
支援総額
目標金額 2,000,000円
- 支援者
- 168人
- 募集終了日
- 2025年4月26日

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- 現在
- 100,000円
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- 12人
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- 8日
プロジェクト本文
このプロジェクトをご覧いただき、ありがとうございます!
フジメディカル出版の宮定久男です。
弊社は医学系専門書の出版社として1998年(平成10年)に創業し、医師・薬剤師など医療専門職の人たちを読者対象として医学雑誌や医学書を発行してまいりました。糖尿病、肥満・メタボリックシンドローム、腎臓病、高血圧、脳梗塞、認知症、血液・免疫学、女性医学、臨床薬学、臨床栄養学、機能性食品、介護など、幅広い分野の専門図書を手がけています。
2022年に初めてこのREADYFORのクラウドファンディングで、希少難病「キャッスルマン病、TAFRO症候群」の成書発刊のプロジェクトにチャレンジし、多くのご支援を得て成功し出版することができました。このことが契機となり、小部数クラウドファンディング型出版に取り組んでいます。なぜ、小部数のクラファン型出版なのか、その思いは一番最後に書きましたので、ぜひ最後までご覧ください。
▼今回のプロジェクトの目的・意義
カテーテル感染という用語をご存知でしょうか?
カテーテルとは医療用に用いられる柔らかい管のことで、薬剤・栄養剤の注入や体液の排泄などを行うために体腔や血管、消化管、尿管などに挿入する器具です。点滴のチューブもそうです。そのカテーテルを静脈内に留置して栄養剤などを投与するために用いた医療的処置の中で起こってしまう感染がカテーテル感染と呼ばれます。
このプロジェクトは、特に静脈内に留置したカテーテルに関連した血液の感染(カテーテル関連血流感染症、catheter related blood stream infection: CRBSI)について書かれた医学専門書の出版プロジェクトです。
実は、日本ではCRBSIに特化して詳しくまとめた書籍が未だ出ていません。そのことに危機感を抱いた本書の著者が満を持して書き上げた原稿を、なんとしても世に出したいのです。
▼カテーテル関連血流感染症って、どんな病気?
カテーテル関連血流感染症について、もう少し詳しく書きます。
以下は生成AIによる解説です(Copilotで2025年2月10日検索)。
カテーテル関連血流感染症(CRBSI)は、血管内カテーテルの使用に関連して発生する血流感染症のことを指します。この感染症は、医療現場での重要な合併症の一つであり、重篤な結果を引き起こすことがあります。
◉原因
CRBSIの主な原因は、カテーテルの挿入部位を通じて細菌や真菌が血流に侵入することです。以下のような状況でリスクが高まります:
・カテーテルの挿入期間が長い
・不適切なカテーテル管理や無菌技術の欠如
・免疫機能の低下(例:化学療法を受けている患者)
・既存の感染症や皮膚の損傷
◉症状
CRBSIの症状は多岐にわたりますが、以下のような一般的な症状が見られます:
・発熱や寒気
・カテーテル挿入部位の発赤や腫れ
・全身倦怠感や疲労感
・頭痛や関節痛
◉診断
CRBSIの診断には、血液培養検査が一般的に使用されます。具体的な手順は以下の通りです:
・カテーテル挿入部位と末梢血からの血液培養を行う
・同一の病原体が検出された場合、CRBSIと診断する
◉治療
CRBSIの治療は迅速かつ適切に行う必要があります。治療方法には以下のようなものが含まれます:
・感染源であるカテーテルの抜去
・広範囲の抗生物質治療
・病原体に特異的な抗生物質の選択
・重症例では、集中治療室での管理が必要となることもある
◉予防
CRBSIの予防には、以下のような衛生管理と無菌技術の徹底が重要です:
・カテーテル挿入前後の手指衛生の徹底
・カテーテル挿入部位の消毒と適切なドレッシングの使用
