Mother’s Tree Japanプロジェクト終了報告
みなさま
いつもNPO法人Mother’s Tree Japanへの応援をありがとうございます。
おかげさまで昨年のクラウドファンディングの達成から1年、たくさんの外国人ママを継続してサポートすることができました。心より御礼申し上げます。
クラウドファンディングの活動期間が終了いたしましたので、1年間の活動をご報告をさせていただきます。
昨年のクラウドファンディングでみなさんにお約束した活動は下記になります。
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初期ゴールの資金使途 (120万円)
1.多言語の翻訳・通訳ボランティアさんへの謝礼・交通費・研修費
2.多言語母子手帳を含むお産情報セットの購入・印刷・発送費
3.「指差しNICUボード」「指差し小児科ボード」「指差し陣痛カード」の制作費
おかげさまでネクストゴールを設定することもできて、そこでは下記をお約束させていただきました。
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ネクストゴールの資金使途(30万円)
4.保健所などから需要が増えているバングラデシュのママのサポートのための、翻訳・通訳ボランティアさんへの謝礼・交通費・研修費
5.お産情報セットの印刷・多言語母子手帳購入代・郵送代(追加100セット分)
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上記につきまして、以下に1年間の実績と事業完了をご報告させていただきます。
【1.4.多言語の翻訳・通訳ボランティアさんへの謝礼・交通費・研修費とバングラデシュのママのサポート追加分について】
2022年冬は再びコロナの流行による行動制限があり、12月1月は対面でのイベントを見送りましたが、それでもオンライン相談会や個人相談、3月から新しく始めた日本語クラスなどで、たくさんの外国人妊婦・子育てママをサポートすることができました。
そして、たくさんの命が生まれました。改めてお礼申し上げます。
昨年10月から今年9月末までの相談件数とオンライン相談件数、付き添い、イベント参加人数は下記の通りです
相談内容は下記のように多岐に及びました。
時には難民申請中の方やオーバーステイ、技能実習生からの妊娠のご相談もあり、そのサポートにもあたりました。弁護士さんや地域の保健師さん、大学の先生方のお力もお借りしながらサポートする中で、様々な事情を抱えながらも新しい命を無事に産もうと懸命に頑張るママたちの姿に、たくさんのものを教わりました。
文化・風習・宗教などを理解した上で、昼夜を問わず親身にサポートしてくれている外国人ボランティアさんたちに謝礼をお支払いして活動を続けることができました。
昨年10月以来ボランティアメンバーの人数も増え、またエリアも拡大し、現在46名のボランティアメンバーが、東京・群馬・京都大阪・九州でたくさんの外国人ママのサポートをしてくれています。
特に、4でお約束したバングラディシュのママのサポートは、東京と佐賀大学のある佐賀県でのサポートを開始することができました。先月は北海道に孤立して暮らすバングラディシュのご夫妻にオンラインにてスタッフが親身に寄り添い、少量の出血を繰り返す不安な状態の中でも無事に赤ちゃんを産むことができました。
また指差しシリーズも全てベンガル語にすることができました。ご協力本当にありがとうございました。
日本で就労する外国人の方の数は、特定活動2号の分野拡大に伴い急増すると見られています。特定活動2号は家族帯同が許されるため、たくさんの外国人ママたちが日本で妊娠出産することになります。このような取り組みが全国に広がっていくように、これからも尽力していきたいと思っています。
コロナの影響で大きな研修会はできなかったため、事務局長がボランティアメンバー一人一人、またはケースによってはグループで、1つ1つのケースに対してスーパーバイズを行い、メンバーの個性を活かしたサポートを続けております。今年度は研修会の場を設けて、メンバーの気持ちを一つに、サポートの質を高めながら活動を続けていきたいと思っております。
【2.5 .多言語母子手帳を含むお産情報セットの購入・印刷・発送費とネクストゴール 追加分100セットについて】
外国人ママにとって、情報のアクセスのしにくさが課題となっており、日本にある様々な有用な多言語資料に80%の人がアクセスできていないことが、この夏ニュースになりました。
NPO法人Mother’s Tree Japanではそれについての取り組みを2年前から始めて、私たちが作った資料以外にも、様々な団体がつくっている妊娠・出産についての資料を、他言語母子手帳を含めてセットにして「お産情報セット」として、印刷・ラミネートして送るサポートを続けてきました。
昨年10月から今年9月末までに外国人ママの手元に届いたお産セットの数は273セットを超えました!
