《国際福祉機器展2018》報告書
昨年11月からクラウドファンディングの準備を始めてから約一年が経とうとしています。
クラウドファンディンという言葉を知り、想いを形するために思い切って企画書を提案しましたが、本当に成功するのか心配と不安でいっぱいでした。
しかし、私自身のためではなく、あのお箸をより多くの必要としている人のためにと思うと、引き下がることはできませんでした。
クラウドファンディンで支援の募集を開始して、ひとりまたひとりと仲間が増えていき、ひとりで走り出したマラソンが大きな集団のようになっていく感じでした。その集団の力の後押しのおかげでクラウドファンディンでゴールを迎えたあとも、たくさんの応援や励まし、優しさを背負ってここまで走りきることができました。
準備期間でも、様々なジャンルのプロフェッショナルの方に協力していただき、最高の舞台を作り上げることができたことに本当に感謝しています。
この一年間は、まるでスペースシャトルようで、多くの方の力を借りて夢に向けての発射に成功し、クラウドファンディングの推進力は、その機体を加速させるロケットブースターのよう、そして準備を手伝ってくれた人達の想いが、最後の燃料タンクの加速のうように夢の舞台へと届けてくれる。その勢いのまま、機体だけが福祉機器展という宇宙へ飛んでいく、その様子を仲間が見守っているみたいに。
そして今、ようやく帰還しました。
展示会では、3日間で約12万人の来場者があり、1500部用意したリーフレットも2日目で配り終え、急いで追加で1500部を増刷するという嬉しい誤算もありましたが、かなり多くの方がブースに足を止めて熱心に説明を聞いてくれました。
アジア圏からの来場者も多く、お箸という文化の幅広さと感心の高さを実感し、今後のビジョンを考える上でとても参考になりました。そして、英語・中国語表記の必要性を痛感させられました。
福祉医療機器の最先端技術が軒を連ねる中で、対極にある全て手作業で作るお箸の展示は、ある意味ではとても新鮮だったのかもしれません。
来場者は、磁石の反発を利用して開く構造であることに驚き、これら全てを手作りで製作していることに感動し、お箸作りへの熱い想いが十分に伝わっているのを肌で実感することができました。
皆様からご支援いただいた大切な資金は、展示会の出店料に約42万円、意匠登録費用約5万円、ポスターやチラシ製作費用約45万円、展示備品等の製作費用6万円、交通費人件費16万円、レディーフォーへの手数料12万円として大切に使わせていただきました。
あとは、今回撒いた種が、今後どのように芽を出し、花を咲かせて実を結ぶのか本当に楽しみです。
しかし、待っているだけでは芽は出ないと思っているので、水を与え続けていきたいと思います。
皆さんの優しさを次に繋げていけるように、これからも誠実に箸づくりに励み、良い報告が届けらるようにこの仕事を続けていくことを約束します。
2018年10月15日 箸factory宮bow 宮保克行
収