若手ダンスカンパニーLABのトリプルビル公演を成功させたい！

　こんにちは、LABです。クラウドファンディングを始めて4日が経ち、さっそくご支援や応援のメッセージをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

 

　今回は、毎週水曜日に行っているLABのクラスの後に5名のメンバーに集まってもらい、雑談会をしてもらいました！お題は「9月に行われた研究発表会について」です。研究発表会とは、芸術監督である鈴木竜が、メンバーをソロ・デュオ・トリオのいずれかに振り分け、それぞれが作品を創り、発表をします。1月の本公演とはまた違う、ダンサーの個性をじっくり観ていただける機会です。雑談形式になりますが、一人ひとりの意見を通して、皆さんに少しでもLABの事を知っていただけたら幸いです。

 

 

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「思ってることとか感じていることを作品にしてお客様に観ていただけることは、チャンスだと思う」

 

------まず、はじめに研究発表会を終えた感想をそれぞれ聞かせてください。

 

植田崇幸：僕は昨年の第1回と、今年の第2回に参加しています。第1回は（河内）優太郎と組んでて、漠然と二人でどんなものができるんだろう？って、相方のアイディアに乗っかる感じでやっていたんだけど、第2回は観てくださる方に「よし！明日からやってやるぜ！」って心を揺さぶられるようなものを作りたいっていう”核”があって、そんな作品を作りたいってことを、今回のデュオの相方に一番最初に伝えたんだよね。相方は賛同してくれたし、僕のやりたいことを受け入れてくれた。お客様にどういうものを提示したいかが明確になって、取り組み方が能動的になったかな。

 

------どうしても第1回はみんな何もかもが初めてだったから、分からない事が多かったよね。

 

高橋優香：私は、第1回はデュオで参加しましたが、今年は大学の用事と重なり参加できませんでした。第1回はやはり、デュオの相方が普段どんな風に踊ってるのか分からないし、他の人たちもどんな作品を作っているのか分からなくて。相方のアイディアに乗っかる感じで作ったけれど、”いまいち作品作りに関わりきれなかったな”という心残りがありました。もっと自分を出していかないと、こういうみんなが頑張ってる中では生きていけないと思いました。

 

高橋優香（右）出演作品「I know」第1回研究発表会から

 

------そちらの二人（三田真央、今井琴美）は、今年の4月からLABに入って第2回からの参加だよね？どうでしたか？

 

三田真央：あれ、琴美さんは去年からいましたよね？

 

今井琴美：いないよ！

 

三田真央：え～そうなんだ！

　

一同笑い

 

今井琴美：そう思ってくれて嬉しいけどね。でも第1回のは観に行きました！その時は自分だったらこういう作品に出てみたいなって思いながら観てて、そして今年は出演する側になって。竜さんが決めるメンバーの組み合わせは、良い意味で「そこか！」っていう意外性がありました。仲が良いからとか、興味があるからとかの理由で作品を作ることは、LAB以外でも出来ることだから。今回、岡本優香とのデュオで、踊り方が異なるから、彼女の良さを引き出せないんじゃないかと思ったりもしたけど、最終的には半々くらいお互いの意見を出し合って、作品作りをすることが出来たのではないかと思います。

 

今井琴美・岡本優香作品「er・ror」

 

------お互いの意見が半々くらいって意外と珍しい気がする・・・

 

三田真央：けれど私のところのトリオもそうでしたよ！正富くららと山下結衣と三人でそれぞれ特にやりたいテーマもなくて。だから逆に何にもないまっさらなところから三人で始めるのが面白そうだなって思って、作るのも、稽古場で意見を出し合ってその場で作るっていう事が多かったです。時にはケンカっぽくなったこともあったけど（笑い）それでより仲が良くなったし、結果楽しかったです。

 

------（岩城）かのこは第1回は別の本番があって出られなかったよね？

 

岩城かのこ：そう。客観的な印象なんだけど、第1回の前日の照明あわせとか見てて、ギリギリで焦ってるなぁというのが作品からも伝わってきて。けれど今年は本番の一ヶ月前にそれぞれの作品の企画書と動画を竜さんに提出したから、コンセプトとかを明確にしなきゃって、作品からも意思が見えてきたなって思いました。今回は優太郎と福井結とのトリオだったんだけど、最初に話し合ったときに優太郎が作りたいものをはっきり提示してくれたから、それに乗っかってやっていました。普段一人でクリエーションをしてて、その幅を広げたいと思っていたから、今回のは自分の作品だとは言えないかもしれないけど、自分の立ち位置の中でやれることはやったかなと思います。

