戦没学生の音楽作品よ、甦れ!楽譜に命を吹き込み今、奏でたい。

戦没学生の音楽作品よ、甦れ!楽譜に命を吹き込み今、奏でたい。

支援総額

4,890,000

目標金額 3,000,000円

支援者
263人
募集終了日
2017年6月30日

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2020年12月25日 11:00

戦争をテーマにした二つのコンサート

「戦後75年・里帰りコンサートin旧奏楽堂」の延期

 

 今年も余すところ1週間となりました。大変ご無沙汰しております。東京藝術大学「戦没学生のメッセージ」プロジェクトのリーダーを務めております大石泰です。前回4月27日以来の久しぶりの新着情報となりますが、しばらくお付き合いいただければ幸いです。

 

 今年は新型コロナウイルス感染症に明け暮れた年でした。コロナは治まるどころか、冬の訪れとともに、現在第3波流行の真っ只中です。4月7日に東京他7都府県に発出された「緊急事態宣言」は、その後全国に拡大され、結局東京の「ステイ・ホーム」はおよそ一か月半に及びました。解除後、政府は「感染防止と経済の両立」の方向に舵を切り、イベントの開催制限も徐々に緩和されてきました。

 

 そうした流れの中、東京藝大でも10月以降、感染防止対策を施した上、ポツポツと演奏会が開かれるようになりました。戦争をテーマにした演奏会も二つ開催されましたので、「戦没学生のメッセージ」プロジェクトの現状についてのご報告を兼ねてお伝えします。

 

◆声聴館アーカイブコンサート

 2020年11月29日(日) 14:00開演 東京藝術大学音楽学部内第6ホール

 

 東京藝大「戦没学生のメッセージ」プロジェクトでは、今年の8月7日に「戦後75年・里帰りコンサートin旧奏楽堂」を開催すべく、目標金額を200万円に設定して3度目のクラウドファンディングを行いました。そのクラウドファンディングは、いつに変わらぬ皆さまのご支援のおかげで、無事成立いたしましたが、肝心の演奏会は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、一年延期のやむなきに至りました。

 

 「里帰りコンサート」は、来年8月7日(土)に当初の予定通りのプログラムで開催することが決まりましたが、そのプレコンサートの意味合いも込めて、この11月29日(日)に東京藝術大学音楽学部第6ホールにて「声聴館アーカイブコンサート」を開催しました。これは「里帰りコンサート」で取り上げる東京音楽学校の戦没学生(葛原守、草川宏、鬼頭恭一、村野弘二)と彼らの学友たち(中田喜直、畑中良輔、大中恩、團伊玖磨)の作品を1曲ずつ取り上げるミニコンサートで、第3回のクラウドファンディングの支援者の皆さんを対象としたクローズドのコンサートとして実施しました(詳細は下記の報告をご覧ください)。

 

 

◆コンサート・シンポジウム「戦争の時代の芸術~戦争の記憶を語り継ぐ」

 2020年12月6日(日) 14:00開演 東京藝術大学音楽学部内第6ホール

 

 

 昭和16年12月、日本軍のハワイ真珠湾攻撃で幕を開けた「太平洋戦争(大東亜戦争)」は、昭和20年8月、日本がポツダム宣言を受諾し、日本の敗戦で終結しました。その間、広島・長崎には原爆が投下され、本土は空襲で焼け野原となり、軍属だけでなく多くの民間人が命を落としました。

 

 戦後、日本は驚異的な復興を遂げ世界有数の経済大国となりましたが、「戦争の惨禍を2度と繰り返してはならない」という平和への願いから、さまざまな形で戦争の記憶が継承されてきました。終戦直後は口を閉ざしがちだった生還した兵士たちも、戦後30年を過ぎたころからようやく自身の体験を語り始めます。そうした戦争体験者の記憶は証言として記録され、それらはやがて歴史となります。しかし皮肉なことに、「記憶」は「歴史」となった時点から「風化」が始まります。

