●貯金箱づくりをした子どもたちの声

 

 「世界にたった一つしかない、自分だけのオリジナルの貯金箱が作れて

  とってもうれしかったです」

 「最初は本当に自分の力で金属が曲がるか不安だったけど、本当に曲がって

  ビックりしました」

 「簡単そうで、少しむずかしかったけど、とっても楽しかったです」

 「貯金箱の材料が工場で見た機械で作ったものだったので、細かい所まで

  よくできていると思いました」

 「3Dプリンターで作った物(貯金箱の底)をもらえて嬉しかったです」

 「一生、大事にします!」

 

     

 

 2月に石巻市内2つの小学校 5クラス 計160名の子ども達が

(株)宮富士工業の工場見学と貯金箱づくりを行う事が出来ました。

 皆様の温かいご支援のおかげです。

 

 実施に至るまでのストーリーをご紹介します。

 

 

 ●子どもたちがホンモノと出会うこと

        「モノづくりの楽しさを」

        「石巻で働く魅力的な大人との出会いを」

  

  何より、先生方の思いがあってこそできる活動です。

  昨年の4月と7月に2つの小学校さんよりご依頼いただいてから

  宮富士工業の後藤社長にご相談し、2月の実施に至るまで何回も

  企業と当団体、学校と当団体で打ち合わせを重ねてまいりました。

  実施前には、先生方に企業へ足を運んでもらい、社長や専務と

  2時間以上にわたる最終打ち合わせを行いました。

   

   

事前授業の打ち合わせ       
貯金箱を実際に手にしながら  

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 ●「課題意識」が大切な事前学習

 今回は、ただの体験、楽しかっただけで終わらせる訳ではありません。

 学校の授業として、 「宮城県志教育(キャリア教育)」の一環として

 行うものです。総合的な学習の時間は、「探求」活動。

 子ども達にとって、「何のために」「何を知りたくて」行うか 

 学習課題を明確にすることが大切です。

 

 先生方や子ども達も事前に企業を調べたり、働く人の思いなどを考えたり。

 打ち合わせ時には、子ども達から出た「疑問」を模造紙にまとめて

 持ってきてくださいました。

 

 工場見学や貯金箱づくりの1週間前には、学校で社長の講話も実施。

 

 「宮富士工業の名前の由来は?」

 「今のお仕事の前は、どんな仕事をしていたのですか?」

 「なぜ会社を起こそうと思ったのですか?」

 「社長として大切なことは?」などなど

 

  金属加工や鉄についての質問も沢山ありましたが、本物を見せながら

  説明した方が良いものは工場見学時に残し、主に上記のような

  会社のこと、社長の思いなどをインタビュー形式で答えていただきまし

  た。

 

  

子ども達にも質問しながら   
社長の思いを伝えています    

  

 

 

 

 

 

 

 

小さな傷も許されない県内一位の溶接技術 
溶接した鉄板を回覧しています   

                                                         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ●いよいよ当日

  工場見学と貯金箱づくりを同時に体験

 

 大型バスを貸し切って(これが、学校は難しいのです…)約90の 

 (株)宮富士工業の工場見学へ。

 当日は、お仕事をお休みにし、社員の皆様が総出で子ども達を出迎え、

 対応してくださいました。

 そこには社長の「できることで、受けたご恩を返す」という思いが込められ

 ていました。

 

 まず、どんな会社か、どんな製品を作っているのか、宮城県一の技術を

 持った社員を育てるために、どんな取り組みをされているのか、などなど

 お話いただきました。そして、PCの画面で実際に設計する操作を体験した

 り、3Dプリンターを間近で見たり。

 工場では、「金属を切る、曲げる、くっつける」機械と技術を目の前で

 見せてもらい、子ども達も大興奮。

 

 「どんな機会がすごかった?」と聞くと

 ある子は「全部、すげぇ!」と驚いてました。

  

5000度になる溶接を見学     
鉄板を曲げています     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社員の皆様が対応くださいました!  
実際にPCで設計しています   

 

   

 学校の図工室では、他のクラスが貯金箱付きペン立てづくりです。

 今回、2社から計6名の社員の皆様が一人ずつ、各グループに入って

 サポートしてくださいました。

 工具は自分の手。小学校高学年の児童の力だけで、折り曲げられる

 ステンレス製の貯金箱は、(株)宮富士工業が2年がかりで創意工夫して

 できた逸品です。子ども達がケガをしないように、レーザーカッターで

 切った後、洗浄をしっかりと行ってから「バリ」取りを手作業で行なって

 パーツを完成させています。さらに、貯金箱の底は、一つの制作時間が3D

 プリンターで約90分。普段の業務を行いながら、2ヶ月かけて子供達の

 ためにセットをご準備くださいました。

  

    そんな思いを知ってから、貯金箱づくりに取り掛かると、子ども達の

 「やる気」も違います。貯金箱のパーツを折って、組み立てるにはちょっと

  したコツがいります。早い子は20分くらいで出来上がりましたが、

  なかなかできなかった子は1時間もかかって泣きながら、時々サポート

  してもらいつつ、最後は自分で完成させて笑顔を見せてくれました。

 

  組み立てた後は、デコレーションです。シールを貼ったり、絵を描いたり。

 こうして、世界に一つだけの 「MY貯金箱付きペン立て」が完成しました。

  

 組み立てるのに「コツ」がいります  
グループに社員1名がサポート!   

