「入院中の子どもたちを笑顔に」の先へ　心のケアでつなぐ家族と未来

 

こんにちは。シャイン・オン！キッズ橋爪です。

今回は入院中にビーズ・オブ・カレッジのプログラムに勇気づけられた「まことくん」のお母様からのメッセージをご紹介します。

 

 

 

息子が3歳の時、急性リンパ性白血病を発症しました。

告知を受け、まさにどん底といった気持ちで過ごしていたある日、病院のスタッフからビーズオブカレッジというプログラムに参加しないかと声をかけられました。

 

説明では、小児がんの子ども達対象のプログラムで、採血は黒、輸血は赤、化学療法は白といった具合に治療の経過を色のついたビーズで記録していく、辛い検査など頑張った時には「がんばったねビーズ」という特別なビーズを渡してくれるといいます。

 

いくつか記念にビーズをくれるということかな？と思い、手渡された用紙を見るとそこには一枚の写真があり、小さな男の子が笑顔で座っていて、肩から驚く程たくさんの、抱えきれないくらいのビーズを繋げたものをぐるぐると巻いていました。

 

その写真を見て思わず、涙が。

 

小さな男の子がここまで、どれだけたくさんの試練を乗り越えて来たのが一目でわかったのです。

ビーズはその子の歴史になるんだと思いました。

 

すぐにビーズオブカレッジの参加を決め、そこから治療の記録をつけ週に一度ビーズを手渡される日々が始まりました。

治療は本当に大変で、親としては苦しい様子を見ているのはとても辛いものでした。

治療がスタートした頃は痛い検査があるたび、強い薬を使うたび「ごめんね、ごめんね」ばかり口にしていました。

 

 

でも、ビーズが増えるほどに「すごいね、がんばったね」と自然とポジティブな言葉が増えていったように思います。

 

ポジティブな言葉が増えると、「退院したら〇〇に行こうね！〇〇をしようね！」と明るい未来の想像が出来たり、不思議と前向きな気持ちにもなれました。そして、共に治療をしているお友達が出来たり、他のご家族とも交流が増えたりとつながりも増えていきました。

 

また、チーム・ビーズ・オブ・カレッジという取組みにもとても励まされました。

参加者が何かを頑張る時にビーズを２つ身につけチャレンジをし、身につけていた内の１つはメッセージがそえられて子ども達の元に届くというものです。

 

 

何気なく選んだビーズに、知らないところの会ったこともない誰かからの応援メッセージがついているのです。

いくつか息子も貰い、どのメッセージにも本当に感動し励まされました。知らない人からこんなにもパワーがもらえることをビーズを通して初めて知り、今は、私達も知らない誰かにパワーを送るようなことを何かできないかなと考えるようにもなりました。

 

 

病気がわかった時は世界から追いやられ、どこかに閉じ込められてしまったような孤独感を感じていたのに、いつの間にかそんな気持ちはどこかに消えてしまい、むしろ前より私達の世界は広がったように感じています。

 

 

治療を終え、息子の手元にはあの写真の男の子と同じように抱えきれないほどのビーズがあります。

このたくさんのビーズは息子の頑張った道のり、さまざまな出来事、関わってくれた人達をありありと思い出させてくれる息子の大切な勇気の証です。

 

これからもビーズ・オブ・カレッジが病気と闘うたくさんの子ども達、そしてご家族の励みになることを願っています。