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通常医療が提供困難な状況で、1人でも多くの命を救うプロジェクト

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2024年03月08日 12:28

【令和6年能登半島地震】被災地の小さな変化と、災害関連死を防ぐための支援

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、「令和6年能登半島地震」発災の翌朝に現地入りして以降、珠洲市を拠点に現在も支援活動を続けています。支援を続けている中で、避難所での被災者の方々の様子にも、徐々に変化がみられてきました。

 

 

 

発災以降、珠洲市では停電が続き、余震が続くなか寒く暗い避難所での生活が強いられてきましたが、電気の復旧や道路状況の改善がなされ、少しずつ日常が戻ってきています。子どもたちのために小学校が再開され、複数のお店も営業をはじめたほか、仮設住宅への入居もはじまりました。

 

建設された仮設住宅(2024年2月22日 石川県珠洲市)
建設された仮設住宅(2024年2月22日 石川県珠洲市)

 

珠洲市では全壊した家屋も多いなか、避難所もいつ閉鎖されるか分からないという状況が続き、不安を感じている被災者の方が多くいらっしゃいました。しかし現在、空飛ぶ捜索医療団が立ち上げた「生涯学習センター(旧飯田保育所)避難所」では、長引く避難所生活を少しでも良いものにしようと、被災者の方々が積極的に避難所の運営に携わっている様子が見られました。

 

「これからどうなるか分からない・不安でたまらないと仰っていた被災者の方々が、避難所のリーダーになってくれている。その様子が本当に嬉しい、すごいなと思っている」
と、現地で避難所支援を行っている橋本笙子スタッフは話します。

 

避難所のホワイトボードに記載された運営の心得
避難所のホワイトボードに記載された運営の心得

 

被災者の方々の前向きな姿が見られる一方、空飛ぶ捜索医療団の避難所支援チームが継続して向き合っている大きなテーマが「災害関連死」です。

災害関連死とは、地震発生時に起きた家屋の倒壊や津波などの直接的な被害で死亡したのではなく、長引く避難生活における負担が原因で死亡に至ってしまうケースを指します。


例えば、精神的・肉体的な疲労が積み重なったことで高血圧になったり、それによって脳卒中や心筋梗塞、心不全を引き起こすような場合があります。

看護師を含む避難所支援チームの主な活動目的は、避難所の生活環境を整え、ストレスなども含めた疾病につながる要素をできる限りなくしていき、避難者の方々の健康を守ることにあります。

 


そのなかで支援活動を開始してから現在まで特に注力してきたのが、トイレの衛生管理です。

被災地で断水が発生した場合、トイレで用を足しても水で流せないことから不衛生な状態となり、感染拡大の温床となってしまう可能性があります。そのため各避難所では、使用する度にトイレに袋を設置して汚物ごと取り除く「簡易トイレ」が使用されていますが、簡易トイレの使い方が分からない方や、「汚い」「さわりたくない」と、処理をためらう方が多くみられました。

避難所支援チームは、こうした感染対策の重要な施策としてトイレ環境の改善に取り組み、エプロンと手袋を配布したり、簡易トイレの使い方やトイレ掃除の指導などを行ったりしてきました。

 

簡易トイレを設置した避難所内のトイレ
簡易トイレを設置した避難所内のトイレ

 

また、トイレ問題は感染拡大のリスクだけでなく、健康被害につながる可能性もあるといわれています。例えば、トイレの処理が面倒だからと水分をとらなくなった結果、脱水症を発症。その状況が続くことで血行不良が起こり、エコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞を誘発してしまうおそれがあります。

 

それらを防ぐため、避難所支援チームは定期的に避難所を巡回し、血圧を測定するなど、避難者の健康状態を随時確認。高血圧が確認された方は医師につなぎ、診療してもらう仕組みも確立しています。

 


また、日常的なコミュニケーションを通して日々の不安やストレスを少しでも和らげながら、水分補給の重要性や、避難所にある食料で栄養を取る工夫の仕方なども伝え、自身の健康管理を意識してもらう啓蒙(けいもう)活動も行っています。

 

避難所内を巡回し診察にあたる
避難所内を巡回し診察にあたる


こうした健康を守る支援は物資支援とも連動しており、空飛ぶ捜索医療団が多くの企業と連携して提供している物資のなかには、避難者の健康を守る支援物資も多く含まれています。

 

雪の降る中、届いた支援物資を配布
雪の降る中、届いた支援物資を配布


例えば、皮膚の乾燥を防ぐためのボディクリームや、水分補給の不足から懸念される便秘対策として乳酸菌入りの飲料などを配布。また、体育館などで床にじかに寝ることでほこりを吸ってしまい、呼吸器感染症を発症する可能性があるため、底上げのための段ボールベッドも導入しました。

 

衛生管理や診療、健康相談だけでは、災害関連死を効果的に防ぐことはできません。空飛ぶ捜索医療団では、医療支援、物資支援を個別に機能させるのではなく、避難所支援を軸にそれぞれの支援を有機的に連動させることで、最大限に災害関連死を防ぐ対策を行ってきました。

 

 

避難所生活において健康を維持することは決して容易なことではなく、感染拡大や災害関連死を防ぐためには、避難者とともにできることを一つひとつ継続して実施していくしかありません。そのためには、長期的な支援が必要です。
引き続き、必要な人々に必要な支援を届け続けるために、皆様のあたたかいご支援をお願いいたします。

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