REN設立10周年記念プロジェクト「声なき叫び」出版のご報告
本プロジェクトにご支援いただいた方々に、心から御礼申し上げます。お陰様で、本年4月に出版社「花伝社」より下部のチラシにあるような装丁で、出版することができました。偏に、皆様方のご支援の賜物であり、感謝の気持ちでいっぱいです。本は既に、アマゾンや各書店などで販売されており、某書店や書評等で良書として紹介され好評を受けております。是非、皆様もアマゾン、RENなどでご予約いただき、手に取っていただければ有難いです。
皆様からご支援いただいたクラウドファンディングの支援金総額は93万円、そのうちレディフォーさんへの手数料17%と消費税を差し引いた759252円がRENの手元に入りました。これに、ノルウェーのNOLRAからの翻訳助成金約23万円と自己資金を加えて合計100万円を花伝社への出版経費として支払いました。花伝社からは、この金額に見合った翻訳本570冊がRENに送られました。RENではこのうち既に150冊以上を、有償、無償で配布しています。この中には、原作者ファリダさんの出身地アフガニスタンで、昨年末道半ばで凶弾に倒れられたペシャワール会中村医師への哀悼の意を表したいと、彼女が強く望まれたペシャワール会と中村医師ご遺族への寄贈も含まれています。
また、ご支援いただいた方々へのリターンとして、この翻訳本、既に出版している詩集ママ、RENの難民達が製作している各種ビーズアクセサリ製品などを、お礼の言葉を同封してご支援いただいた方全員に送らせていただきました。ただ、当初予定していました、ファリダさんを招いた出版記念パーティ及び名古屋におけるプロダクションハンによる舞台公演に関しましては、コロナ騒動勃発のため、ファリダさんの来日ができなくなり現在ペンディングとなっています。騒動が収まり、ファリダさんが来日されたら実施される予定です。
RENは本事業を持って10周年の節目を飾ることができました。既に次の10年に向けて新たな1歩を歩み出し始めています。戦争に終わりがなく、世界の難民の数はいまだに増え続けており、コロナウィルスによる被害も最も弱者である難民達に降りかかっています。RENの活動にも終わりは見えず、更なる支援が益々必要となっています。微力ですが可能な限り難民達に寄り添って、彼らが日本で、将来の夢が描けるように支援を続けていく所存です。皆様方の更なるご支援もよろしくお願いいたします。
「声なき叫び ちらし「」
NPO法人難民自立支援ネットワーク(REN)設立10周年記念事業
声なき叫び
痛みを抱えて生きるノルウェーの移民・難民女性たち
ファリダ・アフマディ 著 / 石谷尚子 訳 定価 本体 2000円+税 / ISBN978-4-7634-0919-5/ 花伝社
3月下旬発売、全国の書店、Amazonにて予約受付中
RENは翻訳者割引で限定販売しています
「痛みを抱えていることと女性であることはコインの表と裏のように切り離せません」(本文より)
アフガニスタンでの迫害を経て ノルウェーに移住し社会人類学者になった著者は 福祉の網の目から抜け落ちたマイノリティ女性たちの存在に気づく。女性たちからの聞き取りから明らかになる、 移民・難民の受け入れ先進国、ノルウェーの課題と実態。
目次
第一章 ノルウェーは世界一寛容な国?
第二章 苦しい生活
第三章 多文化社会と多文化主義
第四章 スラム街の暮らし
第五章 女性 戦争 痛み 愛情
第六章 男性による支配と社会による支配
第七章 メディアとマイノリティ女性の日常
第八章 女性たちの経験は制度を変えるためのヒント
第九章 グローバリゼーションから取り残された人たち
第十章 出口──マイノリティ女性の希望
日本語版に向けての著者あとがき (チラシデザイン玉川千絵子)