登録文化財「大巌寺書院」江戸の書院様式に復元目前、最後のご支援を。
支援総額
目標金額 5,000,000円
- 支援者
- 36人
- 募集終了日
- 2022年4月28日
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プロジェクト本文
みなさまのお心を大巌寺書院の大屋根に
ページをご覧いただきありがとうございます。龍澤山大巌寺 第61世住職 長谷川匡俊でございます。
50年ほど前に千葉の名刹・大巌寺の住職を拝命してより、大勢の方々の協力を得ながら、長い年月をかけて境内や伽藍を少しずつ整備してまいりました。しかし令和元年9月の台風直撃により、国の登録文化財である書院の大屋根が崩落するという大きな被害に遭いました。
まさに天災でありましたが、これを「天啓」と受け止め、これを機に簡便な修繕でなく江戸時代の書院様式への復元を目指すことを決意いたしました。これは今後百年を見据えた一大事業でございます。
書院は大きな木造建築のため、葺く瓦は1万枚に及び、大屋根の修復だけでも1億円以上の費用がかかる大工事です。現在、皆様に支えていただきながら復元工事が進んでおりますが、柱や梁等の朽廃の修復箇所が増え、今年夏の完成を目前にしてあと一歩、費用が不足している状況です。
たくさんの方のお力添えを賜りたいという思い、また1人でも多くの方に、新時代の大巌寺とご縁を結んでいただきたいという願いをもって、クラウドファンディングを立ち上げた次第であります。
「千葉に大巌寺あり」と多くの皆様に誇りをもっていただけますよう。未来に向けたつながりを、今、ここから。どうぞよろしくお願い申し上げます。 合掌
龍澤山大巌寺 第61世住職 長谷川匡俊
徳川家康公ゆかりの学問寺、龍澤山大巌寺
千葉県千葉市にある龍澤山 大巌寺(りゅうたくさん だいがんじ)は室町末の天文20年(1551年)、のちの高僧・道譽貞把上人(どうよていはしょうにん) によって開山された浄土宗の寺院です。江戸時代には浄土宗関東十八檀林の一翼を担い、多くの学僧を輩出し、下総の名刹として宗風を大いに発揚してまいりました。
道誉貞把上人の奥義は浄土宗からも重んじられ、上人を道誉流伝法の祖とし、大巌寺はその根本道場とされています。二世の虎角上人は、徳川家康と親交がありました。
虎角上人のあとも、三世・雄誉霊巌上人、四世・源誉随流上人、五世・典誉潮流上人と、名僧があとを継いだことで、全国より大巌寺を目指して若い修行僧が集まり、檀林として隆盛を極めました。最盛期には学寮40余軒、寺領70貫を有していたと記録に残っています。
江戸幕府の終焉に加え、明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)も重なり、久しく荒廃していましたが、第二次世界大戦後、60世謙誉良信上人の代になって復興を見、今日にいたっています。
大巌寺 本堂内陣
大巌寺の由緒
今の地名にもなっている大巌寺の由来をお話ししましょう。
その昔、今の境内の裏手は奥深い林でありました。この林の中に、おそろしい龍女が棲むという大沢が流れていて「龍が澤」と呼ばれていました。
時に天文年間、道誉上人というひとりの念仏僧が、この千葉郡生実郷辺りを布教していました。上人は摂津の生まれでありましたが、おのれの愚かさを恥じ、仏道をさらに極めようと成田山新勝寺に参籠、ついに不動明王尊の霊力を授かり、智慧高邁の僧へと変貌を遂げていました。
道誉上人は、村人たちがおそれる龍女に教えを説くため龍ヶ澤の水中に入り、21日のあいだ念仏をし続けたところ、龍女は忽然と阿弥陀仏に姿を変え、金色の光を放ちながら上人に奥義を授けたと伝わっています。
さらに千葉氏四天王の一人、当時の生実城主・原胤栄夫妻は道誉上人の説く念仏の教えに深く感銘し、上人に帰依。寺院建立を発願し、自ら開基となりました。この時天文20年(1551)、大巌寺がこの地に創建されたのです。
令和元年9月、台風で大きな被害を受けた大屋根
令和元年(2019年)9月、台風15号が千葉県を直撃しました。
私どもは、「台風が非常に強い勢力を保ったまま関東地方を直撃するかもしれない」と分かった2日ほど前から、備えをしていました。風で飛ばされそうな物は物陰にまとめたり、境内に立つ大木の枝が飛んで来ることも想定し、窓ガラスには段ボールやガムテープなどで目張りを施しました。
夜半ごろより風は次第に強くなり、木造の庫裏(住まい部分)もゴーッという音とともに地震かと思うような揺れを感じたり、時折ドーン、ドーンと枝か何かが雨戸や屋根にぶつかる音に、眠れぬまま時間が過ぎていきました。
