北海道中頓別町・築100年の登録有形文化財「旧丹波屋旅館」を未来へ

北海道中頓別町・築100年の登録有形文化財「旧丹波屋旅館」を未来へ

支援総額

4,035,000

目標金額 3,500,000円

支援者
198人
募集終了日
2023年11月10日

    https://readyfor.jp/projects/9tanbaya?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

プロジェクト本文

終了報告を読む

 

旧丹波屋旅館を後世に伝えるために

 

 

 はじめまして、NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクトです。

 

 NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクトは、北海道中頓別町(なかとんべつちょう)小頓別(しょうとんべつ)地区の国道275号線沿いに佇む和洋混合の木造建物で、国の登録有形文化財に登録されている「旧丹波屋旅館和館・洋館」の保存活用を進める活動をしております。

 

 現在築100年を超え深刻な老朽化が進んでいる旧丹波屋旅館を未来に遺すためには、建物の傾きや雨風が吹き込む建物の大規模な改修・修繕が必須となります。今回はNPO法人だけの力では賄えきれない、その改修工事を行う前段階の建物全体の大々的な調査費用について、皆さまからのご支援をお願いしたく、クラウドファンディングに挑戦します。

 

 人々に愛され、幾多の時代を乗り越えてきたこの建物を、地域の顔として、学習・観光の場として、地域貢献に資することを目指し建物の保存活用を探り、道北地区に残る数少ない歴史的建築遺産として、 後世に受け継いでいければと考えております。

 

 皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト

 

 

旧丹波屋旅館について

 

 北海道中頓別町(なかとんべつちょう)小頓別(しょうとんべつ)地区の国道沿いに佇む、和洋混合の特徴的な外観を見せる木造建物が、国道275号線を走る自動車やライダーの目を留めています。 

 

 建物名を「旧丹波屋旅館」と言います。

 

 この建物は1914(大正3)年、国鉄旧天北線(開業当時は宗谷線、後に北見線〜天北線に改称)小頓別駅開業時に建てられた和風の造りの「和館」と、1928(昭和3)年頃増築された洋風の「洋館」から成る、特徴的な佇まいを見せる旅館建築です。2000(平成12)年には、「旧丹波屋旅館和館・洋館」として、国の登録有形文化財に登録されました。

 

 建物は当初旅館として建築され、経営者の変更に伴い、松尾旅館(大正前期)〜菅井旅館(大正前期から昭和40年前半)〜丹波屋旅館(昭和40年前半から平成元年)と名称を変更してきました。1989(平成元)年、過疎化によるJR旧天北線廃止に伴い旅館としての役目を終え、その後は個人宅として利用されていました。

 

>>>北海道中頓別町小頓別地区について

 

左側:「洋館」、右側:「和館」(左端の赤い屋根の部分は昭和後期に増築されたもので、文化財ではありません)

 

 

◾️和館【国登録有形文化財 登録番号:01-0016】

 

 旧丹波屋旅館西側の「和館」は、大正3年(1914)に最初は「松尾旅館小頓別支店」として建設され、駅前の旅館として繁盛していました。当時、旭川から北上して稚内方面へとオホーツク方面への分岐点で交通の要衝であった小頓別地区は、木材資源が豊富で林業が盛んであり、木材を買い付けに来た材木商たち等で、今の状況からは想像が付かないほど賑わっていたようです。建物は木造2階建て切妻屋根、板張りの外壁で、正面中央に平入りの切妻破風・鬼板を持つ玄関が設けられています。

 

 また、玄関上部建物正面側2階部分には、当時の旅館建築で特徴的に用いられていた「せがい造り」の縁側が見られます。内部は玄関から入って正面に2階へ上る手の込んだ造りの意匠をもつ階段があり、この建物のひとつの見所となっています。その階段を上った2階には、当時の客室が4室残っています。階段室から奥の正面道路側(北側面)には前述の縁側があり、外部と内部を仕切る9枚の間仕切戸は取外し可能で、両側の戸袋に収納し全面を開放できる造りとなっています。

 

