当財団の収蔵する資料の中には、錦絵があります。収蔵する錦絵の多くは鉄道や乗り物が描かれたもので、明治初期から中期にかけての作品が多いです。

明治期に入ると日本には欧米文化これまで以上に伝わり、鉄道もその中の一つでした。この鉄道という新しい交通機関は、絵師や庶民の好奇心を最もそそる題材の一つであり、現在まで状態の良いものは色鮮やかに当時の様子を伝えてくれます。

 

所蔵する錦絵の中にも、様々な構図がありそれぞれに特徴が見られます。

東京汐留鉄道館蒸気車待合之図

赤色が印象的な錦絵。江戸末期から明治期にかけて、「洋赤」と呼ばれる比較的安価な輸入染料が使われ、その「洋赤」が効果的に使われた錦絵が多く製作されました。空や衣服にも赤が象徴的に使用され、錦絵の世界にインパクトを与えています。

 

 

さらに、描かれている鉄道がユニークな形状のもあります。

高輪蒸気車通行全図

1782(明治5年)に鉄道が開業する前後には、まだ実際に鉄道を見る機会も少なかったため、伝え聞いたことをもとに描くことや、想像で描くこともあったそうです。

 

約150年前から受け継がれてきたこれらの錦絵は、当時の世相や文化もうかがえる貴重な資料ですので、これからも広く皆さんにご覧頂く機会を設ける共に後世につなげていきたいと思います。

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