プロジェクト成果のご報告と心からの感謝を申し上げます。
2020年3月。新型コロナウイルス感染症が拡大の兆しを見せる中、培ってきたゲノム・DNA解析の能力を生かして何かできないか。そのような意識から、私たちゲノムクリニックは本プロジェクトをスタートいたしました。
3月4日に研究プロジェクトを立ち上げ、3月10日からReadyforにてクラウドファンディングの募集を開始。4月17日までの募集期間で、105人の皆様より、目標額の176%に当たる1,972,000円の支援をいただきました。
皆様から支援をいただいた本研究プロジェクトは、下記の通りに進捗いたしました。
・3月12日:新型コロナウイルスの部分RNAがラボに到着
・3月25日:RT-realtime PCR法によって最初の特異的な検出結果を獲得
・3月29日:検討したPCR検査系を用いて新型コロナウイルス部分RNAを高い感度で検出できることを確認
・4月中:試薬・機材の購入、実験、研究申請書作成、共同研究体制の構築
・5月8日:表面素材から一定の感度での新型コロナウイルスモデルRNAの検出に成功
・5月中:空間中のウイルス検出を目的とした、フィルター法・サイクロン法・電気集塵法によるエアサンプリングの検討を本格化
・6月4日:ドイツSARTORIU社製のエアサンプラーとフィルターが到着。エアサンプリングの手法検討が進捗
・6月12日:集塵機に関する抱負な知見を持つアマノ株式会社との共同研究を開始
・6月28日:エアロゾル中から新型コロナウイルスモデル粒子の検出に成功。
おかげさまで、研究成果は当初の想定以上に手応えのあるものとなりました。当初想定していたドアノブ等の素材表面からだけではなく、エアサンプリング手法と組み合わせることで、空気中からのウイルス検出手法にも成果を挙げることができました。
この研究成果は、皆様から支援いただいた資金なしにはなし得なかったものです。改めまして、私たちの研究プロジェクトへご支援いただきましたみなさまへ、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
本日、株式会社ゲノムクリニックから、ホワイトペーパーの発表および本研究プロジェクトの成果を用いたサービス化の発表を行わせていただきました。(ぜひコーポレートサイトをご覧ください)
未だワクチンや治療薬といった根本的対策が見えない状況の中、私たちがこれから生きていく社会は「withコロナ」つまり、新型コロナウイルスの存在を前提としてウイルスと共存する道を探らなければいけない社会になると言われています。そんなwithコロナ時代に、多くの人が集まるイベントの実施可否・飲食店などの営業再開等の「場の営業」に寄り添う判断指標として活用いただけるサービスを、これから立ち上げてまいります。
例え新型コロナウイルスそのものを消すことはできなくても「見える化」することで対応が可能となるはずです。新しい社会において、必要不可欠な仕組みづくりを目指してこれからも邁進してまいります。今後ともゲノムクリニックへ応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社ゲノムクリニック 代表取締役共同経営責任者 曽根原弘樹・麻生要一