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 READY FOR?をご覧のみなさまこんばんは、(社)復興応援団の佐藤秀一です。

 避難生活をする上でどのようなことが起こりえて、またどのような備えが必要なのか、これまでのインタビューをふまえていくつかご紹介していきたいと思います。本日は第4回目。避難所における「医療」についてです。

 

 

 

(医者はすぐには来てくれない)

 今回の震災では多くの病院が自身被災をしてしまいました。日赤や自衛隊、DMAT(災害が起きた際に日本全国に登録されている医師がチームとなり派遣される仕組みのこと)などの医療チームが入るまでの数日間は完全に機能不全に陥っていました。
 これは何も津波による災害の場合だけに起こることではありません、倒壊物により幹線道路が遮断されてしまったり、橋が壊れるなどで周辺地域が孤立してしまうといったことは十分に考えられます。また医師自身が被災してしまっているかもしれません。大災害時は怪我をしてもすぐに医師は駆けつけてくれないと思っておいた方がよいかもしれません。
 

(発災時に多くみられたけが)

 発災初期の頃は、たき火をして暖をとっていた際にやけどを負ったり、がれきの撤去作業の際に釘を踏んで怪我をしたといったケースが多かったようです。特に津波を被った泥などが傷口に入ると破傷風にかかりやすので注意が必要です。破傷風にかかった場合はすぐに病院に行って注射を打つなど治療を受ける必要がありますが、すぐに治療を受けられない場合は傷を水で洗い流し、傷中の血をできるだけ取り出し、ガーゼなど清潔なものをあてるなどの応急処置を覚えておくとよいでしょう。

 

(発災直後の健康状態)

 発災後1週間、被災地の健康状態は最悪でした。仙台にある石油基地の破壊のため東北地方全体が石油不足になり、灯油水食糧などの物資や人的支援が届きにくい状況が続きました。厳しい寒さや津波による埃灰の影響で「低体温症」「脱水」「脳卒中」「肺炎」「気管支炎」等になる高齢者が多数でました。また劣悪な衛生環境の中、インフルエンザやノロウイルスなど感染症の発生リスクも非常に高い状況が続きました。
 対策としてはマスクの装着が有効です。寒さと乾燥は気道の抵抗力を落とし、かぜと肺炎を増やします。マスクは気道の乾燥を防ぎます。手洗いも必要です。また歯磨きも重要です。高齢 者は(上気道の細菌が気管に流れて)誤嚥性肺炎となることが多いのですが、歯磨きをして口腔内を清潔に保つと肺炎は減ります。
 今回の震災では「冬+津波」という条件の中でこのような状況がみられましたが、夏に被災した場合には、「熱中症」や「脱水症状」になる高齢者や子供などが多く発生すると思われます。脱水症状の場合、水だけ飲んでも改善はされず、塩分(電解質)を補給する必要があります。水に塩と砂糖を適量、あと少しのレモンを入れると飲みやすく、かつ脱水症状に効果があると、避難所を巡回していた看護師に教えていただきました。

 

(避難生活における生活習慣病)
 避難生活が長期化すると、集団生活でストレスが溜まり、不眠が続いたり、食事の面でもおにぎり・パン中心で塩分過多になり、さらに運動不足などが重なり、高血圧糖尿病などの生活習慣病が多く発生しました。避難所を巡回していた保健師の方は盛んに運動を推奨し、生活不活性病の予防を呼びかけていました。

 

(被災者の精神状態) 

 とある避難所で健康相談所に常駐していた看護師の方のお話で印象的だったのは、「健康より心理的な相談が多かった」ということです。避難生活が安定しはじめると将来への不安が募り、「強い怒りやイライラがある」など不安定な精神状態や、「ぼーっとして何も考えられない」、「混乱して、物事を決められない」、「失望感、絶望感がある」などの無気力な状態の避難者が多くみられるようになりました。ただ手を握って話をきいてあげるだけでも不安は和らぎます。さらには避難所の中で避難者同士が相談しあえる場所や相談窓口などの設置が必要になると思います。
 

(どのような備えが必要か?)
 避難所を巡回していたボランティアナースの方からは「意外と自分の飲んでいる薬は覚えていないことが多いので、お薬手帳を常に携帯しておいてほしい」というアドバイスをいただきました。医師は数日後には必ず来てくれます。その時にすぐに自分の飲んでいる薬を伝え、処方してもらうことが重要です。
 また、鎮痛解熱剤を持っていると様々な症状に対処することができますし、また避難生活におけるストレスを軽減するという意味では予防的に胃薬を飲んでおくことも効果的とおっしゃっていました。避難所になりえるところでは常備薬として準備されることをお勧めします。

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