プロジェクト終了報告(2023/06/28)
1.はじめに
今回で3回目となりました当協会の盲導犬や引退犬たちの医療費を確保するためのプロジェクトに、じつに多くの皆様がたからご支援をいただきましたこと、ここに感謝申し上げます。
毎回、ご支援とともにいただく皆様からのあたたかい応援メッセージに、私たちはとても励まされています。2022年度は、盲導犬の貸与予定者であった方の健康状態等により訓練を延期するなど、結果として8名の方がたへの盲導犬の貸与に留まりました。しかし、その反面、半数の4名が初めて盲導犬を持たれる方であったことは、これまでにない特筆すべきことでした。
遅くなりましたが前年度(2022年度）の収支決算が確定しましたので、皆様にご報告いたします。
2.ご支援金の使途について
皆様からいただきましたご支援金10,505,000円からプロジェクト手数料を差し引いた額と、2021年度のプロジェクト繰越金をあわせた額10,292,984円のうち、2022年度の犬たちの医療費として、下記のとおり使用いたしました。残りの額1,726,638円は、2023年度の医療費に充当し、その使途につきましては来年度の決算確定後にご報告いたします。
2022年度は、パピーと訓練犬、それぞれに高度な医療措置が必要であったこともあり、犬たちの年度医療費は、予算額8,000,000円を500,000円ほど超える8,566,346円となりました。
定期検査や交配前検査などで、身体面や健康面をチェックした母犬と父犬から生まれてくるパピーたちですが、生まれながらに障害をもっていたり、また発育途中で重篤な病気を発症する犬たちもいます。その犬たちへの最適な治療や手術、また予後のケアなど、担当獣医師をはじめ専門の獣医師、またケアにあたるボランティアご家族と相談しながら、その犬たちが治療後も健やかに過ごせるようスタッフ一同、取り組んでいます。
動物たちの医療も、人間の医療と同様に高度医療化が進んでおり、いろいろな検査や適切な治療をすれば、これまでは助けられなかった命も助けることができるようになってきました。しかし、それにともない犬たちにかかる医療費も年々、増加傾向にあります。
当協会の支出のなかでも大きな割合を占める犬たちの医療費を計画的かつ継続的に賄えるこのプロジェクトは、活動資金を確保するための重要な位置づけとなりつつあります。
私たちスタッフ一同、このプロジェクトによって、ご支援とご声援くださった皆様のひとりひとりの思いを大切に受け止め、 “犬の個性を尊重し、その一生に責任を持つ” との当協会の理念の実現のために、これからも尽力して参ります。
3.リターンについて
リターンの発送につきましては、全て完了しております。リターンのオリジナルグッズに対しても、そのお喜びの声をメールやお便りで私たちに届けてくださり、とてもうれしく思っています。オリジナルグッズをつうじて、盲導犬やユーザーのことを思い出していただき、もし外出先でユーザーと出会って、その方が困っておられるようでしたら、ぜひサポートをお願いいたします。
4.今後について
コロナ禍による社会経済活動の規制も徐々に解除されつつある現在ですが、イベントや街頭募金活動の自粛、募金箱設置店の営業自粛や閉店など、この3年ほどの影響は多大なものであったため、寄付環境を取り巻く状況がコロナ禍前に戻るには、もうしばらく時間がかかるものと感じています。 また定年退職等による当協会スタッフの減員も重なり、この2年ほどは年間の盲導犬育成頭数を減らさざるを得ない状況となっていますが、現在、新しいスタッフを迎え、年間10頭の盲導犬を安定的に育成できる体制を早急に整えているところです。
そのような厳しい現状ではありますが、盲導犬を希望する目のご不自由な方々や、盲導犬ユーザー、ボランティアご家族、そして当協会の犬たちが、幸せで有意義な時を過ごせるよう当協会スタッフ一同、これからも尽力して参りますので、引き続き、当協会へのご支援とご声援をどうぞよろしくお願いいたします。
