毎日、資料整理やデジタル化作業を進めていると、ふと気になる資料が出てくるときがあります。今回ご紹介する資料もきっかけは「ふと気になって」。

 

個人のコレクターの方から寄贈いただいた大量の写真アルバム。中には鉄道やバス、駅やバス停など新旧様々な写真が満載です。現在、アルバムの写真11点をデジタル化し、整理していますが、その作業中にふと気になるタイトルのアルバムが。

 

「こうべの30年」

 

ほかのアルバムには○○電鉄や○○バス、○○線など分かりやすいタイトルがつけられています。このタイトルに「なんだろう?」と開けてみると、そこには1953年と1983年に撮影された神戸の街並みの写真が上下に並んでいました。次のページも同じ、その次も。最初は気づきませんでしたが、上下の写真をよく見比べてみると撮影場所、アングルが全く同じ。30年後にタイムスリップして定点撮影されたものでした。

 

1953(昭和28)年撮影の神戸市内

それらは、まったく街並みが変わってしまっている場所もあれば、「あっ、この建物」と30年前の面影を残す場所も。

1983(昭和58)年撮影の神戸市内

 

アルバムの後の写真が撮影された1983年から12年後。神戸の街は1995年に発生した「阪神淡路大震災」で大きく変わってしまいました。震災前の両方の街並みが残されたこちらのアルバムは、交通資料としてだけではなく貴重な「街の記録」として活用することができるのではないでしょうか。

 

そして1983年から30年を経た現在。撮影地の今はどうなっているのでしょうか?

アルバムにさらに30年後の今を追加する、そしてさらに30年後も。そんな記録と記憶のアルバムの引き継ぎは歴史を語る私たちの使命でもあると考えています。

 

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