副作用の少ない癌治療を、ミトコンドリアに薬を運ぶ技術開発で!

支援総額

10,119,000

目標金額 6,500,000円

支援者
459人
募集終了日
2020年5月31日

    https://readyfor.jp/projects/MITO-Porter?sns_share_token=
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
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2020年05月11日 18:00

【特別対談】「誰かのために」の精神こそが研究を推し進める力に

狙った「がん細胞のミトコンドリア」に薬を届ける一一。この技術が確立すれば、今回のクラウドファンディングプロジェクトで挑戦している「副作用の少ないがん治療法開発」のみならず、「他の病気への治療応用」の可能性も広がります。実行者である山田勇磨先生は、その未来の実現に向けて研究を急いでいます。

一方、山田先生ご自身は、研究開始当初、実は「ミトコンドリアへの薬物送達」自体の不思議や、謎の解明のために日々を費やし、言わば研究者として “研究を成功させるために研究に没頭していた” 状態だったと語ります。

そんな折に「ミトコンドリア病」という希少難病を抱えるお子さんをもつ篠原智昭さんと出会い、そして患者家族の想いに直に触れたことで、山田先生の研究に対する向き合い方や志に変化が表れます。

今回は、そんな山田先生と篠原さんの対談をお届けします(※対談はオンラインにて実施しました)。

 

山田先生と篠原さんの出会い

篠原智昭さん(以下 篠原さん):2012年に娘の七海(ななみ)が誕生し、生後4ヶ月の時に希少難病と言われる「ミトコンドリア病」であることがわかりました。その時点で余命半年を宣告され、親として「この半年を何もせずに待つことはできない」という一心で、娘の命を繋ぐ方法を見つけようと、必死に情報を集めました。

 

娘の病気には承認された既存の治療法がないことが明らかになる一方、今まさに治療法開発に向け「研究段階」にある情報を見つけようと思い至りました。そこで情報を得たのが、山田先生です。周りの協力も得ながら先生の研究論文などを読み、思い切って山田先生にメールを送ったというのが始まりでしたね。

 

山田勇磨先生(以下 山田先生):今から10年ほど前ですよね、私が大学教員になって数年しか経っていなかった頃です。私たち研究者は、お医者さんと違って患者さんと触れ合うことが少ないですし、研究自体を知ってもらう機会もほとんどない。そんな中、篠原さんからの切実な声が、直接メールで届いたことにとても驚きました。

 

今回のクラウドファンディングでは、がんの新しい治療法の研究開発に焦点を当てていますが、ミトコンドリアに薬を運ぶ技術が確立すれば、いまは治療法がない病気も克服できる可能性があります。七海ちゃんのミトコンドリア病もまさにその一つです。その可能性に賭けて篠原さんは連絡をくれたのですね。

 

 

山田先生当時の私は「ミトコンドリアに薬を届ける技術を成功させる」ことばかりに目がいっていましたから。「自分たちの研究を、自分たち以上に信じてくださっている人がいるんだ」、そう思えたことが本当に嬉しかったのを思い出します。それまでは、研究室にこもって試験管ばかり見つめていましたが……(笑)、自分たちの研究が社会の役に立てるかもしれないという実感につながりました。

 

同時に、ここまで期待を寄せてくれているのに、未だに自分たちの研究が患者さんに対して治療可能なレベルに達していなかったことを非常に悔しく思いました。申し訳ない、と。篠原さんへの返信ではそれを正直に綴り、「これから必ず研究を進めて治療できるようにします」という思いも伝えました。

 

この出会いが、新たな気づきや強い思い、行動に繋がった

篠原さん娘の七海は、様々な方々の奇跡的なご尽力のおかげで一命をとりとめました。それまでの研究が支えとなって七海の命が助けられたので、今度は自分が研究を支援することで「ミトコンドリア病を治せる病気にしたい」と本気で考えるようになりました。

 

そして2017年に、一般社団法人こいのぼりのプロジェクトとして「7 SEAS PROJECT(セブンシーズ・プロジェクト、7SP)」を立ち上げることになるのですが、そこで改めて山田先生にも「一緒にやらせてください」とお声がけしたのです。7SPは、ミトコンドリア研究を通じて、希少難病であるミトコンドリア病や、ミトコンドリアに関連する疾患の治療法を研究する事業を、患者や医師、研究者、投資家などが一体となって取り組む、国内でも初めてのチャレンジでした。