 

 戦後75年が経過し、今や日本の全人口の84%が「戦後」生まれです(2019年10月時点)。実体験としての戦争を語れる人はどんどん少なくなり、そう遠くない将来、確実にいなくなります。記憶は個人の属性であり、その個人がいなくなれば失われます。その時「戦争の記憶」はどのように受け継がれていくのでしょうか。

 

 そうした問題意識と従来から展開してきた「戦没学生のメッセージ」プロジェクトを合体させたのが、今回のコンサート・シンポジウム「戦争の時代の芸術~戦争の記憶を語り継ぐ」です。この企画は大学史史料室の橋本久美子先生が、「芸術は人を愛する」というコンセプトに基づくさまざまな事業を支援する藝大「I LOVE YOU」プロジェクトに応募して採択されました。当初は7月12日(日)に開催される予定でしたが、こちらもコロナの影響で延期され、12月になってようやく開催に漕ぎつけました。

 

 内容は先の戦争で命を落とした5人の音楽家に焦点を当て、彼らが過酷な戦時下にあって、いかに音楽を愛し、また愛されたかという視点から、3人の報告者が、その作品の演奏を交えながら報告するという、コンサートとシンポジウムが一体となったものでした。また、併せて6ホール前のロビーを利用して資料展示も行いました。出演はいずれも藝大の卒業生で、歌が金持亜実さん、林眞美さん、河野アンジェラさん(以上Sop)、本多都さん(Mez)、中嶋克彦さん(Ten)、関口直仁さん(Bar)の7名、そしてピアノ伴奏が演奏藝術センター特任准教授の松岡あさひさんでした。

 

 今回の大きな特徴は、取り上げる対象範囲を広げたことです。たとえば、東京音楽学校師範科を卒業して沖縄師範学校女子部の音楽教師となり、ひめゆり学徒の女子学生と共に殉職した東風平惠位先生、あるいは特攻で戦死した慶應義塾の学生・河野宗明さんなど、東京音楽学校の戦没学生だけでなく卒業生や他大学の学生も紹介しました。

 

特攻で戦死した河野宗明さん

 

 そして最後に、東京大空襲で両親を失い戦争孤児となった海老名香葉子さん、「戦没学生のメッセージ」プロジェクトに初期からご協力をいただいている本学美術学部芸術学科の佐藤道信先生、そして『駅の子の闘い~語り始めた戦争孤児~』など、優れたドキュメンタリー番組を手がけたNHK社会番組部ディレクター・中村光博さんの3名のゲストに、報告者も加えてクロストークを行いました。14:00スタートで終演は18:00近くになる長丁場でしたが、全体は次のような4部に分かれていました。

 

【第1部】音楽に込めた想い~最近の大学史史料室の調査研究より 

      報告者:橋本久美子(東京藝術大学音楽学部大学史史料室)

 トーク➀ 戸田盛忠~新たに判明した東京音楽学校の戦没学生

      M-1 戸田盛忠《ふるさとの》(三木露風詩)

 トーク② 鈴木正三~中国戦線から愛妻に送った音楽の便り

      M-2 鈴木正三《春夏秋冬》(杉田好夫詩/川崎優編曲)

 トーク③ 岡田二郎~原爆の犠牲となった東京音楽学校管絃楽部員

      M-3 岡田二郎《春》(P.バルシュ詩/上田敏訳詩)

      M-4 岡田二郎《泉石》(北原白秋詩)

 

岡田二郎《泉石》(Sop:金持亜実/Bar:関口直仁/Pf:松岡あさひ)

 

【第2部】戦争が奪った音楽~学徒出陣で戦死した慶應義塾生

      報告者:都倉武之(慶應義塾福澤研究センター准教授)

 トーク④ 河野宗明~特攻で戦死した慶應義塾のアマチュア作曲家

      M-5 河野宗明《秋草》(佐藤春夫詩)

