高木家文書修復事業の経過報告－第2回－

11月中旬に、高木家文書修復事業の第2回目の修理監督が行われました。 

８月の第1回目修理監督では修復の前段階として、使われている紙の調査状況や修理方針の決定などが行われました。前回の監督からこの日までに、修復のため預けた史料のうち、半分程度の修復が完了していると報告がありました。 

今回の重要任務は剥離付箋の取り付け位置の確認です。 

「濃・尾・勢州川々水行直シ御普請絵図」（注1）と「尾州領安八郡中村新規掛廻願麁絵図」（注2）について、虫損直し（虫食いの穴を補修紙で修繕すること）の前に、剥がれてしまった付箋を元の正確な位置に貼り戻すために専門家の複数の目で確認して、綿密に取り付け位置を決めました。

(↑「尾州領安八郡中村新規掛廻願麁絵図」) 

（注1） 

濃州…美濃国（みののくに）現在の岐阜県南部 

尾州…尾張国(おわりのくに) 現在の愛知県西部 

勢州…伊勢国（いせのくに）現在の三重県の北中部、愛知県弥富市の一部、愛知県愛西市の一部、岐阜県海津市の一部 

（注2） 

安八郡中村…現在の安八郡安八町中付近