 

山田先生私自身はというと、篠原さんからのお誘いを予期していた訳でもなく、彼からメールを受け取ってからの約5年間、とにかく必死に研究を進めていました。ちょうど実験の成果が見え始めた頃、改めて7SPとして一緒にスタートを切ることができて本当に嬉しかったです。

 

▲七海ちゃんを囲んで。プロジェクトのメンバーの皆さん

 

大切なのは、研究者と患者さんやその家族との繋がり

篠原さん7SPでは、患者さんの細胞をバンク化して共同研究先の先生方の研究に使用していただく取り組みもしています。この活動にはクラウドファンディングも活用しました。もちろんこうした取り組みがすぐに治療法につながる訳ではありませんが、患者やその家族にとっては、自分の病気に対して真剣に研究されている方がいて、着実に未来に向けて前進しているんだということを実感できることが、希望に繋がると思っています。

 

山田先生この7SPの活動で託していただいた、患者さんの細胞を使った研究について、先日、『ミトコンドリアを標的とするmRNA治療』に関する論文として、"Scientific Reports" に報告することができました。(https://www.nature.com/articles/s41598-020-64322-8.epdf )2012年にご連絡をいただいてから、非常に長い時間はかかりましたが、篠原さんたちの想いに少しは応えられたかなと思っています。協力していただいた大勢の方々に心より感謝いたします。

 

今回のクラウドファンディングもそうですけれども、応援コメントをくださる方の中には、熱心にメッセージを送ってくださる患者さんもいて、研究者として大きなモチベーションとなっています。研究室の学生たちにとっても、向き合っている研究課題と社会との繋がりを考えるために、良い影響を与えているように感じます。

 

クラウドファンディングが、新しい研究のあり方を示す一歩に

篠原さん世界には約7000種類もの希少難病が存在すると言われている一方で、それら全てに国や企業が資金を投じることができないのが現実です。クラウドファンディングは、患者と研究者とが手を取り合って研究を前進させられるという、新しい仕組みの一つとなっていると思います。

 

山田先生例えば、欧米では、患者さんが創薬研究に対して意見を出したり、ファンディングを実施したりすることも多いようですが、まだ国内では患者会などが医薬品開発に積極的に関与することは稀だと思います。7SPは日本でそれを実現しようとしていると思いますね。

 

加えて、欧米では研究者が主体的に戦略的な情報発信をできる環境も整っています。それに比較すると日本では、自身の研究を継続するためには、“支援を受けやすい研究” を提案せざるを得ない状況にあります。研究者自身がもっと情報発信することで、社会が動くきっかけになると思っています。

 

篠原さんそうですね。研究者の皆さんもやりたいことを発信して、それに賛同する人々がいて、患者や支援者も納得できる形でやりたい研究を進める。数年後にはこの流れがさらに広がっていたら良いですよね。

 

今回のクラウドファンディングへの思い・メッセージ

篠原さん自分の愛する娘が危篤だったとき、その時の悲しい気持ちは今でも決して忘れることができません。がんの患者さんやそのご家族も、同じように辛い思いをされていらっしゃると思います。そのような方々にとって、山田先生の研究プロジェクトは大きな希望になると思います。今この瞬間にも、そのような辛い気持ちの中にある方々がいらっしゃるということに想いを寄せていただき、一人でも多くの方に、明るい未来のためにご支援をいただけたら嬉しいです。

 

山田先生「研究者はアンテナを立てることも大切だよ」と教授からアドバイスしてもらったことがあります。学会を始め様々な場所へ飛び込んで、食わず嫌いをせずに取り組む。しっかりアンテナを立てていれば、たとえ微弱なシグナルであっても、自身とって重要な情報はとらえる事ができるはずです。その情報は自身の研究を大きく飛躍できると思っています。

 

「世の中に自ら情報を探しに行き、キャッチし、そして発信する」皆さんと双方向に情報を共有するクラウドファンディングもその一つだと思っています。研究室以外での活動を通じて、私にとっての篠原さんのような、素敵な方に出会えるチャンスにつながるということを、他の研究者の方にもぜひ実感いただけるようなプロジェクトにできたらと思います。

