こんにちは。

 

5月30日には第4回講演「現代こけし再考:アートと職人技とデザインの間で」が行なわれました。

 

 

講師はロッセッラ・メネガッツォさんです。

 

彼女はミラノ大学で東洋美術史を教え、また、数年前にミラノ王宮美術館で開催された浮世絵展のキュレーターを務めた若き俊英です。本展でも実行委員の一人として空間デザインと配置を担当しました。

 

まず最初に日本の内閣府や文化庁の提唱する文化施策について触れ、「日本が“日本らしさ”として海外に打ち出したいイメージの一つとして、例えば北斎の神奈川沖浪裏の絵が描かれたこけしがありますが、ここに展示されている伝統こけしとは全く異なるものです」と説明しました。

 


また、日常の中にある美を再発見し日本美術史の中で大きな潮流ともなった「民藝運動」において、不思議とこけしは取り上げられていないことを指摘しました。「東北はそれほどに遠い地だったようです」とロッセッラさんは言います。


その後、アイヌの郷土玩具であるニポポとこけしの造形的な類似点を示したり、櫻井尚道工人のこけしにあったかきつばたの図柄について光琳の屏風や乾山の陶器や小袖の意匠を引用するなど、こけしの持つ様々な要素を日本美術史の流れに関連付けました。

 

 

また、グラフィックデザイナーや現代美術家が手掛けたこけしにまつわる最近のプロジェクトを紹介し、さまざまなデザインがこけしに施されているということだけでなく、こけし自体がアート作品や別の商品(食器など)の素材となっていることを示しました。

 


そして最後に、「東京オリンピックまでの間、このような“日本らしさ”をアピールするアートプロジェクトが見られることでしょう」と、巨大なこけしが日本国内各地に出没している画像を紹介してくれました。

 


縄文時代から来年の東京オリンピックまで、広範な知識とこけしへの愛情に裏付けられた明解な講義に大きな拍手が沸きました。

 

 

ロッセッラさん、ありがとうございました!

 

 

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