夜が深まるにつれ風雨はいよいよ強く、ガシャーンとかゴゴーンとか、いずこの、何の音なのかも分からず、しかし何かの被害に遭っていることが推測され、不安と恐れにさいなまれながらも、念仏を唱えるしかなす術はありませんでした。
明け方近く、一瞬静かになったかと思いきや、またゴォーッという暴風が戻り、台風の目に入ったのだなと思いながら、後で思い出すとこの時に腹を決めたのかも知れません。風が弱まり周囲が明るくなってから、状況を確認しに行きました。
台風直撃後の墓地付近の様子
国の登録文化財である書院の大広間に足を運ぶと、100畳近い畳がずぶ濡れになっていました。屋内にもかかわらず雨滴がそこかしこから垂れている天井を見上げると、天井板の隙間から空が覗けました。江戸時代に建てられた伽藍の大屋根が崩落、大きな被害を受けていることが明らかになりました。
ただ幸いなことに、本堂へ行くと内陣はほぼ無事で、本尊の阿弥陀さま、観音・勢至両菩薩(せいしぼさつ)さまも静かにそこにおられた事に、深く安堵いたしました。
これまで数十年をかけて境内や伽藍を少しずつ整備してまいりましたが、台風直撃により、三門や書院に大きな被害を受け、あらためて整備計画を一から練り直す事態となりました。令和という新しい時代を迎え、世情も少し明るいきざしが見えかけてきた矢先の、大きな災難でした。
時代と共に姿を変えてきた書院、江戸時代の姿に復元を
見積もりの結果、大屋根の修復には1億円以上かかることがわかりました。国の登録文化財ですが、修復に補助があるわけではありません。茫然としていた矢先、文化財審議会の元委員の先生より「書院を江戸時代の姿に復元してはどうか」というご助言をいただきました。
崩落した大屋根は鉄板葺きでしたが、古絵図から、創建当時は瓦葺きであったことが分かっております。創建後、おそらく瓦を1、2度葺き替えた後は、維持費などの面からか茅葺きに変更されています。しかし、茅葺きはどうしても雨が躯体に届き易いため、昭和に入り、鉄板葺き、いわゆるトタン屋根に変更されていました。
また創建当時、書院の正面玄関は、幕府奉行職などの来寺者を迎えられるよう唐破風(からはふ)の重厚な造りでした。しかし長年の風雨に耐えられなかったと見られ、簡便な千鳥破風に変更されていました。
私どもは今回の天災を「天啓」と受け止め、この後百年を見据えた一大事業として、書院を江戸時代の姿に復元することを決意いたしました。
境内古絵図 創建当時の屋根や正面玄関の様子が分かる
書院様式への復元計画
大屋根は創建当時の瓦葺きの姿に復元します。また正面玄関も、創建当時の唐破風屋根に復元します。立派な唐破風屋根を冠した玄関は、県内でも例は少ないと思われ、復元することができれば、建築物としても一見の価値のあるものになるでしょう。
更に正面の窓もいつの頃からか上枠が簡易な直線となっていましたが、曲線の美しい花頭窓(かとうまど)とする計画です。花頭窓の上には瓦の庇も復活する予定です。
工事が進むにつれて明らかになった、柱や梁等の朽廃
関係者、地域の方々からのご支援をいただき、昨年令和3年2月から大屋根の工事が開始、いよいよ今年夏の完成まであと一歩というところまで進んで参りました。
しかし工事が進む中で、柱や梁等の朽廃が明らかとなり、修復箇所が増えていきました。
書院の基本部分である土台や柱、梁は、一部途中で改築した部分もありますが、ほぼ創建時のものが使われております。しかし今回の復元工事に際し床下を確認すると、十数本ある柱の内、半分近くが朽ちており工事が必要なことが分かってきたのです。
そのため、大部分の素材は残しつつも、腐朽している部分に接木を施し、工事を進めることとなりました。
この後百年を見据えた一大事業にご支援を
書院は大きな木造建築のため、葺く瓦は1万枚に及び、大屋根の修復だけでも1億円以上の費用がかかる大工事です。地域の皆様に支えていただきながら復元工事は進んできましたが、前述の通り修復箇所が増えていったことにより、今年夏の完成を目前にしてあと一歩、費用が不足している状況です。
そこでこの度、大巌寺として初の試みとなるクラウドファンディングへの挑戦を決意いたしました。
今回の復元工事が無事終了した暁には、書院は江戸時代の姿を取り戻すことができます。これから先百年、皆様に創建当時の荘厳な姿を見ていただくために復元を進めることができるよう、最後のお力を皆様にお借りすることができればと思っております。
寺院の役割は「安心(あんじん)に至るための結縁(けちえん)」、つまりネットワークの中で心の安穏を得てゆくお手伝いをすることです。クラウドファンディングを通じて皆様からご支援をいただくと共に、結縁の現代化を図りたいとも思っております。
