「ゆのか」の快適トイレで「のっかり」
昨年の春、レディーフォーのご協力により、クラウドファンディングという未知の世界に足を踏み入れました。それまで、インターネットを使って寄付を募る手法があることは知っていましたが、自分が当事者になるとは夢にも思っていませんでした。知り合いの中には、「君たちが企画するならクラウドファンディングに参画してみよう」と協力してくれた人たちがかなりありました。みんなクラウドファンディングなるものに興味はあっても、様子見をしていた人たちです。
湯治宿「ゆのか」は宿の性格上、年配の方々が多く、インターネット経由ではなく直接手渡しでという人が大半を占めました。しかしながら、自分自身の利益になるわけでもないのに、安宿のトイレ改修に協力してくださる人が、本当にたくさんあることをたいへんうれしく思いました。目標額の50万円はすぐにクリアし、NEXTゴールも突破して、400%を上回る達成率を成し遂げたことは、たいへんな驚きでした。顧客名簿もなく口コミだけが頼りで始めた宿ですが、一生懸命頑張っていると、物心両面で献身的に応援してくれる人がたくさん出てくる、ということを身をもって実感することができました。この世の中は、捨てたものではありません。
共同トイレ(男子)

共同トイレ(女子)
さて、皆様からのご支援と国・県・町からの補助金(福祉のまちづくり推進事業)を頂いて、館内のトイレをすべて洋式のシャワートイレにすることができました。 2年半前のオープン時には、湯治宿の1階廊下にあるトイレとカフェのトイレを洋式化することしかできませんでした。本来であれば、一番最初にトイレの改修をしたいところでしたが、やはり資金不足で2階はあきらめざるを得ませんでした。開業後も、宿を利用する病中病後の方々からの要望があっても、我慢していただくよりほかはありませんでした。

客室(201)
2階にある3部屋の客室と、男女が一緒になった共同トイレが、プロジェクトの対象でした。共同トイレは、男女に仕切り、それぞれにシャワートイレ・センサーライトを導入しました。これで、プライバシーも保たれ、身も心もリラックスして湯治をすることができるようになりました。
今回のプロジェクトでは、初期の目標額は500,000円で、最終的な到達額は、2,047,000円でした。NEXTゴールに設定した2,000,000円は最後の最後に突破することができました。聞くところによると、最初の頃に支援してくださった方が、あと一歩という状況を見ていて、締め切り間近に再度支援をしてくださり、目標を達成することができたとのことです。その方は、以前「ゆのか」に来て「三朝温泉にこんな宿が欲しかった」と思っていたところ、クラウドファンディングの情報を見つけて、「ぜひ応援したい」と強く思ったとのことでした。
皆様からお寄せいただいた支援金は、全額トイレ改修に使わせて頂きました。工事費の総額は、4,800,000円でその内2,047,000円がクラウドファンディングによる支援、公的補助金は1,988,000円、残りは自己資金です。開業から間がないこともあって、かなり厳しい出費となりましたが、念願の快適空間を実現できたことは本当に大きな喜びです。皆様からの暖かいご支援に改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
湯治宿「ゆのか」は3年目を迎え、おかげでリピーターも増えてたくさんのお客さんにおいでいただけるようになりました。現在は、私たち夫婦だけで切り盛りしておりますが、カフェと湯治宿の運営は体力的にもかなり厳しいものがあります。これからも、病を抱える方々が、一縷の望みを持っておいでいただける希望の場として、心安らぐ空間を提供していきたいと思っております。どうぞみなさん、末永くごひいきくださいますようお願いいたします。
なお、お送りいたしましたリターンの割引特典には、金額に応じた使用期限が設けてあります。是非ともお泊りいただいて、より快適になった「ゆのか」で「のっかり」とした時間をお過ごしいただきたいと思います。お待ちしております。
田村博文・万里子




