・可能な限りカテーテル使用期間を短くする
・定期的なカテーテル管理と監視
CRBSIは適切な予防策と管理によって大幅に減少させることができます。医療従事者は常に最新のガイドラインに従い、リスクを最小限に抑える努力を続けることが重要です。
これだと、主に医療従事者に向けた解説になっていますね。
なので、もう少し具体的な場面を想定しながら説明します。(著者の井上先生に修正・監修していただきました)
あなたが何らかの病気や事故で入院し、ベッドで点滴を受けている場面を思い浮かべてください。あなたの腕、胸(鎖骨の下)や首に挿入された点滴からベッド横に吊るしてある薬液の袋(バッグ)まで繋いであるチューブ(管)がカテーテルです。多くの場合、薬液袋の下側にカテーテルの先を差し込んで薬液を落とす(注入する)ようになっています。おそらくあなたの点滴も看護師さんが「今からお薬の点滴をしますよ」などと言いながら、薬液袋の下側にカテーテルの先端部を差し込み、カテーテルの途中にあるクレンメ(流量調節装置)を動かして滴下速度を調節すると思います。
この時、もしもカテーテルが入っている皮膚の部分が病原性細菌に汚染されていたらどうなるでしょうか? 薬液袋の内容(輸液)自体や点滴セットなどが汚染されていたらどうなるでしょうか?
本来、私たちの体は皮膚や粘膜のバリア機能で外敵(細菌やウイルス)の体内への侵入を防ぐのですが、点滴ではカテーテルがあなたの腕や胸、首を介して血液に直接入れられているので、そのバリア機能が生かされることなく、いとも簡単に外敵の侵入を許すことになります。細菌はあなたの体内にたやすく侵入し、体内で次々と増殖していきます。防ぎようがありません。
そうなると、血液中の免疫細胞たちが必死に外敵と闘い守ろうとするのですが、病気や怪我で入院している患者さんは免疫力も落ちています。たちまち細菌のほうが優勢になり、高い熱や悪寒に襲われ、免疫力が著しく低下した患者さんでは命の危険に瀕する状況となります。
これがカテーテル関連血流感染症の恐ろしいところです。もちろん、迅速なカテーテル抜去や抗菌薬投与などの緊急措置で治ることも多いですが、高齢者や重症患者ではあちこちの臓器に重篤な障害を引き起こし敗血症に至る危険もあります。
このCRBSIへの対策の肝は、的確な診断と迅速な治療、そして何よりも衛生管理を徹底し予防に努めることです。そのために本書は重要な役割を果たすことでしょう。
▼著者の井上善文先生です
井上善文(いのうえ よしふみ)先生
・愛媛県出身。1980年大阪大学医学部卒業。大阪大学第一外科、国立呉病院外科にて外科研修後、大阪大学小児外科 岡田正教授に師事し、外科代謝、がん患者の栄養管理、栄養評価、カテーテル管理、在宅医療などの研究を行う。
・米国Duke University Medical Center外科、米国University of Florida外科への留学を経て、1993年大阪府立病院消化器一般外科、1997年大阪大学第一外科助手、2001年大阪大学大学院医学系研究科臓器制御医学専攻機能制御外科講師、2002年日本生命済生会付属日生病院外科部長、2005年医療法人川崎病院外科総括部長、2013年大阪大学国際医工情報センター栄養ディバイス未来医工学共同研究部門特任教授、2023年より千里金蘭大学栄養学部教授。
・一般社団法人 静脈経腸栄養管理指導者協議会(リーダーズ)代表理事、血管内留置カテーテル管理研究会(JAN-VIC)代表世話人、関西PEG・栄養とリハビリ研究会代表世話人ほか。日本の臨床栄養の権威。経腸栄養と静脈栄養を駆使した本物の栄養管理ができるMedical Nutritionistの育成に精力的に取り組んでいる。
・日本におけるCRBSI予防対策ガイドライン作成のメンバーであり、この問題に関する数多くの論文などを執筆している。
▼井上先生の思い
著者である井上善文先生の思いを、本書の「はじめに」から抜粋します。井上先生の本書執筆に寄せる思いが皆様に届けばと思います。
<はじめにより>
国立呉病院での2年目、食道癌の患者を受け持つことになりました。初めての食道癌手術の術者です。
