プロジェクト概要

 

ゲストと住民をつなげる、新しいかたちのゲストハウス。「泊まれる出版社」が2号店をオープン。

 

みなさん、こんにちは。
〈真鶴出版〉の川口瞬と來住(きし)友美です。

私たちは、2015年3月に、神奈川県南西部にある真鶴町(まなづるまち)というところに移住し、「泊まれる出版社」真鶴出版を立ち上げました。

 

上から真鶴港を望む。真鶴は、海と森に囲まれた小さな港町。

 

真鶴出版では、真鶴についてのパンフレットの制作や、真鶴の名産であるひものをテーマにした小冊子の制作・販売といった出版業と、自宅兼オフィスの一部屋を「一日一組限定」で宿泊施設として貸し出す宿泊業を合わせて行っています。

 

真鶴町の移住促進パンフレットを制作。

 

『やさしいひもの』は「ひもの引換券」付き。実際に真鶴まで来るとひものがもらえる。
全国約40店舗の書店で販売した。

 

真鶴出版1号店。自宅兼オフィス兼宿として利用していた。

 

一号店の客室。心地良い風が通り抜ける。

 

私たちの宿泊施設の特徴は、私たちがゲストに「町歩き」と称し、1~2時間をかけのべ10箇所程度を一緒に歩きながら巡るツアーをつけていることです。​

 

真鶴には「背戸道」(せとみち)と呼ばれる細い路地が張り巡らされている。

 

町に残る現役の井戸。昭和初期から時間が止まったような懐かしい町。

 

町に残るひもの専門店。一つ一つ手作りした絶品のひものが楽しめる。

 

100年以上続くパン屋も町歩きで立ち寄るスポットの一つ。

 

真鶴は大きな観光地ではありません。
歩いて回れるほどの小さな半島のため、すぐに知り合いに出会います。だからか真鶴には、多くの場所で失われてしまったはずの人と人のつながりが残っています。私たちは、ここに暮らす人々の「コミュニティ」こそが町の魅力だと思っています。

 

そのコミュニティは住民だけに限りません。真鶴に数回通うだけで町の人は覚えてくれます。「お、来てたんだ。おかえり」と、そんな声が飛び交うのです。

 

たとえば〈草柳商店〉という酒屋には、毎夜さまざまな人が集います。

そこには、最近移住してきた人もいれば、たまたま来た観光客も混ざります。

年齢も職業も関係なく、みんながその場を楽しむのです。

 

ある日の草柳商店。
地元の人も移住者も、たまたま立ち寄った観光客も一緒になって楽しむ。

 

草柳商店・店主のしげさん。
バンドマンでもあり、即興ライブが始まることも。


こうした町歩きが好評で、一日一組限定と小規模で運営していたにも関わらず、開業から二年間でのべ350人、22カ国の方々が真鶴出版に宿泊してくれました。さらに、真鶴出版をきっかけに真鶴を気に入り、​​6世帯(19名)の人が実際に移住してきてくれています

 

一方で、これまでの規模で続けていくには、どうしても価格設定を高くする必要がありました。また、せっかくお問い合わせいただいても、すでに予約で埋まっているということが増えてきてしまいました。

そこで、少しだけ規模を大きくしたい、そして少しでも値段を安くし、より気軽に、より多くの人に真鶴のことを知ってもらいたい。

そんな風に思うようになり、今回「真鶴出版2号店」をオープンさせることを決めたのです。

 

 

地域の人とつながればつながるほどおもしろくなる。オフィス・宿泊・ショップ機能を併設した、真鶴出版2号店とは?

 

赤い建物が2号店となる物件。
真鶴駅から徒歩7分、港までは徒歩10分の場所にある。

 

2号店は1号店の目の前の物件。
1号店は当面自宅専用にし、2号店にオフィス・宿泊・ショップ機能をつくる。

 

真鶴では路地のことを「背戸道(せとみち)」と呼びますが、真鶴出版2号店の舞台は、現在の真鶴出版の目の前、背戸道に囲まれた三角地帯にあるちょっと変わった民家です。

 

築60年、10年余り空き家になっていたこの家を、オフィス・宿泊・さらにはお土産なども購入できる小さなショップ機能を併設した場所にしたいと考えています。

 

建築家トミトアーキテクチャによる1階の平面図案(進行途中)。
これまでは用意できなかった、ゲスト同士や住民で交流ができるような共有スペースも設ける。

 

宿泊施設のコンセプトは、「旅と移住の間」です。

 

「旅と移住の間」とは、一泊での宿泊よりも、複数泊分まとめて購入したほうがお得になる、そんな場所であるという意味です。

 

真鶴にハマり繰り返し泊まりたい人や、移住検討のためお試しで暮らしたい方、外国人で長期宿泊をしたい人が、気軽に何泊も泊まりやすいような仕組みにしたいからです。

 

そのため部屋もドミトリーではなく、個室の二部屋のみにします。初回宿泊の方へは、これまで通り「町歩きツアー(所要時間:1~2時間)」も用意し、町とつながるお手伝いをします。

 

一方ショップ機能では、私たちの出版物や真鶴のお土産はもちろん、私たちがほかの地域で知り合った人たちがつくる作品も扱っていきたいと思っています。

 

都会の人がこの場所に来たときに、真鶴だけでなくほかのおもしろい地域のことも知り、この場所自体が真鶴と他の地域をつなげるカルチャーの拠点にしたいと思うからです。

 

トミトアーキテクチャによる、2号店周辺の背戸道の連続性を表現したイラスト。

 

 

