広島県農業技術センターNews 「広かんらん」

ジーンバンクで保存している特長のある品種(52) 

甘味が強く柔らかい夏播きキャベツ『広かんらん』

 

広かんらんは明治末期から大正初期にかけて、当時の賀茂郡広村(現在の呉市広)出身の篤農家「玉木伊之吉氏」を中心とした数名の農家によって育成されたものです。サクセッションとパンターゴの自然交雑の後代から選抜育成されたことになっていますが、生態的にはアーリーサンマーの系統になります。栽培は育成地の広を中心とした呉市で昭和12年~14年に約40haの記録がありますが、その後第2次世界大戦の勃発により面積は急激に減少します。戦後は昭和30年代に再び40haを超えるまでになりますが、今度は萎黄病を中心とした土壌病害の多発により面積は殆どゼロになりました。最近再び復活の兆しが見られ、呉市農業振興センターの指導で、本年度は1haを超える面積になりそうです。

この品種の特徴は何といってもその柔らかさと甘みの強さです。生食に最も適しますが、ロールキャベツや野菜炒め、お好み焼き等の材料としても絶品です。球の重さは1,5~2,0kgと夏播き品種としては小型です。暖地では8月上旬播きで3月まで収穫が可能ですが、寒さには強くないので、中部地帯では7月中旬播きの年内穫りが無難です。しかし、有機質肥料を用いた少肥栽培では3月穫りも可能なことが確かめられています。

 

    一般財団法人 森林整備・農業振興財団 農業ジーンバンク技術嘱託員 船越建明

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