日々患者さんのケアに励んでいます!
皆さん、こんにちは!
クラウドファンディングが終了してから超特急のように時間がながれ、アッという間に3か月が過ぎました。本日はプロジェクト進捗報告をさせていただきたいと思います。
まずは、このグラフをご覧ください。2015年から年毎に色を変えて、ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)の来院患者数の推移を表示してあります。2つポイントがあります。
一つ目は、年々来院者数が増えているということ、二つ目は、今年の線(緑)を見ると、4月に大幅に減少していることです。この時期は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりロックダウン措置がとられていた時です。その後、徐々に通常の来院数に近づきつつありますが、未だにCOVID-19に対する恐怖心や、医療へかからないで済ませていた以前の生活習慣へ戻ってしまったのではないかと予測しています。
次にご覧いただきたいのが、こちらのグラフです。上のグラフは外来に来た全ての患者さんの数字ですが、こちらは、その中で入院が必要となった患者さんの数です。こちらも4月に一気に減少するのですが、ロックダウン解除後には急激に増加し、元のレベルまで戻り、更に昨年の同時期を上回る状況になりました。これは、入院が必要なほどの重症な患者さんの需要は引き続き増加しているということと、もしかすると、ロックダウン中に病院に来られなかった患者さんが重症化してしまったのではという懸念もあります。訪問看護でも気になる患者さんがいましたが、人の移動が厳しく制限されたために、通常のような訪問がままならず、電話で状態を確認したり、近くの医療施設との連携を強化してどうにか乗り切りました。
COVID-19に対する国の対策はとても厳しく行われているので、現在(9月30日時点)までの感染者報告数は23人となっていますが、脆弱な医療体制やインフラの未整備が広範囲にわたって存在しているラオスでは、いつ大発生してしまうか、また大発生した場合の状況を考えると気が抜けない日々が続いています。WHOによる感染予防のためのトレーニングが随時行われ、予防の強化に当たっています。
どうにかこのまま収束して欲しいとみんなが願っています。またロックダウンをするような事態になれば、感染者を受け入れる受け皿は小さく、医療崩壊は目に見えています。現状、下の写真のように栄養失調やその他の感染症などだけでも入院病棟はいつも満床です。
さて、コロナ一色の2020年ですが、嬉しいニュースもあります!
新しい有望なスタッフのご紹介です。それは、ソーシャルワーカーのブンミー君です。雇用に際しては、私自らzoomを使って面接をしたのですが、その優しい物腰と慎重に回答を考えている姿が決め手となりました。このお仕事がソーシャルワーカーとしての初のお仕事ということもあり、緊張していましたが、「毎日楽しい!」と意欲的に日々学びを感じているようです。ソーシャルワーカーは、患者さんやご家族とのコミュニケーションが重要です。同じくコミュニケーションのスキルが必須であるチャイルド・ライフ・セラピストとして当院で働くコクメング君からそのスキルを伝授してもらうために、週に1度は行動を共にする計画を立てています。
写真は、入院病棟でコクメング君(奥)が患者さんの家族から情報を得ているところに同行しているブンミー君(手前)です。2人とも当院が目指す「Compassionate care」の本質が備わったスタッフです。質の高い医療はもちろんですが、「心」をケアする当院になくてはならない2人です。ソーシャルワーカーとしての知識、スキル、そして、経験をこれから積み上げてもらいたいですね。
大変な状況下の中ですが、スタッフ一丸となって日々目の前にいる患者さんのケアに励んでいます。次回の皆さんへのご報告の時にはもっとたくさんのいいニュースをお伝え出来ることを期待しながら、毎日頑張りたいと思います!