなく生きたい」。そうも考えるようになりました。

 

「創造的復興」への違和感

 震災後、最優先すべき被災者の生活と生業の再建を脇に置き、莫大な費用と長い年月をかけて「創造的復興」と称する大土木工事が始まりました。大規模な防潮堤や水門を築き、広大な面積で大々的な嵩上げ工事などを行なってきたのです。嵩上げ用の土砂を確保するため、削られた山もあります。
 いくら備えても自然は人間の知恵や技術など、簡単に凌駕する力を持っています。備えが不要だというのではありません。備えは最小限で良いのではないかと思うのです。いざという時は逃げるしかない、のですから。
 人間の力で自然を制御する、制御できると考えるのは愚かなことです。思い上がりです。私たちは自然の中で生きています。しかし、自然と共存しているわけではありません。私たちは自然に生かされて、生きているのです。謙虚な気持ちで自然と向き合う。そのことも東日本大震災から学びました。

 

気仙町の防潮堤。高さは10メートルを超す(気仙地域応援し隊・宮川典子撮影)

 

リターン

2,000


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お気持ちコース

■サンクスレター

■本1冊お届けします

申込数
43
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

3,000


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本と名入れのコース

■サンクスレター

■本1冊お届けします

■名入れ:本の巻末に支援者としてお名前を入れさせていただきます(お申し込みの際に名入れの「有無」を選んでいただきます)

申込数
36
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

2,000


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お気持ちコース

■サンクスレター

■本1冊お届けします

申込数
43
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

3,000


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本と名入れのコース

■サンクスレター

■本1冊お届けします

■名入れ:本の巻末に支援者としてお名前を入れさせていただきます(お申し込みの際に名入れの「有無」を選んでいただきます)

申込数
36
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月
1 ~ 1/ 9


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