多剤耐性菌の脅威に挑む ―「ファージ療法」研究の加速を―

多剤耐性菌の脅威に挑む ―「ファージ療法」研究の加速を―
目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった寄付金を受け取ることができます(All-or-Nothing方式)。寄付募集は7月31日(水)午後11:00までです。

寄付総額

1,908,000

目標金額 5,000,000円

38%
寄付者
40人
残り
43日

応援コメント
HA
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目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった寄付金を受け取ることができます(All-or-Nothing方式)。寄付募集は7月31日(水)午後11:00までです。

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プロジェクト本文

 

・尿の通り道に細菌が感染する尿路感染症は、主に腸管由来の大腸菌によって引き起こされます。子供から大人までかかり、女性の約半数は生涯に一度以上、尿路感染症を経験すると言われています(Foxman B. Am J Med 113, Suppl 1A:5S-13S, 2002)

 

・さらに近年、抗菌薬が効かない多剤耐性菌の蔓延が世界的な問題となっています。尿路感染症の重症例としての尿路性敗血症においても、難治性で致死率も高い、多剤耐性大腸菌によるものが目立ってきています。杏林大学ファージ研究チームでは、現在、尿路感染症の原因となる多剤耐性大腸菌を解析するとともに、人に感染することなく細菌のみに感染し、殺菌するウイルス(= バクテリオファージ)を用いる「ファージ療法」の開発を進めています。

 

・ファージは古くからジョージアやロシアで感染症の治療に用いられてきました。現在、米国やヨーロッパの国々で多剤耐性菌感染症に対するファージ療法の臨床研究が進められており、それにより命が救われた例も報告されています。しかし、日本ではまだ何も開始されておらず、今後、さらに多剤耐性化が進み、抗菌薬がほとんど効かなくなった多剤耐性菌に感染することになっても、このままではファージ療法を受けるチャンスはありません。

 

・そのような状況下でも、日本の医療でファージ療法という選択ができる日が来るように、今から準備をすることが必要です。実際の治療への足がかりとなり、多剤耐性菌への「手札」ともなるファージのライブラリー作成と治療用ファージカクテルを開発します。いち早く研究を進めるための研究費獲得へ、クラウドファンディングにおいて皆様からのご寄付を募っております。

 

「ファージ療法」とは

 

「ウイルス」を大きく分けると、動物に感染するウイルス、植物に感染するウイルス、細菌に感染するウイルスがあります。このうち細菌に感染するウイルスのことを、バクテリオファージ(ファージ)と呼びます。そのため、ファージは私たちの細胞には感染しません。

 

(下)大腸菌にファージを添加して観察した走査型電子顕微鏡像

 

「ファージ療法」とは、細菌感染症に対してバクテリオファージを用いることで、特定の細菌のみを破壊させる治療法です。ファージ療法の臨床応用は、欧米では1920〜40年ごろまで積極的に検討されていましたが、抗生物質ペニシリンの発見によって、その後は次第に衰えていきました。

 

ファージ療法の効果は薬剤耐性の有無に左右されないことから、近年、欧米では多剤耐性菌感染症への治療として、ファージ療法の研究が進められています。

 

ファージ療法についての解説は、活動報告(リンク先)も合わせてご覧ください。

 

 

救急医療の現場から、「ファージ療法」研究への挑戦を

 

本プロジェクトは杏林大学ファージ研究チームによって進められます。その代表者として私、松田剛明の自己紹介をさせていただきたいと思います。

 

杏林大学ファージ研究チーム(左から松田、花輪、田中、金子)

 

私は東京慈恵会医科大学を卒業し、附属病院で研修医として医師のキャリアを開始しました。その後、東京大学大学院にて外科代謝栄養や侵襲に対する免疫反応の研究を行いました。大学院修了後には、ハーバード大学 Brigham and Women's Hospital 、コーネル大学 New York Presbyterian Hospital において、博士研究員としてバクテリオファージ(ファージ)治療の開発に関する研究を行いました。

 

帰国後には主に救急医療分野の診療と教育に携わり、日々研鑽を積んでまいりましたが、医学において研究なくして進歩はなく、研究への熱意は変わらず持ち続けてまいりました。