 

岩城かのこ・河内優太郎・福井結作品「シグナルキャパ」Photo by Mizuki Aihara

 

------それではクリエーションのことを詳しく聞きたいと思います。

ちなみに稽古はどれくらいしましたか？

 

植田崇幸：5月始めに組み合わせが決まって、それからすぐだから4ヶ月間。6月にはもう出来てた。

 

みんな：えー！すごい！

 

植田崇幸：二人とも早く作って踊りこもうっていうタイプで。大まかな枠組みは僕の意見だけど、その枠の中で遊びましょうって気持ちで、相方の子の意見はどんどん取り入れました。自分もだけど相方にも、稽古場に行くのが楽しいって思ってもらいたかったから。

 

植田崇幸・伊藤雅子作品「風の音が消えるまで」

 

------ここでインタビュアー福井が乱入。

 

福井結：私は第1回のときはデュオ作品で、自分の教え先のスタジオのあいてる時間に稽古をしたんだけど、一回に2時間しか使えなくて・・・

 

岩城かのこ：それはコンテの作品を作るには短いね。けれど今回、私たちは一回の稽古が長かったよね、週に１，２回で6～７時間くらいやってた！それでも借りるのは一回で400円くらいだったから負担は少なかったかな。

 

三田真央：私たちのトリオは稽古場代は全部でひとり当たり2,000円くらいかな。

 

今井琴美：最初は材料集めに1分くらいの振付を作ったり、お題を決めてそれにあった動きを考えたりしたんだけど、竜さんに企画書を提出した後にダメ出しを受けて、それでガラッと考え直して。結局本番前2週間は、ほぼ毎日稽古場を借りてたからトータル2万円位したかなぁ。

 

------稽古場は自分たちのお財布事情に関わってたから大変だよね。

 

------次は作品の作り方について伺いたくて。何か参考にしたものはありますか？

 

植田崇幸：「セッション」っていう映画があるんだけど、それを参考にしました。あと僕は毎朝、山道を12ｋｍジョギングしてて、走ってるとだんだん疲れてきて、ただ足を前に出していくしか出来なくなるくらいになるんだけど、ランナーズハイってあるじゃないですか。今まで聴こえてこなかった風の音とか、匂いとか、足の裏の感覚とかがすごく鮮明になってきて、そのさまを作品でさらけ出したくて。その感覚に近しい「セッション」にインスピレーションを受けました。

 

岩城かのこ：私たちのトリオの作品は、「聴覚障害」をテーマにしてて、それに関する文献を読んでリサーチをしました。元々、案を出した優太郎が、障害というのをダンス作品を通して目に触れてほしいっていうことで。私たちも知らなかったから、まずは知ることから始めました。

 

今井琴美：”目には見えないけど何かあるもの”　ジンクスとか霊感とか・・・をテーマとして考えていて、4時間くらい相方と話し合って”アレルギー”にしようとなりました。アレルギーって健康な状態の身体に何らかの害が入ってきてそれに反応するってことで、身体の中でアレルギー反応を起こしてるさまをコンタクト（＝重力を意識しつつパートナーと身体の接触を続けること）で表したりとか、”アレルギー”の単語をアルファベットにして手振りで表してみたりと、どんどんアイディアを膨らませました。

 

三田真央：私たちのトリオは、胴体と脚と腕でそれぞれ動きを考えて、お互いを参考にしました。音楽もくららさんが作曲してくれて、良い材料として担ってくれました。

 

三田真央・正富くらら・山下結衣作品「THREE　AREAS」

 

------（高橋）優香の作品、第2回で観たかったな～！今年の4月にあった優香が在学してる大学の公演で発表した優香作品、面白かったんだよね。

 

高橋優香：それでは今回の本公演でのお楽しみということで！

 

一同笑い

 

 

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まだまだ続きますが、今回は雑談会《前編》ということで締めくくりたいと思います。皆様、いかがだったでしょうか。私たちもお互いの制作の裏話が聞けて、とても興味深かったです。近々《後編》へと続きたいと思います。そしてどうか、私たちの挑戦の応援も宜しくお願いいたします！

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【インタビュアー・記　福井結】