南アフリカの子どもたちの為に、日本の移動図書館車を送りたい!

南アフリカの子どもたちの為に、日本の移動図書館車を送りたい!

支援総額

440,000

目標金額 300,000円

支援者
45人
募集終了日
2015年2月4日

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2015年01月24日 17:28

南アフリカ~初等教育の「実際」~

みなさん、こんにちは!中川です。

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
(南アフリカは夏真っ盛りです。いいですね~。)

皆様の温かい応援のお陰様で、なんと!
現在【達成率95%】【残り12日間】となりました。プロジェクト成立まで、あと少し!いつも応援していただき、本当にどうもありがとうございます。

本日は『南アフリカの初等教育の実際』をテーマに書いてみたいと思います。
宜しければ、お付き合いください。

****************

南アフリカ共和国の教育事情は、「アパルトヘイト」無しに語ることは出来ません。みなさんも、いつかの歴史の授業でアパルトヘイトという言葉を耳にしたかと思いますが、現地ではまだ歴史ではなく、現在に続く「負の遺産」として大きな課題を抱えています。


■「アパルトヘイト」ってなんだっけ?

アフリカーンス語(オランダ語由来)で「隔離」を意味します。南アフリカに住む少数派の白人が、大多数の黒人およびアジア系のいわゆる有色人種に対して絶対的優位な立場を確保するために生まれた政策です。

・白人=イギリス系、オランダ系のヨーロッパから移り住んだ人々
・黒人=ズールー、コーサなど、もとから南アフリカに住んでいた人々
・アジア系=インドや東南アジアから移住してきた「カラード」と呼ばれる人々
のことです。

南アフリカは、歴史的にさまざまな背景を持つ人々が暮らす、いわゆる「人種のるつぼ」です。今考えるとありえないような差別の数々が、この国では1994年まで実に46年間もの間、法的にまかり通っていました。



このように、公共施設・交通機関・レストラン・病院・学校など日常生活のすべてが「白人とそれ以外」に分けられていました。黒人は、強制的に決められたエリアから外出する際、パスポートを持っていないと投獄されました。国内なのに。

「政策としてのアパルトヘイトは終わったが、実際には17世紀にオランダ東インド会社が喜望峰を拠点とした時からずっと続いている」という私のホストファザーの言葉が、今でも強く印象に残っています。私がケープタウン留学時代にお世話になったホストファミリーはカラードで、美味しいマレー料理を毎日出してくれました。

そんな長年続く黒人差別を克服するために立ち上がったのが、あの「ネルソン・マンデラ」さんです。―私の彼への愛は語り出すと止まらないので、別の機会に書かせていただくことにします(笑)


■アパルトヘイトのもとでの教育

当時の義務教育の対象は、白人のみでした。黒人(有色人種)を低レベルに押しとどめるための「バンツー教育」の影響で、今でも黒人の成人の過半数は、事実上の非識字者です。もともと、黒人の現地語は口承言語で、専用文字がありませんでした。のちに強制的にアルファベット化されましたが、今は現地語の継承が課題になっています。
ちなみに、メインの公用語である英語は小学3年生から習い始めます。私たちSapesiは、英語の本だけでなく現地語で書かれた本も図書館車に載せて、各地を巡回しています。


■現在の初等教育

1994年マンデラ新政権発足後、国家予算のうち最も多くを文部省予算へ配分し、全国に学校を建てました。学費や給食を無料にし、9割を超える就学率を保っているのは素晴らしいことです。雇用機会均等法もあり、黒人の先生が急増しました。

ズマ現大統領は、「南アフリカにとってまず解決すべき問題は、第1は教育、第2は健康(HIV対策)。第3が経済・雇用政策で、第4が治安問題である。」と述べています。しかし、いまだに大半の学校には図書室が無いのが現状です。初等教育省のガイドラインには「図書室が無い小学校は移動図書館車を活用すべき」と明記されています。日本の移動図書館車が、暗に期待されています。

■小学校の先生の実際

2年間の教員養成コースでほぼ誰でも教師になれたので、ある年代以上の先生は教師としてのスキルが充分でないまま、教壇に立っていることも多いです。語弊を恐れずに言えば、図書館車を利用してくれる先生と、そうでない先生がはっきり分かれ、やる気の差が一目瞭然です。あくまで私の推測ですが、「教え方が分からないから、知らない教材には手を出したくない」「生徒が自分より高い学習能力を持っていくのが怖い」「給料が変わらないのに、余計な事をしたくない」というような心理が働いているように思えます。いずれにせよ、教室の質やレベルは、先生に大きく左右されてしまいます。



(2014年10月、Free Stateの図書館車担当者会議にて)

Sapesiは、改善活動を推進するために図書館車ドライバー兼司書の合同勉強会を、州教育省および国際NGO(VVBO)とともにサポートしています。現時点ではモデル州であるFree Stateのみでの実施ですが、今後このような情報交換・勉強会が南アフリカ全土に広がっていけばいいなと思います。

■日本人は「名誉白人」?

こぼれ話をひとつ。当時、アパルトヘイト政策は国際社会から大きく批判され、南アフリカは経済制裁を受けていました。しかし、日本は経済的な利益のためにこっそり貿易を続けていました。人種としては日本人は「有色人種」になりますので、この経済的互恵関係を補強するために与えられた称号が「名誉白人」だったのです。

■私たちは人種差別を乗り越えられないのでしょうか?

最後に。ここ最近、人種差別問題が世界各地で再燃しているように見受けられます。アメリカ、ヨーロッパ、そして日本も然りです。しかし、自分と異質なものを力で取り除くというやり方は限界がある、ということは歴史から学べるはずです。南アフリカは日本と同様、「課題先進国」なので(苦笑)南アフリカから何かを学べたら、と思っています。

****************

ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました!

引き続き南アフリカの子どもたちの為に、日本の移動図書館車を送りたい!プロジェクトへの応援を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

素敵な週末をお過ごしください。

中川マリナより
Sapesi-Japan

リターン

3,000


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心を込めて、お礼のeメール
+現地より動画(購入者限定公開)
+オリジナル・サンクスカードをお贈りします

支援者
18人
在庫数
制限なし

8,000


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上記全て
+フェアトレードの南アフリカ産ロイボスティーを
お贈りします
(レッド・グリーンから1つお選びください)

支援者
0人
在庫数
制限なし

10,000


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上記全て
+フェアトレードの南アフリカ産ワインを
お贈りします
 (赤・白・白スパークリングから1つお選びください)

支援者
27人
在庫数
制限なし

30,000


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上記全て
+移動図書館車の車内にお名前を入れさせていただきます

支援者
3人
在庫数
制限なし

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