2011年に本学において救急医学教室の教授を拝命しましたが、日常の診療を通じて、多剤耐性菌感染症に対するファージ療法の研究に再度挑戦しようと思い、2016年、当時 東京工業大学の教授であった丹治保典客員教授にご指導いただきながら、基礎医学研究者である花輪智子教授やチームのメンバーと共にファージの採取、単離、そしてファージ療法に適したファージの探索を開始しました。

 

これからの多剤耐性菌の脅威へ、「ファージ療法」に着目

 

多剤耐性菌による尿路感染症について

 

尿路感染症は、尿道、膀胱、前立腺、精巣、精巣上体、腎臓など、尿の通り道に細菌が感染することによって炎症が起こり、尿が出にくくなったり、排尿痛などの症状が出ます。誰にでも罹りうる感染症であり、女性であれば、約半数が生涯に一度以上罹患すると言われています(Foxman B. Am J Med 113, Suppl 1A:5S-13S, 2002)

 

また、進行すると高熱や腰痛がみられる腎盂腎炎(じんうじんえん)となり、入院治療が必要になります。日本で2010年4月から2015年3月までの3,100万件の退院記録から調べた大規模な研究から、尿路感染症で入院した人の数は年間約10万人と推定されています。高齢になるほど多くなり、男女差が少なくなるとともに、90歳以上では年間に100人に1人が入院となっています(Sako et al. BMC Infect Dis 21, 1048, 2021)

 

加えて、救急科を受診される患者さんの中には、尿路感染症が重症化して臓器障害などを引き起こす、尿路性敗血症に至るケースがみられます。上記の研究においては、尿路感染症のうち15%程度が尿路性敗血症であったとされています(Sako et al. BMC Infect Dis 21, 1048, 2021)

 

 

このように、細菌感染症から引き起こされる敗血症は大変危険な病態で、現在の日本でも致死率が約30%です(日本救急医学会Sepsis Registry特別委員会報告:Severe sepsisに対する診療の質と死亡率の検証.日救急医会誌 24 : 263―269, 2013)。医療の進歩とともに死亡率は低下していますが、高齢化により患者数や死亡数は増加傾向にあり、今後も敗血症の患者数は増加していくと推測されています(Imaeda et al. Crit Care 25, 338, 2021)

 

さらに近年、抗菌薬が効かない多剤耐性菌の蔓延が問題となっており、救急医学の分野でも外傷、熱傷、褥瘡などで起こる多剤耐性菌感染による敗血症は、しばしば難治化を引き起こしています。上記のような尿路感染症の重症例でも、多剤耐性大腸菌によるものが目立ってきています。

 

 

現在、多剤耐性菌感染症は増加の一途を辿り、世界の死亡者数(2019年)のうち、各疾患のなかで薬剤耐性菌が直接の死因となった人数は127万人ですが、関連死も含めると495万人となり、虚血性心疾患、脳卒中に次いで3番目に多い原因となっています(Institute for Health Metrics and Evaluation(IHME、保険指標評価研究所)のデータより

 

今後新たな治療薬が開発されなければ、2050年には耐性菌による死亡者数は年間1000万人に達すると試算されており、これはがんによる死亡数を上回ります(O’Neill, J. Resistance 1, 1–84 , 2016)。多剤耐性菌感染症への対策は、喫緊の課題となっています。

 

 

多剤耐性菌への脅威に対する、ファージ療法とは

 

これまでロシアや東欧諸国以外の国では対象外であったファージ療法が、現在、新たな治療戦略の一つとして注目されています。中でも米国における2016年の多剤耐性アシネトバクター感染症対するファージ療法の成功例を契機に、欧米を中心としてファージ療法の実現に向けた研究が活発化し、これまで治療成功例の報告が続いています。

 

一方、日本ではまだ臨床研究でも多剤耐性菌に対するファージ療法は行われていません。日本にはファージ療法に携わる研究者の数も臨床応用に向けた研究費も少ないことも影響していますが、ファージ療法は開発費用が高額ではなく、そのため高い治療薬とならないことも、開発を妨げている大きな理由となっています。

 

ファージを加えて10分経過した大腸菌の走査型電子顕微鏡図。1つの大腸菌に多数のファージが吸着しているのが観察できる。

 

現在問題となっている耐性菌の種類は複数ありますが、多剤耐性大腸菌による死亡者数は世界的にも多く、日本ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に次いで第2位の多さとなっています(Institute for Health Metrics and Evaluation(IHME、保険指標評価研究所)のデータより)