当時、頸部における食道―胃管吻合部の縫合不全の予防対策は極めて重要で(もちろん、現在でも同じですが)、いろいろ考えた末、術前の栄養管理としてTPN*1を実施しました。食道癌の患者は栄養障害に陥っていることが多いため、栄養管理が非常に重要であると、阪大での経験で認識していたからです。鎖骨下静脈穿刺よりも内頸静脈穿刺に興味がありましたし、術野の邪魔にならない経路として、内頸静脈穿刺でCVC*2を挿入しました。約10日間、TPNを実施して栄養状態を改善させておく、これが重要で、縫合不全の予防にも有効であると考えていました。
ところが、TPN実施10日目、手術の前日に、39℃、発熱しました。39℃です。悪寒が来て、急に発熱しました。カテーテル関連血流感染症と判断してカテーテルを抜去しました。当然ですが、手術が延期となりました。手術前日に39℃の発熱をきたした食道癌患者を手術するなんて、できるはずがありません。直接指導していただいていた越智博昭先生にこっぴどく叱られました。
『栄養管理? 手術の方が大事なんや、術前の栄養管理をする意図はわからんことはないが、カテーテル感染を起しては、何のために栄養管理をやっているのか、わからんやないか!』。確かに越智先生の言う通りで、カテーテル感染を起しては、何のために栄養管理をやっているのか、わからないことになります。このように越智先生に叱られたことが、その後CRBSI予防対策の勉強を始めた時、一番重要なきっかけになっていたことに気付きました。(中略)
本書は、これまでの私のCRBSI予防対策に関する現場での経験、『静脈経腸栄養ガイドライン第3版』や厚労省のガイドラインを作成した経験、米国のCDC(Centers for disease control and prevention:アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインなどを基に、私が現在、最も有効である、実施すべきである、と考えるCRBSI予防対策について解説したものです。ガイドラインはエビデンスに基づいたものでなければなりませんが、それも私なりに解釈し、経験上有用であるという方法についても、私個人の見解として記載させていただきました。
本当はガイドラインという名称を使いたいという気持ちもありますが、それは、ガイドライン作成手順にのっとったものであるべきなので、『指針』や『ナビゲータ』というニュアンスで受け止めていただければと思っています。(井上善文)
*1 TPN:Total Parenteral Nutrition。中心静脈栄養法とも呼ばれ、中心静脈(心臓近くの太い静脈)にカテーテルを留置して高濃度の栄養剤を投与する治療法です。
*2 CVC:中心静脈カテーテル、central venous catheter。TPN等に用いるカテーテル。CVCは、高カロリー輸液や薬剤の投与、採血、静脈圧測定などを行うために使用される。体表より静脈内にカテーテルを挿入し、カテーテル先端を中心静脈内に留置する。
▼本書の概要
【仕様】
B5判 本文350頁(写真カラー) ソフトカバー単行本
定価 本体 5,000円+税(*予定価格です)
発行部数 500部
【目次内容】
プロローグ
第1章 静脈栄養の開発・普及の歴史とカテーテル感染
第2章 静脈栄養(PPN・TPN)の適応とCRBSI予防対策
第3章 中心静脈カテーテルと挿入方法、合併症
第4章 CVC挿入時の無菌性確保
第5章 CVC挿入後の維持(留置)期間中のCRBSI予防対策第
5章-1 カテーテル外表面を介する経路に対する対策第
5章-2 カテーテル内腔を介する経路に対する対策
第6章 末梢静脈栄養法における感染対策
第7章 輸液中での微生物増殖性
第8章 カテーテル関連血流感染症:CRBSIの予防対策と診断と対応
【表紙】
▼本書の特徴
⚫︎基本解説 + ⚫︎症例写真 + ⚫︎カテ問答
・基本解説:エビデンスに基づくガイドラインを土台にしたCRBSIの予防・対策の基本解説。各章の冒頭と章末に要点を箇条書きで書き出し、理解を助けます。さらに巻末には、各章の要点を再掲して知識整理に役立てられるように工夫されています。