暮らしを大切に、小商いで連携していく「新しい地方のかたち」を示す。

 

最後に、少し真鶴町の話をさせてください。
じつは真鶴町は、時代の流れに逆らえず、徐々に人口減少が進み、2017年、神奈川県で唯一の「過疎地」に指定されてしまいました。町の商店も次々と減ってきています。

しかし、私たちは真鶴に「新しい地方のかたち」をつくる土壌があると考えています。

その一つが、今から25年前、1993年に制定された世界でもめずらしいまちづくり条例『美の基準』です。

 

 

『美の基準』とは真鶴町の景観を守ることを目的としてつくられた、「真鶴らしさ」を69のキーワードでまとめた条例です。

例えば、「小さな人だまり」というキーワードのページには、写真やイラストを交えながらこんな説明があります。

 

 

人が立ち話を何時間もできるような、
交通に妨げられない小さな人だまりをつくること。
背後が囲まれていたり、真ん中に何か寄り付くものがある様につくること。

 

これらは真鶴にとって「真鶴らしさ」でもあり、かつて日本のどのまちにもあったはずの、失いかけているものでもあります。

真鶴は、都会や地方都市、観光地、田舎町のどれとも違う、「暮らしを大切にする町」なのです。

 

「暮らしを大切にする町」にはどういう人たちが集まってくるのか? いま真鶴に集まってきている人たちには共通点があります。

 

ゆっくりと静かな時間の流れが好きなこと。規模を求めるのではなく、顔の見える範囲でのビジネスを好むこと。老若男女でつくられるコミュニティが好きなこと、などです。

 

 

 

 

 

もしも真鶴出版をきっかけにもっと真鶴に通う人が増え、ひいては移住する人や小商いする人が増えれば、暮らしやコミュニティを大切に、小商いで連携する、そんな町が実現できるのではないかと考えています。

 

都市や観光地のような開発をしなくとも、「暮らしやすさ」で人が集まり、経済が潤うこと。それは同じように他の地方で起こっている「高齢化・若者の流出」という問題を抱えた地方の希望となり、さらには、「都会で大きなビジネスの中で生きる」という選択肢しかなかった人たちに、新しい生き方の選択肢を提示できるのではないか。そんな風に思っています。


真鶴出版2号店オープンへ、どうかみなさまの力をお貸しいただけたらうれしいです。応援どうぞよろしくお願いいたします。

 


‖資金使途と本プロジェクトについて

 

本プロジェクトで集まった資金が、真鶴出版2号店オープンに向け必要な総予算800万円の一部に充てさせていただきます。そのうち500万円は借入します。

 

予算内訳は以下の通りです。

 

■改装費:483万

■設備工事費:177万

■備品購入費:50万

■その他:40万

■運転資金:50万

 

また、本プロジェクトは2018年5月下旬にプレオープン、2018年6月9日(土)のオープンを予定しておりますが、やむを得ない事情により開業時期が遅れる可能性がございますこと、何卒ご了承いただけますと幸いです。​

 


‖真鶴出版2号店に関わるメンバーのご紹介

■オーナー

 


「泊まれる出版社」真鶴出版の川口瞬と來住(きし)友美で、夫婦で運営しています。

 

川口は東京でのサラリーマン生活、フィリピン語学留学を経て真鶴に。來住はタイでの青年海外協力隊、フィリピンでのゲストハウス運営を経て真鶴にやってきました。

 

2017年までの活動は以下の記事で詳しく取材してもらっています。

ゲストハウスと出版。〈真鶴出版〉の新しい仕事のかたち

▶ 真鶴の魅力を地域の内外へ発信する、泊まれる出版社​

■ 設計

 

 

2号店の設計は、建築家の〈トミトアーキテクチャ〉にお願いしています。
トミトアーキテクチャは、横浜を拠点に活動している、私たちと同世代の建築家ユニットです。

代表作は横浜の住宅街に建つコミュニティスペース、CASACO(カサコ)。

トミトのすごいところは、カサコの設計だけでなく、運用にまで関わっていることです。地域に関わる場所をつくることの大変さを知っているだけでなく、それをいかに続けていくかということも知っていることに、2号店をお願いできるのはトミトしかいないと直感しました。

二人は真鶴町に何度も通って設計してくれました。その結果、今回の設計案はすでに若手建築家の登竜門と呼ばれる「SDレビュー」にも入選し、代官山ヒルサイドテラスで展示もされています。

 

CASACO。真鶴出版2号店と同じように古い民家をリノベーションしている。

 

■ 施工

 


真鶴の大工、〈原田建築〉さんを中心に、地元の建具屋、左官屋、電気屋、水道屋にお願いしています。トミトさんと一緒に何度も打ち合わせを重ねました。

 

 

■ ショップツールデザイン

 

 

ショップツールのデザインは、プロダクトデザイナーの溝口瑛さん。

メーカー在籍時に〈SHOES LIKE POTTERY〉というスニーカーをデザイン、独立後はシューズや家具、植木鉢などの日用品のデザインをされています。真鶴出版のロゴもつくってくれた方です。

今回は、名刺、しおり型のショップカード、メンバーズカード、オリジナルトートバッグをデザインしてもらっています。

 

 

 

 

 

■ オープニングパーティーの料理

 

 

オープニングイベントでは、料理人であり、〈球体食堂〉や〈音楽食堂〉を主催している関口琢也さんに、真鶴の食材を生かした料理をつくってもらいます。関口さんは「人と人を繋げる場や時間を生み出す」をテーマにさまざまなところで料理をしており、以前真鶴でも食と音楽のイベントを開いてくれました。

 

 

 

 


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