 

例えば大腸菌においても、病気をおこす病原大腸菌と、病気をおこさない非病原性大腸菌があります。さらに病原性大腸菌には腸管に病気をおこす腸管病原性大腸菌と、尿路感染症などを引き起こす腸管外病原性大腸菌があります。

 

大腸菌に感染するファージのなかにも、大腸菌の種類によって感染性に違いがあります。本事業では、「尿路感染症の原因となる大腸菌」を溶菌するファージのカクテルを開発します。

 

 

杏林大学ファージ研究チームにて実施する研究

 

 

抗菌薬と同様に、細菌はファージに対しても耐性化することが知られていますが、複数のファージを組み合わせたカクテルとして使用することで、ファージに対する耐性化を抑えることができています。より良いファージカクテルを開発するには、多くのファージを単離するとともに、それぞれのファージについて上記の治療に向いたファージの性質を保有しているのか、解析することが必要です。

 

ファージ療法の開発へ、重症感染症から分離した多剤耐性大腸菌を用いて、単離したファージの溶菌性やそれぞれの性状を調べ、実際の治療に利用できるファージのライブラリーを作成したいと考えています。

 

 

皆様よりいただくご寄付の使い道について

 

目標金額:500万円
[第1段階目標] 治療用ファージの選出とファージカクテルの設計 (¥5,000,000)
細菌用培地、試薬類(ファージ単離精製)-------------- ¥1,500,000
培養等に用いる容器、ピペット等消耗品類 --------------¥1,700,000
ゲノム解析(¥25,000/サンプル×60)-----------------------¥1,500,000
実験補助、データ入力のための人件費 ----------------------¥300,000

 

※ 目標金額には、クラウドファンディングの手数料などを含みます。なお、クラウドファンディングの期間内に目標金額以上のご寄付をいただくことができた場合には、第二目標、第三目標を設定し、以下の用途に使用させていただく予定としています。

 

第2段階の目標金額:7,500,000円

[第2段階目標]臨床分離株に対するファージカクテルの有効性の評価(¥2,500,000)
細菌用培地、試薬類(ファージの精製、調製)----------¥1,000,000
培養等に用いる容器、ピペット等消耗品類 ------------- ¥1,300,000
実験補助、データ入力のための人件費 --------------------- ¥200,000

 

第3段階の目標金額:10,000,000円

[第3段階目標]ヒトの常在細菌に対するファージカクテルの影響(¥2,500,000)
細菌用培地、試薬類(ファージ液の調製)------------- ¥1,000,000
培養等に用いる容器、ピペット等消耗品類 ------------ ¥1,300,000
実験補助、データ入力のための人件費 -------------------- ¥200,000

 

プロジェクト実施期間:2026年2月末日まで

※ 本研究の進行にあたっては、杏林大学倫理委員会の承認を既に受けております。

 

ファージ療法の未来へ、私たちの研究を支えてください

 

ファージは古くからジョージアやロシアで感染症の治療に用いられてきました。現在、米国やヨーロッパの国々で多剤耐性菌感染症に対するファージ療法の臨床研究が進められており、それにより命が救われた例も報告されています。しかし、日本ではまだ何も開始されておらず、今後、さらに多剤耐性化が進み、抗菌薬がほとんど効かなくなった多剤耐性菌に感染することになっても、このままではファージ療法を受けるチャンスはありません。

 

そのような状況下でも、日本の医療でファージ療法という選択ができる日が来るように、今から準備をすることが必要です。

 

私たち杏林大学ファージ研究チームでは、これまで単離してきている多剤耐性大腸菌を溶菌するファージの溶菌性や生物学的、物理学的、化学的な性状を調べることで、人の治療に適したファージを選出し、それらを組み合わせたファージカクテルの開発を目指しています。実際に多剤耐性大腸菌感染症の治療にファージを用いるまでにはまだまだハードルは多くあると思いますが、まずはその大きな第一歩を進めたいと考えております。

 

是非とも皆様からのご支援賜りたくお願い申し上げます。

 

 

① 当研究チームで単離・保存しているファージの耐性菌に対する有効性を調べる他、保存上の安定性に加えて、ファージのゲノムに病原因子等や薬剤耐性遺伝子が含まれていないことを明らかにします。これらの情報基に治療に適したファージを選出します。

