皆さんの素朴な疑問にお答えします『たくさん森がある中で、どうしてその森を選んだの？』

これまでの10日間、皆様の応援とご支援に感謝しています。ありがとうございました。

 

 

ストーリー本文（プロジェクト概要）を読んだ方からいただいた素朴な疑問「なんでなの？」にお答えする第2弾。昨日25日の小話会（一口話会）でお話しした内容に加筆してご紹介します。

 

 

たくさん森がある中でどうしてその森なのか？この場所について

 

要約して書けば、「縁とタイミングがチャンスを生んだから」です。

 

2月にこの土地を買いたいと地主さんに伝えてから、それでもしばらくは、本当に買えるんだろうか？と迷っていました。それがある時を境に明らかな決意に変わりました。今まで生きてきて、それなりに生態系の良い場所を見たこともありましたが、図鑑かペットショップでしか見たことなかった憧れの生き物を「百年の森」で見つけた時です。それを見てからは、なんとしてもこの場所を購入しなければと思いました。

 

 

これまでも、特に地元の人からはどこにある土地か聴かれることが非常に多い「百年の森」でしたが、場所をピンポイントで知ることにはほとんど意味がないのではないか？と私は思っています。

また、このプロジェクトには、今のところ「遠野ならではの」とか「特別な場所」というような特異性はありません（なくていいと思っているわけではありません）

環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山」に選定されている地域でもあり、確かに生物多様性がもともと素晴らしい場所ではあります。

でも、特別な絶滅危惧種がいるとわかっているわけではありません（調べればいるのかもしれませんが）。注目していただきたいのは、「この場所を選んだ理由」ではなくて、むしろ

「縁とタイミングから生まれたこのチャンスをどうするか？」なのです。

 

「山林を売ってもいいと言ってくれた地主さんとの縁」「この里山のちょっといい環境」「山林と農地と空家がすべてそろっていること」「起業家（私）の今までの人生」などのきっかけが重なって「今」プロジェクトが始まりました。それまでも森つきの畑や森つきの空家を探してみては、いくつか紹介していただきましたが、ここまで条件の揃っている場所はありませんでした。

 

 

また、今は特別性はないけれど、「今」始めることで百年後には非常に貴重な里山が残っている場所になるかもしれません。もちろん、何かアクシデントがあって残らない可能性もないわけではありませんが、始めなければ残らないし、遅れれば遅れるほど失われる種も多くなります。百年後の遠野に貴重な里山を残したいと思いませんか？という問いかけです。

始めるのは「今」です。誰でもどこででもやろうと思えばできます。でも、今を逃すと次は誰かが引き継がなければ遠野ではできないかもしれません。

 

アイデアを出すのは1人の起業家だとしても、このプロジェクトを始めるのも続けるのも多くの『2人目』『3人目』たちの応援がなければ難しいでしょう。

全国の皆様のご支援と応援がすべてです。

 

（土地と空家を購入した後の事業の構想については、また後日お話しします。）

 

場所をピンポイントで知ることにはほとんど意味がないと書きましたが、場所を知らせないことには意味があります。

 

 

場所の情報が口コミやインターネットなどに乗って、広まることで様々な問題が起きています。

たとえば、盗掘や採集，踏圧や侵食，外来種の侵入・放流，違法伐採，不法投棄などの危険性が強まります。百名山の高山植物が生えている登山道，綺麗な山野草が生える里の自然公園では盗掘被害が後を絶ちません。

また、情報の拡散だけでなく、下記のような様々な理由で里山の生物多様性（生態系・種・遺伝子）は損なわれてしまいます。

- オーバーユース

- アンダーユース

- 鑑賞・商業目的での盗掘，密猟・違法取引

- 乱獲（過度な狩猟による），捕獲・採集

- 踏圧による裸地（らち）化，泥濘（でいねい）化，浸食

- 外来生物の侵入・放流

- 農林業の衰退や狩猟圧の低下（大型哺乳類の増加による食害）

- 開発（森林伐採，農地の圃場整備など）

- 不法投棄

- 化学物質（化学肥料，農薬による汚染，殺虫剤・ネオニコチノイド） 

- 地球温暖化

 

生物相調査について

 

しかし、いつまでも所在地非公開というわけにはいかず、いずれ経済活動を始めるタイミングで所在地をオープンにすることになるので、その時までに、生物相調査を実施して、調査結果に基づいて、必要な方針を決め、対策を動かせるようにしておかなければなりません。

 

 

生物相調査をする理由

・現状を知る　→　現在と数年後で種の増減を比較できるように

・希少種がいないか調べる　→　見つかった希少種が好む環境を消さないように

・何がいないか知る　→　呼びたい種が好む環境をつくれるように

 

調査の項目

・植物

・哺乳類

・鳥類

・爬虫類

・両生類

・淡水魚

・底生動物

・昆虫

・陸産貝類

 

 

 

このプロジェクトは8月30日まで続きます。

最後まで諦めず走り続けますので、皆様のご支援を引き続きよろしくお願いいたします。