Fermentators week が行われる秋田県湯沢市周辺には、自らの豊かな感性と知恵を地域のものごとと軽やかに掛け合わせ、おもしろく、しなやかに暮らす Fermentators(個性を醸す人)がいます。

 

Fermentators の言葉から見えてくる、この土地の美しさ、厳しさ、無限の奥行き。育まれた食文化の圧倒的な豊かさ、美味しさ。地域への想いと葛藤。

 

こんな Fermentatorsがいるまちってどんなところなんだろうと気になり始めたあなたは、もう発酵の虜!

 


Fermentators vol.13  鈴木隆弘さん / 株式会社羽後麦酒 代表取締役
 
日本三大盆踊りの1つである西馬音盆踊りや、江戸時代から続く朝市、茅葺き民家。

地域に積み重なる月日と人々の暮らしを、今も目で見て肌で感じることができる羽後町。

そんな歴史と文化に彩られたまちで、平成3年に幕を閉じた酒造りの文化をビールを使って再興するFermentatorにお話を伺いました。
 


株式会社羽後麦酒 代表取締役  鈴木隆弘(すずき・たかひろ)さん

1972 年、神奈川県小田原市生まれ。2~3歳頃に父親の実家である羽後町へ移住。その後大学進学を機に上京。20歳の時に大学を辞め、家業の皮革製品に関する修行に専念。3年後に帰郷し、有限会社サクソン(皮革製品製造)に入社。現在サクソンの取締役を務める。その傍ら2016年に株式会社羽後麦酒を設立、2017年より醸造を本格的にスタート。



ー昨年から県内で大注目の羽後麦酒さんですが、どのようなビールを醸造されているか詳しく教えてください。

 

鈴木:ゴールデンエールベルジャンホワイトペールエールの定番3種のほか、スイカやモモを使ったビール、秋田県立大学の学生さんと一緒に造った IPA10番など、さまざまな商品を製造しています。

 

世界には 100種類を超えるビールがあるんですが、日本で一般的に飲まれているビールはジャーマンピルスナーほぼ1種類です。ワインや日本酒に多種多様な風味・風合いのものがあるように、本当はビールもいろんな味を醸し出せる自由度の高い醸造酒なんですが、日本ではそういう認識があまりないんです。

僕はもともとお酒が好きなこともあり、ビールの幅広さを伝えたいと思って羽後麦酒を立ち上げました。

 
おかげさまで注目してくださる方が全国にたくさんいるんですが、今は秋田県南や秋田市での販売に留めています。理由は、現在の設備では1回100リットルと製造量が限られることと、羽後麦酒をおいしいと思ってくれる人に出会うためのイベント出店を積極的に行っているためです。

基本的に2名体制で製造しているので、イベント出店が重なった時なんかは、もう必死(笑)。お手伝いしてくれるボランティアさんは常に募集中です!
 


 
―興味ある方はぜひ羽後麦酒さんへお問い合わせてみてください!鈴木さんが地元の羽後町で起業したのには何か理由があるんですか?  

 

鈴木:地元の人たちに、「羽後町はおもしろい!」という気持ちを持ってもらいたいという想いが根底にあります。

 

僕は学生時代から旅やキャンプが好きだったんですが、家業である皮革製品の製造業が忙しく、なかなか遠出ができませんでした。そこで、1時間圏内で旅ができる場所を探そうと思って改めて地域を見てみたんです。
 
すると、ふだん当たり前のように過ごしている場所にも良いところがたくさんあるんだってことに気付きました。

近所にある川原や山、見晴らしの良い高台。自転車やバイクで走ると気持ちの良い道。川下りをしたり、真っ暗な山の中でキャンプをしながら星空や夜景を見たり、遊べるところがたくさんあるじゃないかと。

 

だから、地元の人の「羽後町は何もない」という言葉が悔しくて。何か地元でおもしろいことを起こそうと思い、13 年前にビール醸造の構想を思いつきました。そして、現在の醸造所の建物(元味噌蔵)を借りられることになったのをきっかけに、羽後麦酒をスタートさせたんです。

 

平成3年まで、道路の向かい側には酒造がありました。醸造文化をこのまちで再興するという点でも、この場所でビールを醸すことには意味があると思っています。

 

今後は、羽後町の食材と組み合わせた商品を開発したり、麦芽粕や酵母粕を牛の餌にすることで畜産をブランディングしたり、地元にあるものごとがつながり、循環していく仕組みを作れたらと思っています。

 

 

―羽後麦酒さんには、Fermentators Dinner(発酵人晩餐会)のうち羽後町を舞台にした11月4日と、11月10-11日の Fermentators Festival(発酵人感謝祭)にクラフトビールを提供していただきます。イベントに参加される皆さんや、興味を持ってくださっている方々へメッセージをお願いいたします!
 
鈴木:このイベントをきっかけにして、地域の人が地域のことをもっと楽しんでほしいと思っています。自分には関係ないと思わないで、まずはアンテナを張り、地域を見てみてください!きっとおもしろいものごとが見えてくるはずですよ。
 

 
写真・Otan/Photography 文・平元美沙緒 〈Fermentators week 広報担当〉
 
*鈴木隆弘さんがクラフトビールを提供してくださるイベント詳細はこちら


Fermentators Festival 発酵人感謝祭

 
発酵を五感で楽しむ 2 日間!

発酵を食べて、呑んで、体験するお祭りのような 2日間です。お酒は、5年目を迎える 「JOZOまにあくす」がセレクトする秋田・東北の流通限定日本酒やこだわりの国産ワイン、 地元羽後麦酒の樽生ビール、日本酒や甘酒を使ったオリジナルカクテル・ノンアルコールカクテルなど。100種を超える「マニア」なお酒をご用意。さらに、本場のマルシェのように新鮮な食材や発酵調味料を買うことができ、ダイニングでその食材や調味料を使用した料理を食べることができる発酵フードホール、発酵ワークショップイベント、味噌醤油やいぶりがっこをはじめとする発酵グッズ等のお店も勢ぞろい!
 
( 開 催 ) 2018 年 11 月 10 日(土) — 11 月 11日(日)

( 時 間 ) 10 日|12:00-20:00、11 日|12:00-18:00

( 会 場 ) 秋田銘醸株式会社 旧岩崎蔵

( 協 力 ) 秋田県雄勝地域振興局・湯沢市内各酒蔵・ヤマモ味噌醤油醸造元・石孫本店・ラッキー・和賀組・高順商店・花よし植物園・momotose・湯沢市岩崎地区自治協議会・JAこまち湯沢市支部岩崎部会・こまち女酒会・酒粕普及会 etc…

( 参 加 ) 入場券 前売り¥2,500/日(当日¥3,000)»チケット販売中

( 特 典 ) 各ブースで使える引換券&オリジナルグラス付


 

 

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