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来日アフガニスタン難民は今 「自立のための仕事を」
イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンで再び実権を握って以来、日本に逃れてきたアフガニスタン人は800人以上に上ります。しかし彼らの話を聞く機会はあまりありません。何らかのかたちで情報が伝わり、母国に残した家族がタリバンに迫害を受ける恐れがあるからです。そんななか、ひとりの女性が、アフガニスタン難民が今日本で直面している困難について語ってくれました。
首都圏に暮らすヤルダさん(仮名)は、昨年難民認定を受け、この春までの6カ月間、日本政府による公的支援(日本語の授業と、一人1日1,600円の生活費、月4万~6万円の家賃補助)を受けてきました。ウクライナ避難民向けには公営住宅の無償提供がありますが、アフガニスタンや他の難民の方は家賃補助を受けながら、自分で住宅を探して借りる仕組みになっています。
深刻な住宅問題……
「半年間の日本語教育はとても役立ちました」とヤルダさんは振り返ります。「オンラインでの授業でしたが、先生もとても熱心でした。一緒に受講したアフガニスタンの女性には、教育を受けるのは初めてで、英語どころか名前を書けない人たちもいました。彼女たちは学ぶ喜びでいっぱいで、半年間でひらがなとカタカナ、そして100以上の漢字をおぼえました。感動的でした」
一方で、住宅問題は深刻でした。「アフガニスタンは大家族が多く、6人以上がほとんどです。家賃補助でまかなえる住宅は、なかなかみつかりません。食費を削ったり、夜、アルバイトをしたりする人もいました。AAR Japanとさぽうと21(AARの姉妹団体)の緊急一時金(18歳以上ひとり10万円、17歳以下ひとり5万円)はとてもありがたかったです。私はこのお金で住宅を借りることができました。知り合いのアフガニスタン難民も、みなとても喜んでいました。日本のみなさまからのご支援に心からお礼を言いたいです」
求められる日本語と就職の支援
ヤルダさんを始め、難民認定後半年間の支援が終了した人たちには、この4月から日本語教育支援や金銭的な支援はありません。ヤルダさんは「みんな、とても不安な気持ちでいます」と声を落とします。
最大の問題は日本語と仕事です。ヤルダさんは、6カ月間ハローワークに通い続けても仕事をみつけられなかったといいます。「私は大学を出ていますし、アフガニスタンでは長年英語で仕事をしていました。でも日本語力が足りないと言われてしまいます。アフガニスタンで日本大使館やJICA(国際協力機構)に勤めていた人たちでさえ、仕事を見つけられずにいます。工場などで、単純作業の仕事を得られたとしても、10万~16万円ほどの収入しか得られず、とても大家族は養えません。物価もどんどん上がっています。小さな子どもたちがおなかをすかせている家庭もあると聞きます」。さらなる日本語教育支援と就職の手助けが求められていると、力を込めます。
いつまでも支援されたくない
多くの企業が、ウクライナ避難民の方々のために働く場を提供しています。しかしアフガニスタンや他の難民の方々へのそうした支援はごくわずか。仕事がなく、住宅支援もなければ、当然生活は成り立ちません。
「少量のお金やお米のパッケージは確かに助けになります。しかしそれは、人生を支えてくれるものではありません。私たちは物乞いではありませんし、いつまでも支援される存在でいたくありません。こういうことわざがあります。『だれかを助けたいと思ったら、魚を食べる方法ではなく、釣りの仕方を教えてあげなさい』。私たちは仕事を欲しています。税金を払って、コミュニティーの一員になりたいのです。どうか私たちを受け入れてください」
取り残される10代の子どもたち
ヤルダさんは、10代の子どもたちのことも心配しています。日本語の問題などで、高校や大学へ進学できないティーンエイジャーがいるからです。「彼らは仕事もなく、ただ家にいるしかありません。私たちの中には、子どもの将来のために日本に来ることを選んだ人もいます。もちろん日本は安全で、それは大きなアドバンテージですが、でも高等教育を受けられないなら、将来はない。それは日本でもアフガニスタンでも同じです」。子どもの数が多ければ教育費の負担もそれだけ大きくなり、深刻な問題です。
家族を日本に招きたい
インタビューの最後、日本の人たちに言いたいことを聞いてみました。ヤルダさんははっきりした口調で「必ず申し上げたいのが感謝の気持ちです。特に外務省の方々には、命を救い、平和な国で暮らせるようにしていただき本当に感謝の気持ちに堪えません。入国管理局の方にも感謝したいです。AARやさぽうと21などNGOの方々に対しても同じ思いです。AARは緊急一時金支給だけでなく、アフガニスタン国内の人々への支援も続けています。とても感謝しています」と語りました。そして、少し小さな声で続けました。「それでも、もし今望んでいることを聞かれたら、私は、国に残された家族のことをお話するでしょう」
「家族を日本に招きたい。アフガニスタンでは戦争が30年も続いています。愛する人たちが危険にさらされ、苦しんでいるのに、難民として他国に逃れた人間は、ほとんど何もできないのです。本当に申し訳ない気持ちです。私はウクライナ難民の方々の苦しみと胸の痛みが良く分かります。なぜなら、私もまったく同じ思いを味わっているからです。アフガニスタンにいる女性たちの人生はかごの中の鳥のようです。学ぶことも、仕事をすることも禁じられている。教育がなければ、将来もなく、働けなければ、家族を幸福にすることもできません」
「私は、春には桜が咲く、こんなに美しい国にいます。でも、祖国に残る家族を思うと、私は心から楽しむことができないのです。美しい場所にいくたびに、家族と一緒にこの国の光景を楽しみたいと思います。夜、一人でいると寂しくて、私の人生は全く意味がないと思えてきます」
ヤルダさんは、自分自身を励ますように続けました。「がんばって、仕事をして、みんなを幸せにしたい。そのために自分も元気でいたい。私は適応力が強いんです。日本の食事はアフガンの食事と違うけど、私は大丈夫。いろんなものに適応して慣れていきます。日本の人がそうしているように」。そう言って、笑顔を見せてくれました。
AARは、難民の方々の日本での生活を支えるため「生活相談プログラム」を実施しています。ヤルダさんら難民の方々の声をもとに、支援を展開してまいります。みなさまのご協力をお願いいたします。
注1・社会福祉法人さぽうと21(https://support21.or.jp/)は、AARの姉妹団体です。共同で緊急一時金支援を実施しました。
インタビューの全文は、AAR Japanのwebサイトでご紹介しています。
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