小説好きのあなたに未発表の作品を届けたい。
支援総額
目標金額 1,100,000円
- 支援者
- 0人
- 募集終了日
- 2021年5月10日
(上)『ホタテと瓢箪』。その20。『旅の途中』
「読ませてもらいました。私は『最後のハーモニックスは昇天した戦士への現世の者からの鎮魂の送り音』が気に入りました。サンタンデールに来てもらえますか」
「はい。喜んで」
…まさか…に実感が伴って来なかった。…良かった…を呟く暇が無かった。けれどもザワザワと胸苦しさは何処かに消えて行った。
「細川さん。申し訳ないのですがこのSketchを一日貸してもらえないでしょうか。他も読みたい。ここからは実務。就労ビザが必要になります。鎌倉に至急戻ってもらえますか。就労ビザは通常では三ケ月もかかります。それでは私が困る。会社も困る。東京本社の人事部には山田太郎が居ります。それとスペイン通の弁護士も居ります。私から連絡しておきますので日本に着き次第連絡して下さい。お願いします。何とかスペイン大使館から一ケ月で発給してもらいます。それともうひとつ頼みが在ります。鎌倉での一ケ月でこのSketchを原稿に仕上げてもらえないでしょうか…。我社は『旅の途中』と題し
た広報紙を長年発行しています。それへの投稿を考えています。如何でしょうか…」
「少し気が動転していますが分かりました。頑張ります」
わたしは本当に動転していた。職が決まるとは思ってもおらず、そして支社長から『旅の途中』の投稿を薦められた。『旅の途中』は非売品。それでも三万部以上は発行されている。飛行機や列車、長距離と観光バスの他に主要なフェリーの座席には必ず備えられている。わたしも何度も手に取った。今回の旅でも読んでいる。著名人の旅行記や食に力点を置いた日本と世界の見所の紹介が定番。この冊子の目玉は特集。無名な日本人の世界での活躍。時には同じく無名な外国人の日本滞在記。発行から二〇年以上の月刊誌。もはや旅行会社の広報宣伝誌と違う風格がある。
これはチャンスなのかも知れない。卒論へのリベンジは私事。『旅の途中』から世に出たノンフィクション作家も多い。チャンスならば私事では済まされない。世に出るとは「誰も書いたことが無い」「誰も読んだことが無い」と読者に思わせる、その前に支社長に思ってもらう斬新と新鮮が求められる。それがわたしに在るのだろうか。わたしに書けるのだろうか。これでは書く前に力が入ってしまう。力が入ると伸び伸び書けないのは決まっている。言葉が踊ってくれない。書いている最中に読者を気にかけてしまう。これで良いのだろうか…と振り返ってしまう。これでは書けない。書くとは熱にうなされなければ
筆が進まない。わたしはそうだ。だったら書く前に構想の段階で何をどう描くかを決める他ない。わたしはわたし以上には書けない。でも構想段階での追及ならば書いている訳ではないから何とかなりそう。モヤモヤ感を払拭しなければ…。初めての挑戦。力を抜いて普段通りに、青くなったり、赤くなったり、
感じたそのものを書こう。今はこれ以外に出来ない。構想を練り上げるのは出来る。わたしは難しく考えるのが性に合わない女子。ノンフクションの作法や心得は必ず在る。それを追及して自分の糧にしなければ勢いだけで書いてしまう。多分それではアマチュア。
ノンフィクションの作法や心得とは何だろう。これに気づかなければアマチュアから脱出できない。何時までもアマチュアのまま。
リターン
5,000円
応援してくれた方には直ちに感謝のメールを送らせてもらいます。
『どうせ死ぬなら恋してから(上)(下)』の書籍を郵送します。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 200
- 発送完了予定月
- 2021年7月
10,000円
10000円の方へ。御礼と感謝のメールを直ちに送らせてもらいます。
『どうせ死ぬなら恋してから』の書籍を郵送します。それと拙著の『未来探検隊』(圧縮ワープロ原稿)を添付メールで送ります。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 200
- 発送完了予定月
- 2021年7月
15,000円
15000円の方へ。御礼と感謝のメールを直ちに送らせて頂きます。
『どうせ死ぬなら恋してから』の書籍を郵送します。それと拙著の『未来探検隊』『スパニッシュダンス(上)(下)』をワープロ圧縮原稿を添付メールで送信します。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 200
- 発送完了予定月
- 2021年7月
20,000円
20000円の方へ。御礼と感謝のメールを直ちに送らせて頂きます。
『どうせ死ぬなら恋してから(上)(下)』の書籍を郵送します。次に『未来探検隊』『スパニッシュダンス(上)(下)』『』アンダルシアの木洩れ日』のワープロ圧縮原稿を添付メールで送ります。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 200
- 発送完了予定月
- 2021年7月