 

 

 

 

  

 

 

   

 

 小学生へメッセージ   
思い思いにデコレーション    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

  

        

 

 

 

 

 

 

 

授業の最後には、講師を務めてくれた講師6名から小学生へメッセージを

 いただきました。

 「震災後、宮富士工業に入社しました。レーザーカッターを扱う仕事を

  しています。どんな仕事も一人ではできません。仕事はチームで行なう

  もの。一人一人が、役割を持って良いものを作ることが大切です。」

 

 「仕事は営業です。皆さんもお店に行ってものを買うと思いますが、営業は

  お客さんのところに行ってオススメを紹介する仕事。今日作った貯金箱

  は、お金を貯めるもの。これから、皆さんが勉強したり、運動したり、遊

  んだりして得られるものも大きい。そういう経験をたくさんして、目に見

  えないけど経験をどんどん、自分の体の中に貯めて行って欲しい。

  何よりもチャレンジしていくことを大切に。」

 

 

 ●アンケートより

  授業後、全員に実施したアンケート結果です。

 

       

   【理由】

   ・社長さんの夢など生いたちを聞けたから。

   ・知らなかったことをたくさん知ることができたから。

   ・特別な経験をさせてもらい、とってもためになる事や役立つ事が

    たくさんあったから。

   ・工場見学で溶接などの機械を見れたから。

   ・学校での貯金箱作りでは難しかった事もあったけど楽しかった。

   ・3D プリンターを見たりするのが楽しかった。

   ・世界に一つだけの貯金箱が作れたのでとても楽しかったです。 

 

     

  

 

    

 

    

      

       

 

      

    

 

 【理由】

  ・溶接などのことが役に立つと思う。

  ・仕事の楽しさを知れたから。

  ・きっと人生で悩んだ時に今回の学習のことが助けてくれると思うから。

  ・人に優しくできそうだから。

  ・あきらめずにやればできるんだなぁ~と話を聞いて思いました。

  ・社長さんの生いたちを聞いて夢を持つと良い事があると分かったから。

  ・夢を夢で終わらせずに、自分たちの力で夢を実現させられるように

   できると役立つと思う。

 

 

  ●子ども達からのお礼

  それぞれの学校から宮富士工業様へ、感想文をいただきました。

  子ども達からお礼として自発的に「手裏剣リースを作りたい」と言って

  くれた学校もありました。担任の先生から直筆のお礼状付きで。

  3月半ば、一式を会社へお届けいたしました。

 

感想文と写真アルバムを作成してお渡し 
もう1校からは手裏剣リースとお手紙も 

 

 

 

   

 

  

 

 

 

 

 ●先生から感謝の言葉

  どちらの学校の先生方からも感謝の言葉が寄せられました。

 

 「3クラスだと校外学習に行くことも大変で・・・今回、学年で全員に貴重

  な体験をさせていただき、本当にありがとうございました」

 

 「子どもたちは,宮富士工業の後藤社長の講話を聞いて,社長の生き方を

 知り,工場見学と貯金箱作りを行う中で,夢を追ってもの作りを進め,

 技術を高めている職人のすばらしさを実感することができました。

 志を持つことの大切さを意識することができたようです。」

 

 

 ●ご支援くださった皆様へ

  震災があって、モノづくり人材の育成、若者の地元定着の課題が顕在化し

  ました。

  一方で、将来自立するために重要である自己肯定感の低さも目立ちます。

  両方の課題を少しでも改善すべく、そして子ども達一人一人が幸せな自分

  らしい人生を歩いてほしいという思いで、本プロジェクトを実施して

  おります。

  小さなことかも知れませんが、まずは子ども達、そして私たち大人が

  「知る」ことで、大きな課題のきっかけになればと思っています。

  実質4時間の体験ではありますが、子ども達にとってこれからの人生を

  支える出会いや体験になればと切に願っています。

  学校教育だからこそ、家庭の経済的理由や保護者の意識等に左右されずに

  全ての子ども達に同じホンモノの体験を行うことができました。

  ご報告が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。

  この度は、ご支援いただき心から感謝いたします。