行き当たりバッチリな旅と宿探し

「長旅をしてきた人は優しく迎えてやらなきゃなぁ」 映画「男はつらいよ」の寅さんの台詞です。 僕自身10代から20代前半はバックパックを背負ってヨーロッパやアジアを旅し、安宿やドミトリーを転々とするような旅をしてきました。

初めての町に着くと右に行くのも左に行くのも自由なので、自分の足に任せて町をぶらぶら歩き回り、直感を光らせてまず宿を探し、旅の拠点としていました。 そのたびにそこで出会う多種多様な旅人や宿の主人、予期せぬ地元の人たちとの交流がいつしか旅の醍醐味となっていったのでした。

ゲストハウスという言葉を聞くようになったのは最近のことですが、スマートフォンもない当時の僕の旅において｢宿探し」は自分の嗅覚と直感をフル回転し、そこでの出会いを行き当たりバッタリのものから行き当たりバッチリにするとても貴重な体験でした。癖になってしまい、今でもあまりちゃんと下調べもせずにジャケ買いの旅をしています（笑）。

自分が旅先や宿で経験してきた人の優しさやかけがえのない出会いの数々は翻っていまの自分には代え難い財産になっていて、今度はそれを返していきたい、いろいろな人が出入りし、そこでは他者への想像力と多様性が受け入れられ共有されるような、温かくしなやかな場を作りたいというのが僕のSMALL TOWN HOSTELをやりたいと思った一番の動機です。

映画「男はつらいよ」の寅さんはあちこちで様々な出会いを繰り返し、人情味あふれるドラマを見せてくれました。 函館でも旅の拠点であるSMALL TOWN HOSTELから色々なドラマが日々生まれることを期待して止みません。