リターン「戦没学生のメッセージ~アーカイブ推進コンサート」

去る11月23日(木・祝)、東京藝術大学音楽学部第2ホールにおいて、「戦没学生のメッセージ~アーカイブ推進コンサート」が、鬼頭恭一さん、草川宏さん、村野弘二さん、葛原守さん4名の戦没学生のご遺族をお招きして開催されました。これは今回のクラウドファンディングで、10万円以上ご支援いただいた方を対象とするリターンとして行われたものです。

11月23日(木・祝)東京藝術大学音楽学部第2ホール

コンサートの第1部は7月30日(日)のコンサートで取り上げられなかった曲を中心に、下記のようなプロフラムが組まれました。

橋本國彦 歌曲《をみなら起ちぬ》(深尾須磨子詩)

鬼頭恭一 《女子学徒挺身隊の歌》

     《無題(アレグレット イ短調)》

草川 宏 歌曲《秋に隠れて》(島崎藤村詩)

     《軍隊生活》より〈夏の朝、日の出前后〉〈点呼ラッパ〉

村野弘二 独唱曲《小兎のうた》(島崎藤村詩)

     詩曲《秋はむなしうして》

葛原 守 《自由作曲(オーボエ独奏曲)》

     《オーボエ独奏曲(無題)》

橋本國彦はもちろん戦没学生ではありませんが、葛原他4人が学んでいた当時の音楽学校の教員の代表ということで取り上げました。《をみなら起ちぬ》は未発表と推測され、現代の言葉にすれば「乙女よ、立ち上がれ」というような意味で、時局を反映する歌として紹介しました。それに続き、鬼頭さんの《女子学徒挺身隊の歌》他戦没学生の作品が、東京藝術大学の学生および卒業生によって演奏されました。

メゾソプラノ:山下裕賀
バリトン:藪内俊弥/ピアノ:松岡あさひ

草川宏さんの《軍隊生活》は、彼が南方へ向かう以前に入営していた世田谷と広島で、忙しい軍隊生活の合間を縫って書きとめたスケッチで、非常に判読の難しい譜面でしたが、今回その中から2曲を再現しました。また村野弘二さんの曲は、彼が東京音楽学校に入学する以前の作品でしたが、随所に早熟ぶりを感じさせる曲でした。

トランペット:古土井友輝
ピアノ:田中翔平

そして第2部は「音楽学徒のフィリピン戦線を追う」と題して、自らも学徒兵として南方に従軍し、奇跡的に生還した河村俊郎氏をゲストにお迎えし、貴重な体験を語っていただきました。

河村俊郎氏

なお、この日演奏された曲は、すべてアーカイブ用音源として録音されました。今回はリターンのコンサートという性格上、広く多くの方にお聴きいただくことができませんでしたが、今後は大学史史料室のホームページで一般にも公開していく予定です。その際は是非お聴きになってみてください。

このように大学としてのアーカイブ構築は、まだ始まったばかりです。今後も機会あるごとに戦没学生の作品に限らず、貴重な作品をご紹介していきますので、引き続き見守っていただきたく、よろしくお願い申し上げます。

オーボエ:河村玲於/ピアノ;松岡あさひ

 

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