こんばんは、JVCイラクボランティアチーム「よくなる・むすたくばる(良くなる未来)」の小川です。10月24日(土)にクラウドファンディング関連トークイベントとして、映画監督・映像ジャーナリストの綿井健陽さんにお越し頂き、「未公開映像でたどるイラク戦争の10年」をテーマに講演をして頂きました。ご来場くださった皆様、講演者の綿井さん、どうもありがとうございました。


綿井さんは2003年のイラク開戦前後と米軍のイラク侵攻後もずっとイラクを取材されてきて、「Little Birds イラク戦火の家族たち」(2005年公開)と「イラク チグリスに浮かぶ平和」(2014年公開)という2つのドキュメンタリー映画を作られました。今回は、これらの映画にはない未公開の映像とともに戦争前後のイラクや、そこに暮らす人々の様子を語っていただきました。その映像には平穏な街並みや、賑わう市場や、笑い語り合う人々の日常とともに、開戦10日前、国連が「大量破壊兵器」の査察に入るところや、バグダット市内での反米デモ、空爆によるガラスの散乱を防ぐために、窓にテープを貼る市民の物々しい様子が映されていました。

 


綿井さんは、現地で取材を続けられた実感として「戦争は【破片】である。それは多くの人が爆撃でガラスの破片が体に突き刺さることにより、負傷したり命を落としたりするからだ。そして、戦争によって人間の生身の体は破壊され、心をも破壊されていく。」と言います。その様な惨状にありながらも、空爆が始まると、大人達は子ども達を怖がらせないように、なるべく楽しい話をし、普通の生活をするように心がけ、子どもたちもそれにならうのだそうです。

 

綿井さんは映画「Little Birds」の中で、クラスター爆弾により左目にガラスの破片が入り、負傷した少女・ハディールちゃんにインタビューをします。彼女は「なぜこんなに酷いことをしたのか知ってほしい。私たちはアメリカに何も求めていない。彼らは私達の国がほしかったのです。私にとっての戦争はまだ終わっていません。」と語りました。それから10年後の2013年、綿井さんは彼女と再会します。そこには、両目を開け、凛と佇む美しい女性が映っていました。21歳になったハディールさんは「空爆は日常茶飯事です。あの時の出来事はまだ終わってはいませんよ。」と言います。彼女の眼の中の破片は、数回に渡り手術するも、摘出するには危険なほど深い所にあり、未だに取り除かれていません。

 


「この戦争を日本が支持したことを覚えていますか?」
映画「チグリスに浮かぶ平和」のチラシにはこの様な問いかけが書かれています。アメリカが開戦の理由とした「イラクが保持している大量破壊兵器」はありませんでした。「テロとの戦い」という大義名分の下に傷つけられ、殺されていったのは一般の市民です。そして日本は米英に追従し、この戦争に賛同しました。当時の政権の暴走にもイラク戦争にも無関心だった日本人の1人として、この言葉を決して忘れないでいようと思います。


8月末から始めたクラウドファンディングですが、皆様の暖かいご支援のおかげで、第1目標である60万円に到達することができました。60万円でイラクの子ども達が1か月間PTSDの治療を受けられます。それが100万円になれば、さらに1か月治療に専念できます。戦争や紛争という名の暴力により受けたトラウマは、2か月ではとても回復はできないでしょうし、生涯ずっと背負っていかなければならない程深いものかもしれません。けれど、子ども達が治療の中で少しでも心を回復し、また、専門医の助言により、子ども達自身でも傷ついた心を元に戻す術を見つけられるきっかけになればと願っています。

 

残り3日、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

 

 

新着情報一覧へ