プロジェクト、終了しました!
当会は、「犬猫の殺処分ゼロ!」を目指し、2008年より豊橋市を拠点に、行政(保健所や動物愛護センター)からの犬猫の引き取りや、地域の野良猫のTNR(不妊去勢手術をして元居た場所に戻す)活動を行っています。
全国の犬猫の殺処分頭数は年々減少していますが、まだまだ助けられる命があります。
近年、行政でも健康で比較的若く、飼いやすい性格の収容犬猫の里親探しを積極的に行っていますが、高齢や病気・負傷犬猫は殺処分対象になっていまうことがほとんどです。
犬猫の殺処分をなくすには、このような犬猫を受け入れることが不可欠と考え、今年度より、行政から一般譲渡できない犬猫の引き取りを始めました。
常に殺処分が起こりうる現場のため、このプロジェクトの達成を待っている時間はなくスタートしていました。
今回プロジェクトを始めた時には、既に
後ろ脚に大きな腫瘍をぶらさげた16歳のダックスフンド「つらら♀」
14歳のテリアミックス「チビ♀」
飼い主自ら保健所に持ち込まれた血便をしている中型犬の「モモカ♀」(その後末期の腎不全と分かり、スタッフに看取られて亡くなりました)
フィラリア陽性の柴犬「カレン♀」
猫エイズ陽性の老猫「クロヒョウ♂」
生後6か月の片目の猫「バロン♂」
がいました。
その後、以下の子たちを引き取りました。
高齢のダン♂
飼い主が施設に入るため、家族が行政に持ち込みました。
高齢のセナ♂
放浪しているところも捕獲され、お迎えがありませんでした。両目が白濁しています。
骨折していたナナミ♀
2度のオペをし、医療費は高額でしたが、脚が使えるようになり、走り回れるようになりました。
ゴローニャ♂
飼い主が施設に入るため、家族が行政に持ち込みました。持ち込まれる前から、心臓病(拡張型心筋症)がありました。
ひなの♀
行政で保護されていましたが、衰弱しており、行政ではこれ以上の治療が困難なために引き取りました。
麗香♀
人慣れしないために殺処分になるところを、引き取りました。
くるる♂
15歳です。飼い主が亡くなり、家族によって行政に持ち込まれました。目が白濁しており、全盲ではないものの、見えにくいようです。
それでも、るんるんでお散歩しています。
手元に来た犬猫は、すべてワクチンや不妊去勢手術、その他の検査を含め、必要な医療をかけてから里親さん募集を開始します。
この新しい試みでは、合計13頭の犬猫を引き取り、モモカ♀とクロヒョウ♂を看取ることができ、幸いなことに8頭の犬猫に家族を見つけることができました。
また今年度は、隣の市で27匹の野良猫のTNRをしました。
80代の夫婦が、自宅の敷地内で不妊去勢手術をせずに餌をあげて、増やしていました。
模様が似ている猫が多く、餌やりさんは正確な数を把握できていませんでした。
把握できていない猫が捕獲される日が続くこともありました。
餌やりさんは、「もともとは、うちに猫を捨てて行った人が悪い。うちは悪くない。」などと言い訳をするだけではなく、何十万も要した野良猫の不妊去勢手術の費用を、1円も払いませんでした。
すべて当会が負担しました。
片道1時間かけて、何度も往復をしているのに、餌やりさんが「お腹すいていると猫が可哀想だ」と言って餌をあげてしまう日も多く、捕獲はなかなか進まずくじけそうになった時もありました。
しかし、猫が妊娠する春前に、ほとんどの猫を不妊去勢できたことは大きな功績だったと言えます。
現在は、ブリーダーの廃業により行き場のない受け入れています。今の時点で9匹ですが、今後も引取る予定です。
今回のプロジェクトは、2023年11月21日に終了し、86名の皆さまから手数料等を引いた779,464円がRADYFOURさんから振り込まれました。
1年間に必要な経費は約400万円で、そのうちの医療費は約200万円です。
医療費の一部に充てさせていただきました。
以下、医療費の収支報告です。
4月 44,210円
5月 73,899円
6月 182,384円
7月 65,960円
8月 99,675円
9月 156,685円
10月 474,074円
11月 136,180円
12月 164,505円
1月 118,580円
2月 120,040円
3月 未定
2023年4月~2024年2月までの医療費の合計は、1,636,192円でした。
19年前に個人ボランティアとして活動を始め、16年前に団体を立ち上げ、13年前に行政に団体登録をしました。
「殺処分になる犬猫を1匹でも減らしたい」という気持ちから、行政で収容される犬猫を可能な限り引き取ってきました。
その際、行政からは一般譲渡できない(=このままでは死んでしまう、あるいは殺処分になる)、しかし、「治療が必要だけど回復が見込める犬猫」「人工保育が必要な乳飲み子の犬猫」を優先して引き取ってきました。
私が「行政から犬猫を引き出す」ということは、これから殺処分されるであろう犬猫の前を通り過ぎ、引き取れる犬猫を選び、また殺処分されるであろう犬猫の前を通って、帰宅するわけです。
自分の一言で、その犬猫の生死が決まってしまう。
本当に、辛くて苦しくて、たまりませんでした。
ずっとしたかったのに、できていなかったこと
・人慣れが難しく殺処分になる犬猫の引き取り
・高齢で殺処分になる老犬老猫の引き取り
・行政では治療できない病気や怪我で、殺処分になる犬猫の引き取り
・末期の病気の犬猫の緩和ケアや看取り
でした。
これはスタッフ全員が、同じ気持ちでいました。
常時、里親さんを募集できない犬猫が50頭ほどいて、別で1年間に約100匹の犬猫の譲渡をしている中で、既に限界を感じつつも、行政から一般譲渡できないこのような犬猫の引き取りに挑戦できたのは、クラウドファンディングをすると決めたからでした。
今回は、幸運にも、予想以上の犬猫達に家族ができました。
「命を諦めてはいけない」と思えました。
2024年度も、この試みを可能な限り継続していきたいと思っていますが、それを決断できたのも、皆さまのご協力のお陰です。
行政へ行き殺処分される犬猫を見る度、「泣くもんか。泣いても何も変わらない。」と自分に言い聞かせ、「いつか、ここにいるような犬猫を引き取りたい」と思ってから、10年以上が経ち、ようやく一歩だけ前に進めたように思います。
今後も、1匹での多くの犬猫の命を助けられるように頑張ってまいります。
あにまるあいず一同、心より感謝申し上げます。