カフル・ノボル病院　閉鎖のお知らせ

2020年2月26日

ご支援いただいた皆様へ、

 

本日は残念なお知らせをしなくてはなりません。日本での報道は少ないと存じますが、シリア北西部では昨年12月以降、攻撃が大変激しくなっており、100万人に近い人々が新たに避難民になったと報告されています。戦闘の前線が大きく動き、スタッフの安全を確保できない事態となったため、カフル・ノボル病院を閉鎖いたしました。

 

設立以降７回にわたる空爆攻撃を受けましたが、皆様に支援いただいた地下病院のおかげで治療を継続することができました。この間に月平均200回の大規模手術、1000件の緊急処置、3,500回の診察を行なってまいりました。病院の閉鎖は大変残念でありますが、地域住民の多くが脱出し、他の地域に逃れていることから、私どもの既存施設に職員の配置転換を行い、外傷治療を継続しています。

カフル・ノボル病院の職員は、ギリギリの状態となるまで危険と隣り合わせの中で仕事を継続してくれました。感謝の言葉しかありません。戦闘がまだ継続しているため、スタッフの安全とストレス軽減に配慮しながら、業務を続けております。また、既存施設では、想定の２倍以上の患者さんを受け入れるなど、厳しい状態ではありますが、可能な限り支援を継続しております。

 

皆様からのご支援のおかげで多くの命を救うことができました。ありがとうございました。

 

英語となりますが、昨年末にNew York Timesにシリア国内病院への攻撃に関する記事が掲載されました。参考までに末尾の動画をご覧いただければと思います。

 

https://www.nytimes.com/2019/12/29/world/middleeast/united-nations-syria-russia.html?auth=login-email&login=email&fbclid=IwAR1cXngTvHaGGsNYqqSUiZrR5wSoSFYG1ZWUdTgtMT2PYvaNg4O1gM-ZPZA

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The U.N. Tried to Save Hospitals in Syria. It Didn’t Work. Russian and Syrian forces have bombed sites on a flawed U.N. no-strike list with impunity. Relief groups are giving up hope. www.nytimes.com

 

田邑　恵子