第2弾｜セーフティネットからこぼれる移民難民の子育て世帯を支えたい

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10年以上前、Living In Peace の創設者である慎泰俊さんに、当時はまだ珍しかったネット経由で人生相談をしたことがある。共通の知人の紹介だったが、慎さんにとっては、見ず知らずの中年女性だったはずだ。ライターの仕事は、いつも不安定で、将来が見えず、不安だった。丁寧に話を聞いてもらった後、今の仕事で頑張ってくださいと言われたように記憶をしている。面倒がらずに、真摯に話を聞く人だと思った。

私はその後、紆余曲折を経つつも、相変わらずライターをしている。

お金がないということ。将来が見えないということ。その不安を慎さんは知っているのだと思う。この国で外国人として扱われることがどういうことなのかも知っているのだと思う。

そんな慎さんが創設者である認定NPO法人Living In Peace。この新型コロナが蔓延する日常で困窮する人々。その中でも、もっとも目に止まりにくく、福祉が行き届きにくく、最も重たい苦労を背負っている人たち、すなわちこの国で暮らす、移民、難民の子どもたちへと目を向ける。

最も手薄なところのど真ん中めがけて直球を投げる。

この子どもたちの多くは、この国で育ち、大人になる人たちだ。彼らが豊かに育つことこそが、この国の未来を豊かにする。

杉山春

ルポライター