・症例写真:300点超の圧倒的な数のカラー写真による具体的で的確な解説。著者が関わった数多くの症例の写真だけでも160点以上、さらには関連機器の写真や図表もふんだんに掲載し、具体的で的確な解説になっています。
・カテ問答:内容の理解を助ける工夫として、井上先生の通称「ゼン先生」と著者の旧知の看護師である山田看護師との対話(問答)形式で、面白可笑しく時に脱線しながら掘り下げた解説が随所で展開されます。この対話形式は井上先生が得意とする執筆手法で、小社既刊書「ゼン先生の栄養管理講座」(Ⅰ〜Ⅲ)でも取り入れられています。
▼支援費用の使い道
印刷費 110万円(税込)
組版代 56万円(税込)
諸経費 3.2万円(税込)
READYFOR手数料 30.8万円(28万円+税)
▼このプロジェクトの使命
本書のテーマである「CRBSI」の問題を考える際に、まず認識しておかねばならないことがあると思っています。それはCRBSIが発生してしまう医療現場における“臨床栄養に関する理解・認識の低下”があるのではないかと言うことです。本書のプロローグで次のように記されています。
⚫︎ カテーテル管理というと、多くの医師、看護師の興味はカテーテルの挿入である。現在はCVポート*3とエコーガイド下上腕PICC法*4に興味が集中しているようである。しかし、カテーテル管理とは、維持期間中にも、合併症なく、目的とする期間、カテーテルを使用することで、特に感染対策は徹底して行われなければならない。
⚫︎ CRBSIは血流感染の要因として非常に重要であるが、感染対策の専門家の方々は、あまりCRBSI予防対策には興味がない、そんな印象を持っている。偏った考え方と言われるかもしれないが。
⚫︎ また、感染管理認定看護師は、その教育課程で、どこまでCRBSI予防対策について学んでいるのだろう、そんな思いもある。叱られるのは間違いないが。CDCガイドライン*5についての勉強しかしておられないのではないだろうか。本当に叱られるであろう。
⚫︎ そんな思いを持って、日本式のCRBSI予防対策を完成させたいと願いながら、この領域で活動している。
このような著者の懸念、否、危機感が、本書を著すモチベーションにもなっています。少しオーバーに言うと、この本の底流にあるのは、カテーテル感染に留まらず臨床栄養の専門職としての現場レベルでの意識改革の必要性、さらには専門職育成プログラムも含めた臨床栄養領域の一大改革の必要性を説く著者の叫びであるのかもしれません。
私共は、このほとばしる熱い思いに共感し、本書の発刊を決意いたしました。そしてこの思いこそ、真に医療従事者が共有していかねばならないことであり、本書を通して医療従事者の気付きを促し、質の高い医療の提供に繋げていくこと。それが、このプロジェクトの真の目的であり、使命でなければならないのだと思っています。
*3 CVポート:皮下埋め込み型ポートといわれる中心静脈カテーテルの一種。皮膚の下に埋め込んで薬剤を投与するために使用する。
*4エコーガイド下上腕PICC法:上腕の静脈をエコーで確認しながら穿刺し、カテーテルを挿入する治療法。PICC(末梢留置型中心静 脈カテーテル)は、腕から比較的簡単に挿入でき、安全性の高い方法として知られている。
*5 CDCガイドライン:アメリカ疾病予防管理センターのガイドライン
▼私たちの思い(出版についてあなたと一緒に考えたいこと)
本のテーマからやや外れますが、なぜ私たちが小部数クラウドファンディング型出版に取り組むのか、その根っこにある思い、出版界が抱える問題も含めて私たちが抱く出版についての思いを書きます。
本を出すことの原点= 1人でも読者があるなら出版すべき
世界中で10人に6人以上が利用しているSNS(普及率62.6%、2024年初頭*)は、日々の出来事を瞬時に共有しながらコミュニケーションを図れる大変便利なツールです(*:Statista Japan, 2024-6-28)。ただ、その手軽さの裏返しとして、真偽の疑わしいものや、不用意な書き込みによるトラブルも日常茶飯事です。一方、本というのは、書き手が推敲を重ねて、さらに編集者が目を通して時間をかけて作り上げられるので、SNSにはない安心感・信頼感が備わっています。ですから、自分の特別な思いを届けたい場合は、ぜひ本にして出すことをお勧めします。