      M-6 河野宗明《花守の歌》(石川啄木詩)

      M-7 河野宗明《雉よ》(横瀬夜雨詩)

 

【第3部】生きる支えとなった音楽~沖縄戦で殉職した音楽教師

      報告者:冨士川正美(演出家)

 朗読劇『消えた歌声 ひめゆりの別れ』~歌と朗読による(冨士川正美台本)

      M-8 東風平惠位《別れの曲》(太田博作詩/松岡あさひ編曲)

 

朗読劇『消えた歌声 ひめゆりの別れ』(背景の写真が東風平先生)

 

【第4部】クロストーク「戦争の記憶を語り継ぐ~これからの課題」

      ゲスト:海老名香葉子(エッセイスト)

          佐藤道信(東京藝術大学美術学部芸術学科教授)

          中村光博(NHK社会番組部ディレクター)

      報告者:都倉武之、冨士川正美

      進 行:橋本久美子

 

第4部 クロストーク「戦争の記憶を語り継ぐ」

 

 この日の模様は、いずれ藝大ミュージックアーカイブのサイトで公開される予定ですので、その時には是非ご覧いただきたくお願い申し上げます。

 

「戦没学生のメッセージ」プロジェクト 大石 泰

 

 

リターン

3,000


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【戦没学生の音楽史料を未来へ:アーカイブ化を応援】

♦演奏藝術センターから感謝の気持ちを込めて御礼状
♦オリジナルクリアファイル
♦「東京藝大アーカイブ友の会」会員証(会員番号付き)
アーカイブ活動の精神的なバックアップを担っていただきます。
会員様には今後のアーカイブ活動の報告を適宜配信いたします。

支援者
68人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年9月

10,000


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【戦没学生の音楽作品に命を吹き込み、彼らのメッセージをお届けします】

3,000円のリターン(①御礼状、②オリジナルクリアファイル、③「東京藝大アーカイブ友の会」会員証)+
♦コンサートの音源データ または、コンサートにご招待いたします。
*2017年7月30日(日)開催。詳細は、プロジェクトページをご覧ください。

支援者
150人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年9月

30,000


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【アーカイブ研究の舞台裏をお楽しみください】

10,000円のリターン(①御礼状、②オリジナルクリアファイル、③「東京藝大アーカイブ友の会」会員証、④コンサートの音源データ または、コンサートへご招待)+

♦大学史史料室の解説付き見学会(1回の人数制限あり)*日時は別途調整いたします。
ご参加いただけない方には、イベントの裏話(たとえば、楽譜はあっても演奏会で取り上げない曲についてなど)をデータでお送りします。

支援者
27人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年9月

50,000


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【演奏藝術センターのコンサートをお楽しみください】

30,000円のリターン(①御礼状、②オリジナルクリアファイル、③「東京藝大アーカイブ友の会」会員証、④コンサートの音源データ または、コンサートへご招待、⑤大学史史料室の解説付き見学会 または、イベントの裏話(たとえば、楽譜はあっても演奏会で取り上げない曲についてなど)をデータでお送りします。)+

♦当日のコンサートプログラムにお名前を掲載(ご参加いただけない方には郵送いたします。)、さらに演奏藝術センター主催のお好きなコンサートに3回までご招待いたします。

支援者
17人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年9月

100,000


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【大学史史料室が提供するスペシャルなコンサート】

50,000円のリターン(①御礼状、②オリジナルクリアファイル、③「東京藝大アーカイブ友の会」会員証、④コンサートの音源データ または、コンサートへご招待、⑤大学史史料室の解説付き見学会 または、イベントの裏話(たとえば、楽譜はあっても演奏会で取り上げない曲についてなど)をデータでお送りします。、⑥当日のコンサートプログラムにお名前を掲載)、さらに演奏藝術センター主催のお好きなコンサートに3回までご招待+

♦大学史史料室の貴重資料を活用した特別なコンサートにご招待。

支援者
10人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2017年9月

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