和館2階:宿泊室「壹番」の室名札
和館2階:階段を上った2階ホール。竿縁天井など、建築当初の風情を感じられます。
和館外観:「旅館丹波屋」の看板。
和館1階:玄関から入った正面に、2階へと続く階段がある。
和館外観:正面玄関切妻破風屋根上の鬼板。

 

 

◾️洋館【国登録有形文化財 登録番号:01-0017】

 

 旧丹波屋旅館東側の「洋館」は、1928(昭和3)年頃、当時旅館を経営していた菅井旅館の菅井鐵之助によって増築されました。木造3階建て腰折れ屋根、板張りの外壁に、上部に飾りの付いた外部両開きの扉を持つ上げ下げ窓が、この洋館の外観を特徴づけています。外部の洋風な意匠とは一変し内部は極めて純和風な設えとなっており、純和風の室内に設置された上げ下げ窓という違和感が、当時の雰囲気を今に伝えています。

 

 内部1階は居住用として利用され、2階に客室を3室もっています。2階から極端に狭い廊下を介して階段を上に上ると、3には小屋裏部屋があります。両脇に小部屋を持つこの小屋裏部屋は、内部壁に漆喰塗りが施され、他の部屋とは全く違う特徴的な造りを有しており、一説には増築当時、鉄道を利用され稚内方面へと向かう予定だった皇族の方の、ご宿泊のために設えられたという逸話があります。当時の経営者または大工が、洋風文化に憧れを抱き、洋風建築をこの地域に持ち込んだ先見事例とも考えられます。3階の小屋裏部屋、上部に飾りの付いた外部両開きの扉を持つ上げ下げ窓など、誰がどのうような意図で設計したのか不明な点が多く、想像を搔き立てます。

 

洋館3階:小屋裏を利用した部屋。皇族の方の宿泊のために設えられたという逸話が残る。 
洋館3階:小屋裏を利用した部屋。壁の亀裂が激しい。
洋館外観:飾りの付いた両開きの扉を持つ上げ下げ窓。上部にはファンライトを模した意匠が施されている。
洋館2階:宿泊室「七番」の室名札。手の込んだ掘込みの欄間も見ることが出来る。

 

 

 

 

 

旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト

 

 「旧丹波屋旅館」は築100年を超え、近年、前所有者様が建物を個人で維持することも困難な状況に陥っていました。

 

 建物の解体も囁かれる中、小頓別の歴史を物語るこの貴重な建物を何とか遺したいと地元の方々が声を上げ、2013(平成25)年に「旧丹波屋保存会」を設立。その後、建物の本格的な保存活用を目指すため、2020(令和2)年8月、「NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト」を設立しております。建物は現在、前所有者様からのご寄付により、NPO法人が所有・管理を行っております。

 

NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクトメンバーの集合写真(2021.8.1写生会参加者の皆さまとの記念撮影)

 

 私たちはこの地域にとって、とても大切なこの建物を保存活用して、未来に引き継ぐことを目標としています。

 

 建物使用が困難な現在、NPOでは保存活動周知のための地道な活動を展開しておりますが、この建物を未来に遺すためには、現在築100年を超え著しい老朽化が進み、大雪による建物の傾きや雨風が吹き込む建物の大々的な改修・修繕が必須となります。

 

玄関部分の屋根が傾いてしまっています。

 

 この改修工事には、とても多くの費用がかかることが予想されておりますが、私たちはそれを実現するために、一歩ずつ前に進んでいきたいと考えています。小頓別地区のシンボルとして、住民の心の拠り所として、また地域活性化の一翼を担えるよう、この歴史的な建物を次世代に遺すことを目指しております。

 

 

 

今回のプロジェクトの詳細

 

 今回のプロジェクトでは、建物保存活用のための将来的な建物改修工事にあたり、改修計画を検討・策定するため前段として必須となる「建物全体の既存状況の調査費及び耐震診断費」を集めることを検討しております。

 

 これまで、会員の皆様の会費及び寄付金を元に運営してまいりましたが、NPO法人だけの力では賄えきれないこの保存活用活動のための費用に対し、皆さまからのご支援をお願いしたく、クラウドファンディングに挑戦します。

 

