オリジナル革用ケアクリームで物を長く使う事の大切さを伝えたい

なぜステンレス容器用の型を起すのか・・？
今回はその理由についてお話させていただきます。

本文でも触れていますが、開発当初はここまでの機能性を発見しておりませんでした。
まずは、カンタンで使いやすく、革に良い物を・・という点にしか注力しておらず
容器に関してはそれほど深く考えず、手軽に入手できる物を選びました。
サイズ展開や種類も比較的豊富で、安価、入手容易なブリキの平たい缶容器を

選びました。




このサイズより二周りほど小さい物と2サイズの展開でした。

その後、台東区の助成対象企業に選出していただいたのを機に、
本格的な商品化に向け再度成分を見直し、テストを繰り返し、
公的機関にてカビ抵抗性、撥水性テストを行う過程で、万能性を自覚し
ネーミング、パッケージを刷新するという経緯を辿りました。

様々な容器を探し、サンプルを取り寄せ、量とのバランス、サイズ展開、
デザインイメージ、保存性など・・
あらゆる角度から検証していきました。

その一部が以下です。





初期バージョンの経験から、お試しサイズS、普段使いサイズM、プロ仕様サイズLの
3種類の展開にしようと思い、探していました。
ところが、なかなか同じ形状で3サイズ揃う物が見つかりません・・
何度か2サイズに絞る、もしくはワンサイズにすることも考え、迷いました。

また、全て天然原料を使用していることから保存性も考えるとブリキは容器劣化が

あるため変質が不安であり、水にも弱いことから
視野に入れていた、容器を持ち込んでいただいた方にはクレマ代金を割引などのエコ活動や

お客様の容器二次利用（容器がかわいい、何かに使えると思って買う・・という容器の魅力）

・・などの展開を考え候補から外す事にしました。

そうなると、ガラスかプラスチック、ステンレスという選択肢になります。
香りに使用している精油（エッセンシャルオイル）は扱いがデリケートな物なので
長く保たせるためには遮光性が重要です。
プラスチック容器にする場合、PET（ペットボトルなどと同じ）素材の容器では

成分が反応して容器が変形する可能性があるため、
PP（ポリプロピレン）素材のプラスチック容器でなくてはならない

という制限も出てきます。

軽さや再利用も含め、全ての条件を満たすステンレスが一番理想的というわけですが、

単価が高く、サイズが揃うもの、または形がイメージと合うものが見つからない・・

それらを総合して検討した結果、実は以下のガラス容器のデザインに決まりかけていました。



青色の遮光容器です。
佇まいは良かったので気に入っていたのですが・・
ガラス容器はMサイズのみでサイズ展開がなく、SとLサイズはPP容器、と

材質が変わってしまいます。そしてガラス容器は肉厚でかなりな重量感。
サイズごとに異素材な上に、ガラスは輸送・陳列にも気を使います。

重さがだいぶ違うので輸送コストもばらつきが大きくなる・・と、

なんだかすっきりしないまま、決定していたのです。

そして、いよいよ量産準備で最終発注をかけようとした矢先、未練がましく

これが最後！と思いながら探してみたら、たまたま今の容器を発見！

まさに全ての条件を満たしたステンレス容器に決定できた、というわけです。

最終段階の急な変更により、ラベルやクリアケースのサイズ変更など
ギリギリまでかなり慌ただしくなりましたが、無事今の形で商品化できたのでした。

そんな理由から、その後の製造中止はかなりショックな状況でした・・

とりあえず、在庫を確保し対策を練りました。

しかし、上記の通りの状況です。もう一度、同じ検討過程を辿るとしても

すでに発売して、好評も得ているのに今更ワンサイズにはできない・・

それならば、作ってしまう？と国内メーカー数社に相談したところ、

ブリキだったとしても金型を起すのは数百万円単位・・それがステンレスとなると

もっと高いとのこと。

どうしてもあきらめきれずに、海外メーカーをあちこちあたっているうちに

私のように弱小メーカーの小ロットでも相手にしてくれる良心的な会社が見つかり

早速サンプルを取り寄せました。

クオリティも問題なさそう。（むしろ以前使っていた物より良い！）

以前の容器の問題点や寸法などを改善し、オリジナルの金型を起すことを

決断するに至ったというわけです。

Mサイズはすでに、独自の金型で稼働中です。

今回はSサイズ容器の金型を起すにあたり、クラウドファンディングに

挑戦させていただいた次第です。

皆様のお力をお借りできましたら幸いです。

何卒、よろしくお願い致します。