 ↓

② ファージ療法では、耐性菌の出現頻度を低下させ、より効果的にファージを作用させるため、通常複数種のファージを組み合わせたカクテルとして用いますが、カクテルを設計するには組み合わせるファージ同士が相互に作用を阻害せず、高い効果を引き出せる組み合わせを見出すことが必要です。
 ↓

③ 多数の臨床分離株を用いて設計したしたカクテルをその効果を検討し、有効性を評価します。
 ↓

④ ヒトの体内には正常細菌叢が存在していることから、これらの細菌に対するファージカクテルの影響を調べ、投与時に生じる変化を予測します。
 ↓

⑤ ヒトに対するの臨床研究を実施するためには倫理委員会での承認が必要です。その申請に向けて、必要な研究を行います。

 

本研究への応援メッセージ

 

長谷川 浩

杏林大学病院 救急総合診療科 診療科長

 

人の歴史は感染症との戦いの歴史と言っても過言ではないかもしれません。1943年に世界初の抗菌薬ペニシリンが発見されて以来、これが耐性菌との戦いの歴史に転ずることになるとは、誰も予想しえない事態であったと考えます。


現在、日本ならず多くの国でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、基質拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌科細菌、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、といった通常の抗菌薬がほとんど効かない多剤耐性菌による感染症が広がり、大きな問題となっています。病院内のみならず、一般の地域でも広がるタイプの多剤耐性菌による感染症も増加しています。尿路感染や肺炎など通常の病気でも、この多剤耐性菌が感染すると、免疫が低下した方や高齢者にとっては、生命の危機に瀕することもあります。いま、治療方法の抜本的な転換期に来ていると考えられます。本研究で行われるファージ治療は、これら耐性菌の根本的な治療となる可能性が極めて高いと考えられます。皆さんのご協力で本研究を進めることは、必ず皆さんの将来への大きな希望となると信じています。

 


福原 浩

杏林大学医学部泌尿器科学 教授

 

寿命が近年延長したのは、感染症を克服してきたからと言っても過言ではないと考えております。しかし、現場の医療では、抗菌薬が効かない多剤耐性菌が問題になっております。つまり、たとえ強力な菌であっても、有効な抗生物質があれば治癒する一方、弱毒菌でも抗菌薬が効かなければ死に至ります。尿路感染症は、泌尿器科領域で非常によく見る病気ですが、尿路感染症から敗血症そして死に至る症例を日々多く経験しております。そのため、細菌に効率よく取り込まれるファージを利用した「多剤耐性菌感染症に対するファージ療法」には、大変期待しております。

 

なお、私自身が携わっている研究グループでも遺伝子組換え技術を頻繁に使用しており、ヘルペスウイルスの遺伝子を組み替えて作成した「がん治療用ウイルス」は、脳腫瘍の悪性神経膠腫に対して2021年に承認されました。私自身も、転移した前立腺がんを対象に、杏林大学で臨床試験を行っております。分野は異なりますが、多剤耐性菌で不幸な転帰をたどる患者の治療に少しでも貢献しようとする松田先生達に深く共感しています。皆様の温かいご支援・ご協力を心よりお願い申し上げます。

 

 

杏林ファージチームのメンバーより

 

花輪 智子

杏林大学医学部総合医療学教室

 

抗菌薬を開発しても必ず耐性菌は出現します。それでも薬を使い続けることは必要であるため、抗菌薬だけに頼らない新たな治療戦略が必須となっています。
ファージ療法の歴史は古いものの科学の進歩により現在はこれまで以上にファージを深く理解できる時代といえます。そして、ファージの中には抗菌薬の効果を低減させる原因となっている「バイオフィルム」を崩壊させるものがあることや、ファージと細菌の相互作用により耐性菌に対して再び抗菌薬の効果を引き出せる可能性など、新たな知見が報告されてきています。


海外では尿路感染症に対するファージ療法の臨床研究も進められていますが、まだ日本では行われていません。我が国で感染症に苦しむ方々にファージ療法という治療の選択肢を一日でも早く届けたいと考え、日々研究室で奮闘しています。現在進めている基礎研究をさらに発展させるために、ご支援賜りますようお願い申し上げます。

 


