こんにちは。bowlバイヤーの高塚です。

本日まで1,086,000円という多くのご支援金と応援メッセージを賜り、誠にありがとうございます。

 

「有田町のお隣は波佐見町」

先日、「皿板」なるものをいただきに、お隣の波佐見町の生地屋さんに伺いました。

 

有田焼は、すべて有田で!というイメージがあるかと思いますが、近年は案外そんな堅いこともなく、国境を越えて、お互いの産地は行き来してモノづくりをされています。

 

その一つが「生地」という存在です。

 

一般的なイメージとして焼き物は、すべて窯元さんで作られるのでしょう?とイメージされる方も多いかもしれません。

実は違います。

 

量産の陶磁器製造は「陶土」➡「型の生産」➡「生地の成型」➡「素焼き」➡「加飾」➡「本焼き」という工程から成り、

陶土を生成する「土屋さん」、石膏型を作る「型屋さん」、生地を作る「生地屋さん」、素焼きと加飾と本焼きが「窯元さん」で、という割り振りとなります。

そして先日お伝えしましたリターン品bowlの上絵ロゴ(こちらは幸楽窯さん内でつくられます)でもお話した、上絵転写シールを生産する「転写屋さん」なども存在します。

 

今回訪れた「佐藤生地さん」は、機械ろくろ専門の生地屋さんです。

お茶碗などの均一な丸を描く器を“型”と“機械”と“手技”を使用し、スピード感もって生産されます。

 

機械といっても、すべての工程に職人さんの高度な技術と勘が必要な手仕事。

多くの波佐見・有田の窯元さんから注文が集中している、信頼の厚い生地屋さんです。

 

 

近年、工芸に光が当たり、窯元さんで働きたい若い方も増えつつありますが、

こういった下支えされている現場では、人手は減る一途です。

 

焼き物の世界は分業制です。

生地屋さんも型屋さんもいなくなっては、実は陶磁器は完成されません。

近年は生地屋さんの廃業により生産力の失速が目前に迫る深刻な問題のひとつです。

 

佐藤さんは、そんな一見地味な仕事であっても、窯元さんと並ぶ陶磁器の知識と情報量、オリジナルの機械まで自社で作ってしまう器用さで、年間億を稼ぎ出す産地の星です。

跡取りの貴裕さん、直さん兄弟と若い従業員さん達が会社をたのもしく支えます。

 

話がそれましたが、「皿板」は生地をのせるための板のこと。

幅約20cm×長さ2mほどのこの板に作業中の生地をのせ保管したり、運搬するために使用する産地には欠かせない道具です。

 

天然無垢の杉材で出来ており、個体差があります。

真ん中が反っている板は、口径が小さな湯呑など運ぶ際、初心者が運ぶとぐらぐらとし、落下させてしまいます。

窯元で勤務経験のある高塚ですが、なんど落下させ破損したか知れません。

そんなロスを少しでも減らすため、近年では不揃いな杉板から均質で安価なベニヤ材に変わり、味わいのあるこの皿板を目にするることは貴重になりつつあります。

 

今回、なにか「有田らしい特徴を取り入れた内装を」と考えるにあたり、この「皿板」を棚などの材料として使いたいと思いつき、佐藤生地さんに相談したところ

「廃業した生地屋仲間からもらった皿板がたくさんあるし、使わんから取りに来んね」と快く譲ってくださることに。

 

非力な高塚と、当日に突然指示されビジネススーツと革靴のままの副社長佐藤の40代コンビがワゴン車で運び出し作業に向かいました。

 

 

こんなにたくさんいただきました。ありがたいことです!

市場で普通に購入すると、一体いくらになるのでしょうか?

 

長年の陶土がなじんだ皿板は、後日スタッフ全員で洗浄し、大工さんの手により店舗什器として生まれ変わります。

 

 

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