【10月2日 近況報告】 男子駅伝監督 弘山 勉
 

 箱根駅伝予選会まで2週間を切りました。昨日(10/1)の筑波大学競技会での1万メートルを最後に、強化練習が終了し、迫り来る“決戦のとき”を意識する最終調整に入っていきます。緊張度が自ずと高まっていくわけですが、学生たちは、気合い十分に緊張する日々に向き合っていける状態にあると思います。その理由は、二つあります。


1.昨年の挑戦と試走


 9月30日に、関東学連の取り計らいで可能となった「予選会のコース試走」に行ってきました。午前中は立川駐屯地、午後は昭和記念公園でコースを試走し、その後に、外の公道を下見しました。学生各々が予選会での走りをイメージしながら、試走および下見をしていました。
 

 昨年の予選会では、予選通過ラインと言われる“10時間15分”を目指して走りました。積極的な走りをしたために、途中で多くの大学に抜かれました。だからこそ、「予選通過した大学は、どう走っていたか」「自分たちは、どの地点で余裕がなくなったのか」の記憶(分析)が学生たちの頭の中に残っています。こんなところに、「挑戦することでしか目標に近づくことができない」という本当の意味を感じることができます。
 

9/30 AM 立川駐屯地を試走する学生たち


 詳細な作戦の決定は、最終的なチーム状況(調子)次第となりますが、学生が挑戦し経験した“理想と実態の感覚”をヒントにしていきたいと思います。「記録ではない、経験(無形の財産)」がとても重要な要素になることをあらためて感じているところです。昨年の惨敗は、決して無駄ではなかったということです。学生たちもそう感じているようです。

 


 

2.乗り越えた強化練習

 予選会試走の翌日(10月1日)に、筑波大学競技会を利用して、1万メートルのペース・トライアルを実施しました。「予選会での通過タイムを意識した展開で、何人の学生がしっかり走ることができるか」を試しました。この1万メートルに向けて調整もしていないですし、前日は、早朝から夜まで試走で疲れる一日を過ごしました。にもかかわらず、ほとんどの学生が崩れずに走りきることができました。厳しい練習を乗り越えた成果が表れ、チームの勢いがさらに増すような結果だったと思います。
 

フロントランで集団を引っ張る森田と小林


 今年は、練習の組み立て方を少し変えました。再三申し上げている通り、いろんなタイプの選手がいて、練習方法(理論)に正解はありません。私が過去2年間、予選会突破を目指して経験したことから、現段階で今の学生のタイプに合う練習法を導き出している“単なる私の感覚”に過ぎないものです。
 

伸び盛りの1年生・西と2年生・藤田も自己ベスト


 それは、記録が伸びた!勝負に勝った!など「良い結果が出れば正解」という世界で自分たちは生きているからです。同じ練習をしたとしても、選手の生活も違えば、食べるものも違う。精神状態だって、モチベーションだって、気象条件だって、刻一刻と変化しています。「どんな練習をしても同じ」とまでは言いませんが、気持ちを込めて生活し、練習しない限りは、どんな練習をしても同じです。箱根駅伝に出たい!その想いが強ければ、どんな練習でも正解になっていくのかもしれません(が、それは言い過ぎですね)。
 

安定感が増した武田に8000m過ぎに飛び出した1年生の相馬が続く


 理論や科学は絶対に重要です。でも、さりげなく配すところが指導者の腕の見せどころのような気がしていますし、選手が、貪欲に学んで、それらを練習や日常生活に活かしているかどうかも重要だと思います。とくに、ケースバイケースの修正や苦境からの脱却というときには、説得力のある正しい理論が必要であるような気がしています。さらに言うと、「何の理論を選択し、どう活用するか?」という経験に基づいた事実と感性の擦り合せ(ぶつけ合い)を指導者と選手ができるかが大きなポイントになります。
 

レース前の一コマ=今のチームに細かな指示は必要ない


 ですが、理論云々の前に、厳しい強化策を課したときに、それを乗り越える強い意志が、選手に存在するかどうかが最も重要になるのは間違いないことだと思っています。今年、厳しい練習を乗り越えた学生たちの意志は強いということです。
 

 というように、今の筑波大学には、箱根駅伝出場への強い意志が宿っています。だからこそ、筑波大学の理論が生きるようになってきたのでしょう。「理論や科学のスパイス」を程よく配合していきながら、メラメラと燃やし続けてきた私たちの“闘志”を、10月14日に向けて、炎の勢いがさらに増すように抜かりなく調整していきたいと思います。
 

試走後の集合写真。ガッツポーズの写真もあるが、それは予選会後に(笑)
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