今日はネパールの教育課題について少しお話をしたいと思います。

ネパールの小学校の総就学率は約130%と、ネパールの学童年齢の子供の大半は学校に通えています。そして、小学校退学率は約5%と、低所得国の平均が約40%であることを考えると、ちゃんと子供は小学校に通い始めるし、学校に残り続けていると言えます。前期中等教育についても総就学率は100%を超え、さらに男女間格差もこれらの教育段階では小さく、国の経済状況からすると教育へのアクセスはとても良好な状況にあります。

 

やはり課題は教育の質で、特に高い留年率が挙げられます。小学校での留年率は約10%と非常に高く、特に一年生のそれは約20%となっています。これは就学前教育が十分にいきわたっていない、さらに家に本が一冊もない子供が多数いる状況から推測されるように家庭での教育・ケアの状況が良好ではないため、子供が学校に行く準備が出来ていないということを示しています。

 

小学校入学時点で子供が学習に躓くと、学校教育は科目にもよりますが段階的に進むものですから、その後の教育内容を理解するのが難しくなります。さらに、このような状況は子供だけでなく、教育行政にとっても大きな課題となります。上の図のようなコーホート再構築法という分析手法を用いて生徒のフローを見ても、留年者が特に一年生で多いせいで、生徒の延べ人数が膨れ上がり、必要以上に多くの教員を雇わなければならない・教室や学校を立てなければならないなど、教育システムに負担がかかっていることが読み取れます。

これを打破するために早期の読書支援を行い、小学校への入学がスムーズにいくように、さらに他の科目を学んでいくための基礎を作ってあげることが重要になります。

 

そして、ここまで読んで感づかれた方もいるかもしれませんが、この小学校の最初で躓き、学校教育段階を通じて挽回が出来ない子供の問題というのは割合の違いはあるものの、日本でも見られる問題です。読書キャンプのような活動は日本の社会経済的に不利な環境にある地域でも、恐らく効果を発揮すると思います。

 

もちろん読書キャンプを継続的に実施していくことはネパールの子供たちに大きな利益をもたらしますが、これを継続的に実施することで改良を加えられれば、そう遠くない未来にこれを日本にも導入し、日本の子供たちにも利益をもたらすことができると考えています。ただ、そのためには継続的に実施し改良を加えて行くことが必要なので、どうかネパールの子供たちと、遠くない未来の日本の子供たちに良質な教育を届けるためにも、日本の皆さんのご支援をよろしくお願いします。

 

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