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被災地の子どもの不登校について

マザーリンクの再登校支援について

マザーリンクの支援活動について

 

マザーリンクの再登校支援

 

実は20年近く前に不登校の子どもや親の相談に乗るという仕事に携わったことがあります。その頃に学んだ知識に加え、この1年半あらゆる書籍を読み、研修に通い、改めて多くを学びました。最低限の発達心理学の知識は持っていました。子どもの心のケアを行うにあたって、震災前から “子どものアトリエ”を開催し子どもたちの心のケアを行ってきた先生からは“アートセラピー”について学びました。傾聴の方法や、不登校の子ども達の支援をしてきた先生方からも学びました。しかし、残念ながら“再登校支援”について直接指導して下さる先生が見つからず、昨年6月より手探りでスタートした支援でした。今のところご相談があったご家庭のお子さん全員が再登校を果たしていて、このような成果に私自身が一番驚いています。引き続き、被災地域に限らず、1人でも多くの不登校や引きこもりの子どもたちを救いたいと思っています。

 

第一は再登校支援。フリースクールは最後の砦

 

私たちの不登校の子ども達への支援は再登校を第一の目的としています。フリースクールは、それでもどうしても学校に通えない、通う場所がない、という子ども達の最後の砦です。不登校の相談はそのほとんど、恐らくは100%がご家族からの相談です。不登校の子どもはほとんどが引きこもりとなり、家から外に出ることも出来なくなります。フリースクールがあっても、そこまで通えるようになるには時間が掛かります。お子さんに直接接触することが出来ない為、親御さんにアドバイスをします。しかし、心療内科やカウンセラーのほとんどが「お子さんがその気になるまで待ちましょう。」というアドバイスです。それで再登校に繋がるケースはほとんどありません。

 

最近では「学校に行くよう何らかの働きかけが必要です。」というアドバイスをするところも出てきたようです。そうアドバイスされたお母さんの言葉です。「そう言われてもどう声掛けすれば良いか分からない。」

 

私たちはどのように声掛けをしていけばよいのか、具体的なアドバイスを行います。

 

 

再登校への成功のカギはお母さんへの寄り添い、勇気づけ、心のケア。

 

実は不登校は親子の関係を築き直すことで解決することがほとんどです。ですから親子関係を築き直すための“言葉がけ”や“態度”が必要になります。親子の正しい距離を保つことが必要ですが、ご家族の状況によって、正しい距離は様々です。私たちはご家族に面談し、その親子にあった具体的なアドバイスを行います。それによりまずは引きこもり状態を改善します。どのお子さんも自分から「学校に行こうかな。」と口にするようになりました。実はこれは「親子関係の改善」でもあり、「育て直し」の行為でもあります。

 

被災地では震災の影響で経済的困窮に陥る家庭が多く、夫婦の関係に悪影響を与え、更にそれが親子関係にまで及び、子どもの不登校に繋がることも多いよいです。

 

 

その後、通常の学校に戻れる子は戻れば良いし、長期の不登校により同級生が卒業してしまったなど何らかの理由で元の学校も戻れない子どもや、すぐに通常の学校には戻れないという子どものリハビリの場として、フリースクールを位置付けたいと考えています。

 

小中学生は比較的最初から学校に戻れるケースが多いのですが、高校生になると長期に渡る不登校で学校を退学しているケースが多く、義務教育である小中学生のように戻る場所がないことで、前に進めないということになります。また、せっかく本人が「学校に行く」と言い出しても、学習が追い付かずに再び不登校に戻るケースや、その先の大学に進学した後に再び不登校になる、というケースも少なくありません。心のケアと共に、学習面でのサポートも重要となります。現時点では場所がないことから学習出来る体制にありませんが、私たちがフリースクールを始めるという報道がされようになってから、地元で教職経験のある方々から支援の申し出のご連絡が増えました。陸前高田近隣には大学がないことから、学生ボランティアの力をアテにすることは出来ませんが、お問合せいただいた方々の力を借りて、学習支援にも力を入れたいと考えています。

 

 

不登校や引きこもりの子どもに第三者が接触することは困難です。ですから、最初の一歩まではお母さんが頑張るしかありません。しかし、子どもが不登校のお母さんは、お母さん自身がその状況に疲れ切っています。私たちはお母さんが最後まで頑張れるよう、寄り添いながらその時々で適切なアドバイスを行っています。お母さんに寄り添って、勇気づけてお母さんの心のケアをしながらアドバイスする、これが成功のカギかもしれません。

 

実はお母さんたちへの支援はマザーリンクの専門です。3.11の震災直後からお母さんたちへの支援を行ってきました。だから、このような成果を得られたのだと思います。

 

岩手日報の記事が掲載されたことから、20年以上も専門で臨床心理士をしてこられた方やスクールカウンセラーの方々からも、「どのような方法で再登校に繋げているのか、具体的に教えて欲しい」と連絡を頂くようになりました。「『本人がその気になるまで待つように』とアドバイスを行う、と支援者としての教育を受けてきたけれど、それで学校に行けるようになる子はほとんどいない。ずっと疑問を持ちながらそのようなアドバイスを続けてきた。そろそろそういったやり方を見直さなければならないかもしれない。」