「知った」ことで、動き始めることができた

実は、もともと、「ボランティアをしたい」と思っていたわけではありません。

社会的養護についても、よく知りませんでした。
それなのに、こうして、サポーター（ボランティア）として活動できているのは、友人がブリッジフォースマイルが開催していた「カナエール」という、親を頼れず育った当事者が夢を語るスピーチコンテストに誘ってくれたことがきっかけです。
スピーチを聴き、心が揺さぶられました。「彼らのために、自分に何かできることがあれば」と、すぐにボランティア登録をしました。

初めて担当した女の子は当時高校2年生。彼女と過ごす時間は楽しく、チームで和気あいあいとプログラムに取り組みました。卒業後も関わることができ、一緒に美味しいものを食べたり、買い物したり、LINEで彼女の得意料理のレシピを教えてもらったこともあります。気づけば出会って7年半。
今は、彼女がお引越しをして、すぐに会える距離ではないですが、年1回ほど、新幹線で会いに行ってます。最近、「あの頃、なんでも話せる大人達に出会えてよかった。ありがとう」というメッセージをもらいました。いつも素直に気持ちを伝えてくれる彼女から、私の方がたくさんのものを受け取っていて、感謝しかありません。
彼女と出会えた「カナエール」は2017年に終了し、その後、新たに始まった「コエール」は、当事者であるイルミネーター（登壇者）が支援対象者としてではなく、協同者としてプログラムをつくっていきます。

立ち上げから参加しましたが、途中、仕事の多忙や体調不良・生活の変化で、思うように活動の時間がとれず、お休みした期間があります。それでも、こうして活動を続けられているのは、「細くても長く」というブリッジフォースマイルの考えのおかげです。
体調不良でお休みがちの時に、当事者であるイルミネーターに「子どもを救ったり社会を変えたいと思う大人がいるだけで幸せだよ」と声をかけてもらい、勇気づけられました。みんなを支えたいと思っていますが、実は、支えられていると実感する日々です。

私は、「知った」ことで、動き始めることができました。
そして、これまでの活動を通して、愛おしい存在がたくさん増えました。自分の中にこんなにも溢れる感情があることを知りませんでした。
会えない時も幸せを願い、心から大切に想ってます。彼らに出会わなかった人生は考えられません。
お互いに大切に想い合う輪が広がっていくと嬉しいです。

先日、6月22日に行われた「コエール」のスピーチ収録の現場にて、仲間たちと集合写真

 とりちゃん

婚活・保育など支援サービスに携わる。夫と二人暮らし。休日は夫婦で美味しいもの巡り。

2016年ボランティア登録