 


◆プロフィール:篠原 智昭

一般社団法人こいのぼり 理事 / 7 SEAS PROJECT 代表
1979年神奈川県川崎市生まれ。2003年上智大学卒。2012年、実娘の七海がミトコンドリア病Leigh症候群を発病したことを機に、一般社団法人こいのぼりに入会。2017年には公務員の職を辞し、こいのぼり理事、「7 SEAS PROJECT」代表となる。2018年には「『難病を、治る病気にしたい』患者家族発・難病創薬プロジェクト(https://readyfor.jp/projects/7SP)」を実行。

 

本プロジェクトへのご支援は以下から

 

 

 

リターン

3,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)

支援者
153人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

10,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待

支援者
154人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

10,000


alt

3/12追加 北海道大学における特別講義ご招待

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④北海道大学における特別講義ご招待『薬よ届け!ミトコンドリアへ (仮)』(2021年10月頃予定)(90分程度:講演、質疑も含む)(※交通費等はご支援者様負担です)

支援者
63人
在庫数
32
発送完了予定月
2021年10月

20,000


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4/15 追加 北海道大学における特別講義ご招待および書籍『ドラッグキャリア設計入門 -DDSからナノマシンまで-』贈呈

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④北海道大学における特別講義ご招待『薬よ届け!ミトコンドリアへ (仮)』(2021年10月頃予定)(90分程度:講演、質疑も含む)(※交通費等はご支援者様負担です)
⑤山田勇磨の関連書籍『ドラッグキャリア設計入門 -DDSからナノマシンまで-』(丸善出版、2019年01月発行、A5 240ページ)
※書籍は講義参加の際にお渡しさせていただくか、欠席の場合には郵送いたします。

支援者
5人
在庫数
完売
発送完了予定月
2021年10月

20,000


alt

5/1追加 北海道大学における特別講義ご招待および雑誌『遺伝子医学』贈呈

20,000円
①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④北海道大学における特別講義ご招待『薬よ届け!ミトコンドリアへ (仮)』(2021年10月頃予定)(90分程度:講演、質疑も含む)(※交通費等はご支援者様負担です)
⑤山田勇磨の関連雑誌『遺伝子医学 通巻34号・復刊9号』(株式会社 メディカルドゥ、今年10月発刊)
※雑誌は講義参加の際にお渡しさせていただくか、欠席の場合には郵送いたします。

支援者
5人
在庫数
完売
発送完了予定月
2021年10月

30,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待
⑤湘南アイパークにおける研究室の見学会(ラボツアー)ご招待

支援者
30人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

50,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待
⑤湘南アイパークにおける研究室の見学会(ラボツアー)ご招待
⑥湘南アイパークHPに支援者名掲載(希望者のみ)[※個人名のみ、法人名等組織名不可]

支援者
25人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

100,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待
⑤湘南アイパークにおける研究室の見学会(ラボツアー)ご招待
⑥湘南アイパークHPに支援者名掲載(希望者のみ)[※法人名も掲載可能/サイズ小]

支援者
21人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

300,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待
⑤湘南アイパークにおける研究室の見学会(ラボツアー)ご招待
⑥湘南アイパークHPに支援者名掲載(希望者のみ)[※法人名も掲載可能/サイズ中]

支援者
3人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

500,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待
⑤湘南アイパークにおける研究室の見学会(ラボツアー)ご招待
⑥湘南アイパークHPに支援者名掲載(希望者のみ)[※法人名も掲載可能/サイズ大]
⑦山田勇磨による出張講演(60分程度)※国内限定/出張費込み(時期・場所は成立後に要相談)

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

1,000,000


alt

①お礼状(電子メールにてデータ送付)
②進捗報告の活動報告冊子(電子メールにてデータ送付)
③活動冊子に支援者名掲載(希望者のみ)
④湘南アイパークにおける研究成果報告会ご招待
⑤湘南アイパークにおける研究室の見学会(ラボツアー)ご招待
⑥湘南アイパークHPに支援者名掲載(希望者のみ)[※法人名も掲載可能/サイズ特大]
⑦山田勇磨による出張講演(120分程度)※国内限定/出張費込み(時期・場所は成立後に要相談)

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年9月

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