 建物規模が大きく調査・耐震診断と言えども費用がかかりますが、今後の建物の保存を左右してくる本調査・耐震診断を何とか実施したいと考えております。

 

クラウドファンディング概要


■目標金額:350万円

 

・建物全体調査(現地調査・図面作成)及び耐震診断費 1,903,000円(税込)

・上記に関わる3D計測・解析業務費 544,500円(税込)

・その他諸経費

 

■資金使途:旧丹波屋旅館改修工事の為の、建物全体の既存状況の調査費及び耐震診断費の一部に充てます。

 

※本プロジェクトはAll or Nothing方式です。目標金額に1円でも満たなかった場合、ご支援者様に全額返金となります。

 

 

プロジェクトの展望・ビジョン

 

 私たちの最終目標は「旧丹波屋旅館」を未来に遺すための、大々的な建物の改修工事を行い、みんなが建物を使用出来る状態に蘇らせることです。

 

 建物の改修工事を行う事で、現在安全性等の面から内部を使用出来なくなっている建物の安全性の担保、既存設備の更新、建物の断熱改修を行い、この建物をカフェや地域のコミュニティースペース、商品販売、ギャラリー、コワーキングスペース、レンタルスペース、簡易宿所(民泊)等に展開させ(現状での想定です)、建物を活用する事で、建物の保存とこの小頓別地区の活性化を目指せればと考えております。

 

 この小頓別を消滅させたくありません。

 

 皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

◾️北海道中頓別町(なかとんべつちょう)

 

 北海道の北部に位置する人口1,600人弱の小さな町「中頓別町」。

 

 明治30年頃、この町を流れる頓別川で砂金が見つかり、それを目当てに人々がこの地に集まり始め、最盛期にはゴールドラッシュとも呼べる賑わいを見せました。その後原野が開拓され徐々に人が住み着き、集落が形成されていきました。砂金が取れなくなると、町内の豊富な木材資源をもとに林業が盛んとなり、町は発展します。土地の開拓が進むにつれ酪農も盛んとなり、現在の町の基幹産業となっています。

 

 冬は雪深く最低気温が−30度を下回る日もあり、盆地のため夏は30度を超える日もある過酷な環境ではありますが、自然の四季折々の表情が楽しめる緑豊かな田舎町です。

 

 

 

◾️中頓別町の南部に位置する小頓別(しょうとんべつ)地区

 

 小頓別地区は、中頓別町の南部の玄関口、道北地区・オホーツク地区への分岐点、交通の要衝であり、林業の中心地として栄えました。

 

 1914(大正3)年、音威子府(おとねいっぷ)から北へ鉄道(国鉄旧天北線、開業当時は宗谷線、後に北見線〜天北線に改称)が延伸され、この小頓別の地に「小頓別駅」が設けられると一気に人口が増え、旅館、飲食店、料理屋、商店、劇場、造材所などが軒を並べていき、小頓別は賑わいを見せていきます。

 

 鉄道の更なる北部への延伸とともに昭和30年代に地区の賑わいもピークを迎えますが、その後は輸送手段が車への移行が進み、鉄道は乗客数が減少。1989(平成元)年、赤字路線の鉄道はついに全線廃止され、それに伴い小頓別も衰退。過疎化の一途を辿っていく事になります。

 

 2009(平成21)年、地区にある山村留学生を募り生徒数を確保していた小頓別小中学校も廃校、現在では小頓別の中心を通る国道275号線沿いに旧丹波屋旅館・郵便局・バス停留所ほか数軒の建物が残るまでの状況となっています。まさに地方消滅の危機が、直近に現実として迫っています。

 

 

 

 

プロジェクトメンバーの紹介

 

菊地 幸男
NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト / 理事長

中頓別町の貴重な文化遺産「丹波屋」を遺すために、私たちは頑張っています。文化遺産保全のために、ご協力をお願いいたします。

 

杉山 友和
NPO法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト / 理事・事務局長

この国登録有形文化財「旧丹波屋旅館和館・洋館」を、私たちは普段、親しみを込めて「丹波屋」と呼んでいます。過疎化の進む地域の火を消さないために、私たちはこの地域の歴史そのものである「丹波屋」の保存に取り組んでおります。皆さまからのご支援を、何卒よろしくお願いいたします。

