ドローン解説その① 探鯨と追尾

今回のプロジェクトではザトウクジラのブローを採取します。そこで必要なドローンの役割は３つあります。

①クジラを見つける『探鯨（たんげい）』

②海面でクジラに追従する『追尾』

③ブローを見つけたら素早くその上に移動する『サンプリング』

 

 

三宅島では海岸から4〜500mほどの近距離でクジラが見られるので、探鯨に関しては心配はなさそうです。

最近のドローンは数kmぐらい離れていても問題なく操縦できますし、送信機（プロポ）につけたスマホやタブレットにドローンから映像が送られて来ます。

陸からクジラを探して、その方向に飛んでいけばクジラに遭遇できるでしょう。

 

追尾はちょっと厄介そうです。

というのもクジラが潜ってしまうと海面からは見えなくなります。

基本的にクジラは、深く潜るのは速く長く泳ぐ時で、海面近くにいるときは ゆっくり泳ぐ→ときどきブローをあげる、という行動パターンです。

したがって海面近くにいるクジラについて行っていれば、そのうちブローをするはず！

しかしドローンが飛行できる時間は、バッテリー容量の都合で長くても30分が限界で、風に逆らって飛ぶならもっと短くなります。その間に4〜500m先まで行ってブローが上がるのを待ち、しかも帰って来なくてはなりません。クジラがブローをあげなかった場合も、おとなしく陸に戻ってくるしかありません。

そのため繰り返し陸と海を往復できるようにバッテリーは複数用意し、発進基地でもバッテリーを充電できるようにポータブル電源を用意します。

理想を言えば日の出から日の入りまでバンバン飛ばして、1日に30本は飛ばしたいところですが、そこは天気と相談ですね。

 

 

長くなるので今回はここまでにします。

次回はブローのサンプリング方法についてご紹介します。