外国人ママの手元に届くところをイメージして夜な夜な印刷・ラミネートする作業は、大変でも楽しい作業でした。「手元に届いたよ!」「こんなサービスを待っていました!」「どれだけ私たち外国人にありがたいか」などのメッセージも数多く届きます。
今も1日に平均3、4件のお申し込みがあるこのサービスをこれからも続けていこうと思っています。
【3. 「指差しNICUボード」「指差し小児科ボード」「指差し陣痛カード」の制作費について】
上記の3点の制作をお約束してきましたが、皆様にも途中でご連絡させていただいた通り、日本語の話せない外国人妊婦の産院側からの受診拒否が続いたため、妊婦健診にかかるサポートグッズを先に作成することになり、「指差し小児科ボード」の代わりに「妊婦健診ノート」を作成いたしました。
年度途中で助成金もいただき、翻訳言語も当初の予定の倍の言語のものを作成することができました。
毎回携帯できるサイズにするために、A4ではなくA5サイズの小冊子にするなど工夫を重ね、1月の完成と同時にお産情報セットに入れての配布を開始、豊島区保健所では妊娠届時に配布してくださっています。
また、3月から始めた産前産後と子育てに特化した日本語サロンでも、指差し陣痛カードと併せてテキストとして活用するなど幅広く普及に努めています。
「指差しNICUボード」についてはフリーダウンロードできるようにしているため、公立病院や個人病院など様々な病院から「使用したい」「助かっています」などのご連絡を毎月のようにいただきます。
現在は英語・中国語・タイ語・ベトナム語・ネパール語・インドネシア語・ミャンマー語・ベンガル語・スペイン語・ポルトガル語・タガログ語の言語に翻訳されており、アラビア語は前回に続き国際医療福祉大学の細谷先生のご厚意で翻訳のご協力をいただいて製作中です。この先もボランティアのお申し出があった言語のものを作成していく予定です。
いただきましたサポートのおかげでこうして1年間活動できたこと、またサポートを受けた外国人ママたちからのお礼の気持ちも代表して、皆様に厚く御礼申し上げます。
今年も、これらの活動を地方に広げるために、6月から8月までクラウドファンディングに挑戦し、200万円のゴールを達成することができました。
2年連続でサポートいただきました皆様には重ねてお礼申し上げます。
私たちの活動は、まだまだ小さくこれからもさらなる自助努力が必要ですが、設立して3年間でこうした活動ができるようになったこと、またNHKworld 、あさイチ、たまひよオンライン、朝日新聞、AERAなどで取り上げていただき、日本に暮らす外国人ママの現状を幅広い年層の方に知っていただくことができたこと、ご共感や応援いただいていることに感謝しかありません。
【 終わりに 】
最近とても嬉しい出来事がありました。
昨年「活動報告」でもお伝えした、お祈りを理由に解雇に追い込まれたインドネシア人の優秀なエンジニアの方が、この9月に再来日してくれました。
その時はNPO法人Mother’s Tree Japanのメンバーや朝日新聞の記者さん、東京パブリックの弁護士さんなど様々な方が本当に親身に相談に乗ってくれたのですが、時間切れで泣く泣く帰国。
けれど「日本を好きなまま帰国できた。もう一度技術の国日本で、技術者として頑張りたい」と再来日され、今は理解のある素晴らしい企業に恵まれて家族で笑顔溢れる新生活を再スタートしたと連絡をくれました。
「どんなに嫌な思いをしても、たった1人からでも心から寄り添ってもらったら、その国のことを好きでいられる」・・・私たちのモットーです。
これからも、メンバー一同力を合わせて、活動に取り組んでまいりますので、NPO法人Mother‘s Tree Japanのことを今後とも暖かく見守っていただけますようお願い申し上げます。
NPO法人Mother’s Tree Japanメンバー一同
*11月よりマンスリーサポートにてご支援いただけるようになります。
私たちの活動に共感頂けましたら、ぜひマザーツリーとしてご支援いただけると嬉しいです!