たった1人でも伝えたい人(=読者)があるならば、それは本を出版するべき大きな理由になると思います。売れるか売れないかとか、テーマの普遍性だけで出版を決めるのではなく、伝えたい気持ちの強さや届けたい相手が誰なのかで出版の是非を決めるべきです。むしろ売れないテーマ(家族のためだけに残したい思いなど)こそが人間にとっては大切なものなのであり、それが本の題材として最もふさわしいものなのかもしれません。
新たな気づきとの出会い
本を作る作業、例えば目次立てを整理・推敲しながら、あるいは原稿を書き進めながら、新たな気づきに出会うことが少なくありません。時に自分の考え方や生き方までも見つめ直す機会にもなり得ます。企業であれば、思わぬ経営課題が浮き彫りになったり、新たなビジョンや社会的使命が見えたりすることがあるかも。本を出すために費やされる時間は、いろいろな気づきに出会う大切な時間となります。
依頼原稿のジレンマ
私たちの作る本=医学書は、医学専門家・医療従事者への依頼原稿で成り立っています。出版するテーマが決まれば、そのテーマに詳しいドクターに編集や監修をお願いして、その本の目次構成とともに執筆者(分担執筆)を決めていただき、各執筆者には数カ月の期限付きで執筆をお願いします。高血圧や糖尿病など臨床医学系のテーマであれば、執筆者の大半は日々の診療に多忙な臨床医です。分担執筆とはいえ、ただでさえ忙しい診療の合間に原稿を書いていただかねばなりません。
分担執筆の難点は、1人でも原稿が遅れると発行が遅れてしまうことです。なので、執筆期限がくると各執筆者には、編集担当者からたびたび督促がかけられ、ときには睡眠時間も削って執筆していただかねばなりません。実は、このようなことが常態化・慢性化していて、複数の依頼原稿を抱えている執筆者(臨床医)はいつも寝不足で、常にいくつもの締め切りに急き立てられながら日々診療にあたることになり、重大な疾患の見落としや誤診の危険性にさらされていると言えなくもありません。
果たして、このような原稿執筆に依存している医学専門書の出版活動というものは、どこまで許容されるのでしょうか? 新型コロナウイルス感染症などの対応に昼夜を問わず尽力してくださっている医療従事者に、先を争って原稿依頼をかけていく医学系出版社の矜持とはなんなのか? 私共がいつも自問しているジレンマです。
SDGs(持続可能な開発目標)の観点から: SDGs「12. 作る責任、使う責任」
一般的な出版(実績のある出版社での発行)においては、より書店店頭で目立たせるために、平積みや面陳列に見合う初版部数が必要です。皆さんが書店の新刊コーナーや学会の書籍展示コーナーをご覧になれば一目瞭然です。でも、本当に必要な(実際に売れる)数量に限れば、もっと初版部数は少なくて済むはずです。作りすぎて無駄になった本の実数は公開されることはありませんが、おそらく想像をはるかに超えた驚異的な数字になっていることでしょう。この販売手法を見直せば、資源を無駄にせず、環境負荷を軽減できるはずです(発行部数の多さは輸送量、すなわちCO2排出量にも直結します)。書籍「キャッスルマン病,TAFRO症候群」のクラウドファンディングのサイトにも、このことを述べました。
最後に
私たちの今回のプロジェクトについて最後まで読んでいただき、ありがとうございました。弊社の小部数クラファン型出版プロジェクトでの常套句にはなりますが、改めて私自身の出版に対する考えを述べさせていただきます。
私は医学専門書の編集に携わって33年になります。この間に手がけた専門書のテーマは、ともすれば、高血圧や糖尿病、認知症など、患者さんの多い病気に関するものに偏りがちでした。それには必然的な理由がありました。学術専門書といえども、商業出版である以上、たくさん売れるテーマのほうが企業の収益に貢献するという市場原理です。当たり前のことですが、患者さんの数の多い病気の本ならたくさん売れることを意味します。その一方で、患者さんの数の多い病気に関する専門書は、競合他社との販売競争も熾烈です。歴史ある専門出版社や大手資本の出版社にはとても太刀打ちできません。そんな中でも必死に数字を追い求めて頑張ってきました。