「千葉に大巌寺あり」、と多くの皆様に誇りをもっていただけますよう復元整備してまいる所存です。皆様方の絶大なるお力添えを賜りたく、何とぞ宜しくお願い申し上げます。
大巌寺書院 復元に寄せて
登録文化財大巌寺書院の復元工事
私は大巌寺本堂及び書院を文化財に登録するための調査を行わせていただきましたが、その中で本堂・書院が持つ貴重な歴史的価値を確認することができました。大巌寺は関東十八檀林の格式を持つ由緒ある大寺院ですが、その中で江戸時代中期に建てられた本堂と書院を保存している数少ない寺院です。大部分の檀林建築は焼失したり建替えられている中で、本堂と書院がセットで往古の姿を伝えているのは大巌寺だけであり、大変貴重な存在です。
令和元年9月の台風で書院は深刻な被害を受けてしまい、現在この復旧工事が行われております。享保年間に建てられてから約300年の経過の間にはいろんな修理や改造が行われていますが、登録時の調査研究で変更箇所がほぼ解明されており、この修理を機会に建築当初の姿に復元が行われています。主な復原箇所は、正面玄関式台の新築、柱間櫛型窓や屋根形の復元で、これらにより見た目が一新され、往古の檀林の威容が甦ります。内部には大きな変更はありませんが、小屋内に設けられた宿泊用の小部屋が撤去されて大きな小屋組が復元されます。
書院は本堂とともに平成19年から21年にかけて本格的な耐震補強工事が施されています。これと併せて今回の復元工事により、本来の建物としての保存が行われることとなって益々その歴史的価値が大きくなります。是非とも皆様のご協力のもとに、この貴重な建物の修理を無事終えることを祈って止みません。
日塔和彦(にっとうかずひこ)
文化財建造物修理技術者。元東京芸術大学客員教授。茨城県文化財保護審議会委員、千葉県市川市文化財保護審議会会長など各地の文化財審議会委員などを勤め、文化財建造物の指定や保存・修理に当たっている。
※本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、こちらのページの「リターンに関するご留意事項」をご確認ください。
- プロジェクト実行責任者:
- 大巌寺 住職 長谷川匡俊
- プロジェクト実施完了日:
- 2022年7月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
皆様からいただきましたご浄財は全額、復元工事費用に充てさせていただきます。
リスク&チャレンジ
- プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
- 修復・復元費用はかなりの高額になりますが、檀信徒をはじめとする地域の皆さま、また隣接する淑徳大学関係の方々からいただいた寄付により補填いたします。
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
プロフィール
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
リターン
5,000円
ご芳名永代奉納
・お礼のメールおよび行事等のご案内メール
・寺報『龍が澤』にお名前掲載 ※
・巻物にお名前を墨書し大屋根に永代奉納 ※
※ご希望の方のみ
- 申込数
- 15
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年7月
10,000円
大巌寺開運増慧御守 授与
・お礼のメールおよび行事等のご案内メール
・寺報『龍が澤』にお名前掲載 ※
・巻物にお名前を墨書し大屋根に永代奉納 ※
・大巌寺開運増慧の御守 1体
※ご希望の方のみ
- 申込数
- 9
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年7月
5,000円
ご芳名永代奉納
・お礼のメールおよび行事等のご案内メール
・寺報『龍が澤』にお名前掲載 ※
・巻物にお名前を墨書し大屋根に永代奉納 ※
※ご希望の方のみ
- 申込数
- 15
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年7月
10,000円
大巌寺開運増慧御守 授与
・お礼のメールおよび行事等のご案内メール
・寺報『龍が澤』にお名前掲載 ※
・巻物にお名前を墨書し大屋根に永代奉納 ※
・大巌寺開運増慧の御守 1体
※ご希望の方のみ
- 申込数
- 9
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年7月