みなさんは、「ホスピス」という場所をご存じでしょうか?

「ホスピス」とは、

治療が困難な病を持つ患者さん(主に末期がん患者さん)が、苦痛を出来る限り軽減され、死の恐怖を和らげ、人間としての尊厳を持って、その人らしく生き抜くことができるように援助するところです。そのために、患者さんとご家族の想いと意思を尊重しています。

 

 

「ホスピス」という場所が、特定の病院にはあります。
「がん患者さんの看病をしている人のサポート会」を立ち上げる前、私(酒井たえこ)は、このホスピスに リフレクソロジー(足裏マッサージ)ボランティアとして、通っていました。

 

 

「ホスピス」ボランティアへ行っていた時に、様々ながん患者さん
そして、看病をしている人に出会ったのです。

 

 

今日は、「ホスピス」ボランティアで

私たちボランティアが
どんな風に 患者さんや、看病している人たちと関わっていたかを
知っていただきたいと思い、綴ったものをご紹介します。

 

 

 

 

 

~あるホスピスボランティアの日の思い出 (黒文字さん編)~

 

 

ある暖かい日の ホスピスにうかがった時のことです。

 

看護師さんから、「今日は黒文字さんをお願いします~」

「リフレを楽しみにしてはるから、よろしく~」

 

私は、そうなんですか、楽しみにしてくれてるとは
嬉しいな、どんな人なんだろうと 軽い足取りで病室へ向かいました。

 

 


トントン 「こんにちは、リフレのものです」

本当に患者さん(黒文字さんと呼ぶ)は、楽しみに待っててくれていたみたいで
付き添っている奥さんも、ニコニコしながら「お父さん
待ってたリフレの人やで~気持ちいいもんねぇ」
と言いながら 支度をしてくださる。


黒文字さんは 右手が動かせなくなっていて、言葉もはっきりとは言えない。
動く右手をフリながら ゆっくり

「足、好きやねん  ありがとう」
「暑かったら 窓を開けてね」
と、心優しい気配りもしてくれる。

奥さんは  ずっとニコニコして、時々  黒文字さんの手を握りながら
「お父さん、マッサージ好きやったもんねぇ」 と言われる。

 

 

 


一瞬、「好きやったもんねぇ」  と言う奥さんの過去形にどきっとした。
元気だったころは  もっとふっくらして、奥さんおもいで
時々マッサージにも行かれたのだろう・・・

今日は黒文字さんの好きなマッサージを足に、一生懸命させてもらいます。

 

 


リフレをさせてもらっているあいだ黒文字さんは スースー気持ちよさそうに眠っておられ、リフレが終わってもゆっくり眠っていたので
起こさないように、奥さんに 「奥さんも リフレをさせていただきましょうか?」と尋ねてみた。

 

 


実は看護師さんから「奥様も とても疲れてはるから、やってあげてほしい」

とお願いされていたのです。

 

 


奥さんは私の申し出に「嬉しい!!私もしてくれるの!」
と言いながら、私が施術しやすいように 

大きな椅子を運んできてくれ、
「ここに座ってやってくれる?しんどくない?」と笑顔で支度をしてくれる。

 

私は、 とても優しい奥さんの手をとり、ハンドリフレをおこなう。
ハンドリフレにはあまり使わないけれども、奥さんがラベンダーの香りが
好きだとおっしゃられるので、香りのついたパウダーを使うと
とても嬉しそうに笑顔で手をだして
「お願いしますね」とうっとりしていました。

 

 


ゆっくりゆっくり  ハンドリフレを行っていくと、途中で黒文字さんが
起きて 「氷、水がほしい」  水をほしいと言われると
奥さんは  うっとりした顔から、先ほどまでのニコニコ顔にもどり
「はいはい、お父さん 氷がいるの  はいはい」
奥さんは優しい手つきで氷を食べさせてあげて
また、イスに座りながら 手を差し出し リフレを再開させると


「お父さんがこうなってるやろ、でも私  自分の両親も入院してるから
その二人も看病してるねん・・・
なんでこんなに不幸なんやろう・・・」

 

 

 

 


私「そうですか、辛いですねぇ・・・  

  私も 父と母を同時に看病していたので少し奥さんの

  辛さがわかる気がします」


奥「そう、私以外にもいるんやね   辛いよねぇ しんどいわ・・・」

 

私「はい しんどいですね。もし今日みたいに話をして楽になるようでしたらまた 来たときにでも 話をしてくださいね
 私たちでよかったら・・・・・・ 

 マッサージも言ってくださいね喜んでさせてもらいますから、    
 看護師さんも心配されてましたよ」

 

奥「そう、看護師さんも気にかけてくれてるの!嬉しいわぁ
 じゃぁ、またお願いしていい?」

 

私「もちろんです♪」

 

若干強めのハンドリフレを 奥さんはずっと
 気持ちいいわぁぁ    

 と言いながら ほっとされているようでした。

 

 

 

 

またいつでもリフレをさせてくださいね。

 

 

 

 

 

 

追記・・・

なぜ、患者さんだけでなく

「看病をしているひとを サポート」するんですか?
と質問をされることがあります。

 

なぜかというと、

「ホスピス」ボランティアへ行くと、

黒文字さんのおくさんのように看病で疲れはて
はたから見てもわかるくらい へとへとになっている人が
たくさんいたのです。

 

 

患者さんには、医師や看護師。ボランティア、行政などのサポートはたくさんあるのに、 看病しているひとには何のサポートもないんです!
患者さんの辛さ・痛み・苦しみを一番そばで見ていて
代わってあげられるものなら 代わってあげたい。
患者さんを少しでも楽にしてあげたいのに何もできない無力さ
そんな思いをだれにもぶつけられず、一人で耐えているひとが多いのです。

 

そして、心も体もぼろぼろになって

最悪の場合、 最愛の家族である患者さんの 死を願ってしまうこともあります。

「いつまでこの看病が続くのだろう・・・」と

私は がん患者だった家族の死を願ってしまいました。

そのことを、今でも悔いています。

そして、このことは、私だけではないのです。

だれにでもありうることなのです。

 

 

だから、看病しているひとに 心も体もぼろぼろにならないように

サポートをしてあげたいと思いました。

サポートがあることで 「自分はひとりじゃない、だれかがそばにいてくれる」と思っていただけると信じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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