須田 智也

杏林大学医学部総合医療学教室 救急総合診療科

 

私は杏林大学病院 救急総合診療科として救急外来で働きながら、杏林大学ファージ研究チームの一員として、多剤耐性菌に対するファージ療法の研究に取り組んでいます。多剤耐性菌は複数の抗菌薬に対して耐性を示すため、これによる感染症が発生した場合、治療が非常に困難になります。救急外来には多くの患者様が訪れますが、多剤耐性菌による感染症が疑われる際には、使用できる抗菌薬が限られてしまうため、その脅威を日々強く感じています。

 

ファージ療法は、多剤耐性菌に対する有望な治療法として大いに期待されており、私たちのファージ研究が進むことで、多くの命を救う一助となると信じています。この重要な研究を進めるために、皆様の温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

 


田中 真由子

杏林大学医学部総合医療学教室

 

杏林ファージチームの一員として、ファージ療法の開発を目指して日々研究を行っています。私たちがこれまでに自然界から単離・精製したファージは200種類ほどありますが、全く同じものはなく、溶菌活性や安定性などそれぞれに異なる特徴を持っています。現在までに行ったゲノム解析や形態観察からも、その一部が徐々に明らかになってきました。


これらの中から治療に最適なファージライブラリーを作成することを目指しており、そのためには個々の性状解析のほか、数種類を組み合わせた場合の効果などまだまだ多くの解析が必要となってきます。今後さらに増加することが予想される多剤耐性菌感染症の治療に向けて、皆様のお力添えを頂けますと幸いです。

 


金子 拓矢

杏林大学医学部 4年生

 

杏林大学医学部生の金子拓矢です。2年ほど前から勉強の合間を縫って研究のお手伝いをさせていただいています。現在は、主にファージと細菌が作る膜状物質であるバイオフィルムに対する作用について調べています。まだまだ分からないことだらけですが、研究チームの熱いご指導のもとで研鑽錬磨の日々を送っています。

 

抗菌薬に代わる多剤耐性菌感染症の治療薬の開発は急務であり、多くの方のご協力が必要不可欠だと感じています。皆様のご理解、ご協力を是非ともよろしくお願いします。

 


丹治 保典

杏林大学医学部客員教授

 

私は2020年3月に東京工業大学を定年退職し、同年4月から杏林大学客員教授の職を務めております。ヒトの消化管には細菌が数十兆存在すると考えられています。ファージはヒト消化管に多数存在し、特定の細菌(宿主)だけが増えるのを防ぐ役割を果たしています。もし病原菌や多剤耐性菌を宿主とするファージを揃えることができれば、それらで病原菌や多剤耐性菌を制御することができます。

 

杏林大学では入院患者から採取した多剤耐性大腸菌に感染するファージを都市下水流入水から数多くスクリーニングしました。これらのファージは都市下水に含まれる流域住民の大便に由来し、排出源であるヒトの消化管で多剤耐性大腸菌の増殖を抑制していたと考えられます。抗生物質による治療では、細菌を非選択的に殺傷し、同時に薬剤耐性菌の発生を促します。一方、ファージ療法は投与したファージの宿主だけを狙い撃ちすることができます。現状では使用できるファージは限られます。様々な病原菌や多剤耐性菌に感染するファージを数多く揃えたファージライブラリーを構築することが当ファンディングの目標の一つです。

 

 

税制上の優遇措置について

 

個人の皆様

本学への寄付金は、文部科学省より寄付金控除の対象となる証明を受けています。控除には ①税額控除制度と②所得控除制度があり、どちらか一方の制度を確定申告の際に選択していただきます。

 

①税額控除制度︓所得税率に関係なく所得税額から直接控除されます。多くの方の場合、所得税控除と比べ減税効果が大きくなります。

 

②所得控除制度︓所得控除を行った後に所得税率をかけるため、所得税額に対して寄付金額が大きい場合は減税効果が大きくなります。

 

【所得と寄付金額 参考例】
例①︓課税所得500万円の方が10万円寄付した場合、税額控除の控除額は39,200円となり、所得控除より税額控除が19,600円有利。
例②︓課税所得2,000万円の方が500万円寄付した場合、所得控除の控除額は1,789,340円となり、税額控除より所得控除が488,340円有利。

 

