予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい

樺　敬人（大阪大学大学院医学系研究科　中性脂肪学共同研究講座）

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予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい

樺　敬人（大阪大学大学院医学系研究科　中性脂肪学共同研究講座）

2024年10月27日 12:00

【終了まであと4日！】Eureka moment

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皆さんこんにちは、樺です。いよいよあと4日です。最後の1日まで、少しでもこの研究について知っていただくことが出来るよう頑張ります。

とかいいつつ、また腸内環境シリーズです。

でもいいのです、F-HAAAT試験自体はとてもシンプルな試験ですので、本来説明も何もないくらいのものですし、腹部大動脈瘤自体もイメージがしやすい病気である分、どちらかというとこういう疾患に気づくことが大切なんだなという啓蒙の意味で解説していた部分がありましたので。

我々は循環器内科医で、臨床のみやっていた時は通常勤務→当直をして夜間に虚血性心疾患や心不全患者さんが搬送されてきて、緊急カテーテル治療を行いそのまま集中治療室へ運ばれ、その患者さんへの病状説明のあとは治療戦略を練ってオーダーや指示を立て、必要な処置（持続動脈圧モニタリングや中心静脈カテーテル、場合により透析用カテーテルや人工心肺、人工呼吸器）を行って経過が落ち着くまで張り付き、1件重症患者さんが来たら朝までそのまま張り付いていることも少なくありませんでした。

そのたびに、いかにこういった恐ろしい疾患を再発させないようにするべきか、二次予防という考えをとても深く考えるようになりました。心臓の血管が狭窄したり閉塞したりしたら、カテーテルでこじ開ければ治るわけではありません。血管の状態は改善していないけども、ひとまず無理やり血流は通るようになっているだけです。つまりステントを置いたすぐ隣の部分でまた詰まっても全く不思議はないような血管の状態になってしまっているということで、根本的な（病気の上流を抑えるような）治療ではありません。もちろんどんな努力をしても血管が詰まることはありますので、そこを救命するために必要な緊急カテーテル手術はとても素晴らしいものですし、絶対に必要ですし、今後も改良が期待されています。

しかし、やはり何より大切なのは、「予防できるものは予防する」ことですよね。

どんなに頑張っても今の現代医学の理解の範囲では予防できない・予防する方法がない病気は仕方ありません。しかし、「こうすればある程度予防できる」ということが分かっているのであれば、絶対やった方がいいですよね。

その一環で、腸内環境の重要性についてお話をしてきました。腹部大動脈瘤にも大きな関係がありますし、心臓血管疾患に大きな意味を持つことと最近は考えられるようになってきましたので、循環器内科医として皆さんに意識をもって頂きたい部分でもあり、~~まるで趣味のように見えたかもしれませんが~~繰り返しお話してきました。

僕は親元を離れて10年近く、自分の食事や腸のことを気遣ったことがありませんでした。僕は14歳の時に虫垂炎（盲腸）の手術をして、その時からいずれ腸の状態は悪くなることをなんとなく聞いていたためか、20歳を過ぎてしょっちゅう下痢をしても、「あー、これがアレか」と何となく当たり前のように受け入れてしまっていました。好きに食べても太りづらい体質ですし、朝ごはんなんて食べなくても元気に仕事できていた（気がしていた）ので自分は特殊なんだと思っていたのかもしれません。

けれど30代後半になるにつれて、体調不良が重なるようにもなりましたし、おなかの調子も明らかにおかしいし、という中で、日常診療の中でも心臓血管疾患で入院された方たちは食事への意識が低い傾向にあることも感じていました（もちろんそうでない人もいますよ）。

筋トレで体を大きくしたいと思ったのも、もともとは肩こりがひどすぎて吐き気が止まらず仕事にならない日々があったりして、何とかしたいと思ったからでした。この時から、筋トレをしても体は大きくならず、あくまで"You are what you eat.（人は食べたもので出来ている）"であることをやっとここで身に染みて理解が出来ました。

前も書きましたが、食べたものは吸収されなければ意味がない。

吸収とは。吸収されやすさとは。栄養とは。栄養のある食べ物とはどういう意味か（特にここ、ずっと意味がわかりませんでした）。

いろいろなことを考える中で、「なるほど、これは続けてやった方がいいな」と思うことは、つくづく20年以上前に母親が薦めてくれていたことだと気づき、とても後悔しました。思えば「朝ごはん、ちょっとでいいから食べていきなさい」とか、「果物も食べな」とか、「少しだけかぼちゃとか芋とか豆も食べて」とか、全然好きじゃなかった僕は面倒くさそうに言うことを聞かず好きなものだけを食べていたのですが、これを全部守っていたらもっと良い体内環境をずっと前から構築し、維持できていたんじゃないか、と思ってやみません。多分そんなに「腸内環境が…」なんて考えるタイプの人じゃないので、そこまで深い意味はなかったのかもしれませんが。ありますよね大人になると。親の言っていたことはこういうことだったのか、という所謂”Eureka moment"が来る瞬間が。

おかしいですね。

体にいい食べものシリーズ～！！

みたいな回にしようと思っていたのに。

では、また。

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