こんにちは。トミトアーキテクチャの伊藤、初めての投稿です。
 
1年前から真鶴半島に通い始めて、気づけば早30回くらいになるでしょうか。春夏秋冬、多くの人びとや出来事と遭遇し、真鶴の風土や気質や文化や歴史や生活、そしてその結びつきを、強く感じられるようになってきました。
 
ここでは、自分の中でひっかかった印象的な出来事を振り返ってみたいと思います。
 
真鶴出版の二人に「三ツ石」に連れていってもらった時のこと。偶然にも引潮の好機で、先端に通じる岩の道が出現していました。二人も初めてとのことで興奮気味。真鶴に歓迎されているようで、とても嬉しかったことを覚えています。

 


その日の夜、「草柳商店」という酒屋に行こうと誘われました。「多分やっている」というアバウトな情報を頼りに、暗い道を歩くこと15分ほど。本当にお店はやっているのだろうかと不安な気持ちになる中、漁港の近くにポツンと1軒、灯がもれる店がありました。

 


 
真鶴出版の川口さんの予想どおり、常連客が2人。聞けばほぼ毎日来ているとのことで、来ない日はお店側が逆に心配するとのこと。店主の草柳さんやお母さんの明るいホスピタリティのおかげで、すぐに打ち解け、即席の宴になりました。よそから来た若者を歓迎してくれて、これもすごく嬉しかった。

 


 
この2つの出来事を通じて、いろんなことを考えました。都市で生活をし、例えば夜中にコンビニに行く時、「本当にやってるかな」と不安に思うことはありません。目の前の道路が陥没でもしない限り(そんなことも以前ありましたね)、ちゃんとオープンしているのは、高度に管理された「システム」によって支えられているからでしょう。
 
草柳商店でのあのスペシャルな夜は、「多分いる」というくらいの確度の、しかし強度のある「日常」に支えられている気がしました。潮の満引きは調べれば正確な時間を知ることができますが、草柳商店にあの2人がいるという情報も、私たちにとっては遜色のないものに感じました。
 
建築を設計する時は、なるべく確度の高い、例えば数字に還元しやすいものを頼りにすることが通常です。でもそのわかりやすさだけに頼ると、信頼できる日常的な出来事を、すくい上げるのが難しいかもしれません。
 
2号店も、そういうものをもっと信頼して、設計をしたいと思うようになりました。
 
おわり

 


  
本日もたくさんの支援&シェアをいただきました。ありがとうございます!m(_ _)m引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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