  課税所得金額 寄付金額 ①税制控除の所得額>②所得控除の控除額 備考
例①  500万円  100,000円 39,200円 > 19,600円 税制控除の方が
19,600円有利
例② 2000万円 5,000,000円 1,301,000円 < 1,789,340円 所得控除の方が
488,340円有利

※夫婦共働き、高校生・大学生の子どもの諸控除額を、課税所得金額に加算したうえで算定した推計値

 

寄付金控除には確定申告が必要です。入金確認後、本学から送付する「領収書」「特定公益増進法人証明書(写)」「税額控除に係る証明書(写)」を添えて、所轄税務署へ申請してください。

 

寄付金控除シミュレーターを用意しておりますので、ご参照ください。

▶︎寄付金控除シミュレーター:https://www.kyorin-u.ac.jp/kifu/apply/simulator/

 

 

法人の皆様

本学募金Webサイト(https://www.kyorin-u.ac.jp/kifu/apply/incentives/)にて、諸注意・お手続きの方法をご案内していますのでご確認ください。

 

ご寄付への誠意について

ご寄付は本プロジェクトに有効に活用させていただきます。寄付者のご芳名(希望者のみ)は、ホームページなどでご報告させていただきます。

 

 

ご寄付にあたってのご注意事項

 

・本プロジェクトでは、ファージ療法の研究開発に向けてご寄付を活用いたします。必ずしもスケジュール通りに進行でき、想定通りの結果が得られるとは限りません。大幅な変更が生じる場合にも、新着情報などを通じてお知らせしながら、ファージ療法に対する研究へ皆様のご寄付を大切に活用いたします。

 

・ご寄付のお手続き時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

 

・寄付金領収書及びギフト等に掲載のお名前は、「ギフトお届け先」にご登録いただいたお名前となります。ご寄付後にアカウント情報を変更した場合でも、ご寄付時に入力したお届け先の宛名と住所は変更されません(個別にご連絡いただかない限り、原則としてご寄付時に入力いただいた宛名と住所に寄付金領収書をお送りさせていただくことになります)のでご注意ください。

 

・本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

 

プロジェクト実行責任者:
松田剛明(杏林大学 ファージ研究チーム)
プロジェクト実施完了日:
2026年12月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

ファージ療法の開発へ、重症感染症から分離した多剤耐性大腸菌を用いて、単離したファージの溶菌性やそれぞれの性状を調べ、実際の治療に利用できるファージのライブラリーの作成へとご寄付を活用いたします。 目標金額:500万円の内訳は、治療用ファージの選出とファージカクテルの設計のため、細菌用培地、試薬類(ファージ単離精製)・培養等に用いる容器、ピペット等消耗品類・ゲノム解析・実験補助、データ入力のための人件費に活用いたします。

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ギフト

3,000+システム利用料


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3千円コース

● 寄付金領収書
● 感謝のメール

※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
6人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年12月

10,000+システム利用料


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1万円コース

● 寄付金領収書
● 感謝のメール
● 杏林大学HPへのご芳名掲載(希望制)
● 研究報告書(PDF)
● 研究報告書へのご芳名掲載(希望制)

※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
15人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

30,000+システム利用料


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3万円コース

● 寄付金領収書
● 感謝のメール
● 杏林大学HPへのご芳名掲載(希望制)
● 研究報告書(PDF)
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※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
6人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

50,000+システム利用料


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5万円コース

● 寄付金領収書
● 感謝のメール
● 杏林大学HPへのご芳名掲載(希望制)
● 研究報告書(PDF)
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※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
3人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

100,000+システム利用料


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10万円コース

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※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
9人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

300,000+システム利用料


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30万円コース

● 寄付金領収書
● 感謝のメール
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● 研究報告書(PDF)
● 研究報告書へのご芳名掲載(希望制)

※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

500,000+システム利用料


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50万円コース

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● 研究報告書(PDF)
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※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

1,000,000+システム利用料


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100万円コース

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● 感謝のメール
● 杏林大学HPへのご芳名掲載(希望制)
● 研究報告書(PDF)
● 研究報告書へのご芳名掲載(希望制)

※寄付金領収書は2024年10月末までに送付いたします。なお、領収書の日付は、READYFOR株式会社より学校法人杏林学園へ入金される2024年9月の日付になります。

寄付者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年12月

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