こんにちは。

 

6月1日には第5回目の講演「東北そして現代の文化に残る地域の伝統について-歴史的・職人的・儀式的な文化遺産-」が行なわれました。

 

講師は日本文学を専門とするヴィルジニア・シーカさん。ミラノ大学で日本の文化と文学を教えるほか、三島由紀夫研究の第一人者で『夜会服』『鹿鳴館』等をイタリア語に翻訳しています。以前、東北大学に赴任していたご縁もあり東北に対する愛情が深い方で、今回の展覧会の発起人でもあります。


連続講義の最終回となる今夜はほぼ満席、約50名の聴講者が集まりました。東京や京都は有名でも東北のことはあまり知られていないイタリアの現状を踏まえて、ヴィルジニアさんは東北の古代から中世にかけた歴史と、現代に伝わる職人の技の数々を紹介しました。

 


内容は奥州藤原氏が建立した中尊寺の話から始まり、東北が名馬や金の産地として名を馳せたこと、伊達政宗が派遣した遣欧使節団のことなどを説明しました。
その話の折々に、秀衡塗や會津塗など各地の漆器、仙臺箪笥、南部鉄器などの工芸品を紹介し、東北に優れた職人の技が継承されていることを印象づけました。また、盛岡チャグチャグ馬コまつりや仙台七夕まつりなど、歴史の中から生まれた祭事のことも話しました。

 

ちなみに鳴子では夏の終わりに「全国こけし祭り」が開催されますが、そこで行なわれる「こけし供養」に触れ、

 

「工人が心をこめて作ったこけしは単なる物体ではなく、人のように尊重されるべきものです。古くなったこけしは捨てられるのではなく、“供養”されるべき存在なのです。」

 

と、日本人のモノに対する態度や想いについて語りました。


最後に彼女は「ぜひ一度、東北を訪れてください」と1時間を超えるレクチャーを締めくくり、客席から喝采が沸きました。

 


5回にわたる連続講義は毎回異なる視点からこけしや東北の文化について語られ、そのつど深く感心させられました。講師の皆さんに感謝申し上げるとともに、熱心な聴衆の皆さんにも御礼申し上げたいと思います。

 

どうもありがとうございました!

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