 

 

応援メッセージのご紹介

 

 私が、「新米先生」として初めて宗谷に足を踏み入れた時のことです。音威子府から道路が分かれ中頓別に向かうと、それまでと打って変わって森の中の走行になりました。少し走ると急に視界が開けて目に飛び込んできたのが「丹波屋」でした。

 

 それまで、あまり目にしたことのない腰折れ屋根とアーチ形の窓。しかも、右半分に和館がつながっている洋館建築がとにかく印象的でした。国道を通って、丹波屋の前を通り過ぎるとき私が趣味にしている絵に描いてみたいといつも思いながら実現させることなく転勤しました。

 

 20年余りの時を経て、中頓別で仕事をするようになったとき、真っ先に丹波屋のことが頭をよぎりました。空き家になったとたん、家の傷みは急速に進むと言われます。なのに、それだけの時を経ても、丹波屋は健在で驚きました。

 

 かつて、丹波屋のある小頓別は歌登方面と浜頓別方面に分岐する交通の要所でした。当時の主産業、林業も盛んで地域の人は当時の賑わいを懐かしく語ります。

 

 丹波屋が建っている地元の方々をはじめとした人たちの支えにより、何とか形を保ってきた丹波屋ですが、老朽化は否めず、大幅改修が必要となりました。文化財としての価値を保ち、地域遺産として後世に伝えていくためにこのほどクラウドファンディングを行うことになりました。多くの皆様に、歴史を後世に伝えていく象徴として丹波屋を残していくために、皆様のお力添えをお願いいたします。

中頓別町教育委員会
教育長

 

 

 

 


 

留意事項:ご支援の前にお読みください

 

●本プロジェクトへのご支援は寄付控除の対象にはなりません。

●リターンにつきましては、プロジェクト達成後は、既にご支援いただいたコースから別のコースに変更することはできませんので、ご了承ください。

●ご支援確定後にアカウント情報を変更した場合でも、ご支援時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご支援時に入力いただいた宛名と住所にリターンをお送りさせていただくことになります)のでご注意ください。

●本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、こちらのページの「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

●支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトの活動報告やSNS等発信などに利用させていただく場合があります。

●ご支援に関するご質問は、こちらをご覧ください。

 

 

プロジェクト実行責任者:
特定非営利活動法人旧丹波屋旅館保存活用プロジェクト
プロジェクト実施完了日:
2024年3月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

将来へ「旧丹波屋旅館和館・洋館」を遺すために、必要な老朽化した建物の改修工事にあたり、改修計画を検討・策定するため前段として必須となる「建物全体の既存状況の調査費及び耐震診断費」に資金を使用する。

あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!

    https://readyfor.jp/projects/9tanbaya?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

プロフィール

あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!

    https://readyfor.jp/projects/9tanbaya?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

リターン

10,000+システム利用料


缶バッジコース

缶バッジコース

●缶バッジ

●お礼のメール
●硬券切符風記念証
●お名前を保存活用プロジェクトHPに掲載(希望者のみ)
●調査報告書
※A4サイズにまとめたものをお届けします

申込数
44
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

30,000+システム利用料


alt

トートバッグコース

●トートバッグ

●お礼のメール
●硬券切符風記念証
●お名前を保存活用プロジェクトHPに掲載(希望者のみ)
●調査報告書
※A4サイズにまとめたものをお届けします

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

10,000+システム利用料


缶バッジコース

缶バッジコース

●缶バッジ

●お礼のメール
●硬券切符風記念証
●お名前を保存活用プロジェクトHPに掲載(希望者のみ)
●調査報告書
※A4サイズにまとめたものをお届けします

申込数
44
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

30,000+システム利用料


alt

トートバッグコース

●トートバッグ

●お礼のメール
●硬券切符風記念証
●お名前を保存活用プロジェクトHPに掲載(希望者のみ)
●調査報告書
※A4サイズにまとめたものをお届けします

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月
1 ~ 1/ 10

プロフィール

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る