ところが、コロナ禍を機に、これまでの出版事業について見つめ直す時間が生まれ、思いを新たにすることとなりました。患者さんの数の多い病気の本や読者の多いテーマの本は自分達が作らなくても他の競合出版社が競って出版してくれる。私たちは私たちにしかできない出版をやらなければ意味がない、小さいながらも医学専門書の出版社として貢献できる形があるはずだと。その答えの一つが、希少難病に関する専門書の出版であり、また今回のCRBSIのような非常に重要でありながらも上梓に至らないテーマの本の出版です。
患者さんの数の少ない希少難病、あるいは重要なのに研究者が少ないテーマは、当然ながら対象読者も少なく発行部数も稼げないため、出版のテーマには不向きです。しかし、採算性とは別の専門出版の使命があります。それは、大仰に言えば生命科学と医療の発展への貢献に他なりません。
今回のプロジェクトが成功すれば、その次に取り組みたい希少難病、取り組みたい重要テーマが数多くあります。それらのテーマにもクラウドファンディングでのご支援を得ながら出版の実現を目指したいと思っています。皆様のご支援を何卒よろしくお願いいたします。
文責 フジメディカル出版 宮定久男
- プロジェクト実行責任者:
- 宮定 久男(フジメディカル出版 代表取締役)
- プロジェクト実施完了日:
- 2025年6月16日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
フジメディカル出版が医学専門書「カテーテル関連血流感染症 -予防と対策-」を出版します。ご支援いただいた資金は、その制作費(印刷費や組版費等)として使わせていただきます。
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プロフィール
有限会社フジメディカル出版 代表取締役: 1985年関西外国語大学を卒業。前職である医学系出版社を退職後の1998年8月に大阪市北区同心の地で医学系専門出版社 フジメディカル出版を創業しました。 東京女子医科大学医用工学カリキュラム(現バイオメディカルカリキュラム)修了以外には医学のバックグラウンドも全くないまま、経営も素人同然で起業しましたが、幸いにも多くの先生方のご理解・ご指導と多くの取引先のご支援を得て、創業27年目を迎えています。
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リターン
3,000円+システム利用料
感謝のメール
⚫︎感謝のメールをお送りします
- 申込数
- 36
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年7月
10,000円+システム利用料
感謝のお手紙 + 本書にお名前の掲載
⚫︎感謝のお手紙をお送りします ⚫︎本書巻末の支援者一覧にお名前を掲載します
- 申込数
- 83
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年7月
3,000円+システム利用料
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⚫︎感謝のメールをお送りします
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- 2025年7月
プロフィール
有限会社フジメディカル出版 代表取締役: 1985年関西外国語大学を卒業。前職である医学系出版社を退職後の1998年8月に大阪市北区同心の地で医学系専門出版社 フジメディカル出版を創業しました。 東京女子医科大学医用工学カリキュラム(現バイオメディカルカリキュラム)修了以外には医学のバックグラウンドも全くないまま、経営も素人同然で起業しましたが、幸いにも多くの先生方のご理解・ご指導と多くの取引先のご支援を得て、創業27年目を迎えています。