【第2弾】歌舞伎や映画、大切な日本の文化を次世代に残す。

【第2弾】歌舞伎や映画、大切な日本の文化を次世代に残す。

支援総額

2,910,000

目標金額 2,500,000円

支援者
243人
募集終了日
2013年11月6日

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2013年10月22日 13:28

『蒲田週報』活用されてます!

おはようございます。松竹大谷図書館の須貝です。

 

今回のプロジェクトで、合本の解体とデジタル化を進めようとしている『蒲田週報』ですが、現在合本製本の状態は良くないものの、図書館の調査資料としては大いに活躍をしています!

 

当館では、大正末~昭和初期の松竹の映画作品について、調査を目的とした利用者の方がみえると、まず『蒲田週報』をお勧めすることがよくあります。

 

先日ご来館された京都大学大学院のフィオードロワ・アナスタシアさんは、昭和4年(1929)にロシアで上映された松竹映画に関する調査をしておられました。年代が確定していたので、まず松竹株式会社の社史『松竹百年史』と『蒲田週報』を調査していただきましたが、その中で今回大きな収穫があったそうです!

 

ご本人から調査の目的と当館での調査結果についてメッセージをいただきました。
以下、ご紹介いたします。


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これまでの数年間、私は京都大学の博士論文を執筆するにあたって、日ロ間における映画を通してのあらゆる文化交流について調べてきました。日ロの合作映画が1960年代に入ってから数多く作られるようになったのは有名な話ですが、実は戦前から、両国間では既にお互いの映画作品が上映されていました。日本の映画がソビエト・ロシアで紹介された最も早い例として挙げられるのは、昭和4年(1929)の夏に松竹キネマ株式会社とロシアのVOKS(対外文化連絡協会)によって催された「日本映画の展示」です。モスクワやレニングラード、キエフといった大都市の映画館では、日本映画のポスターやチラシ、映画雑誌や役者さんたちの化粧道具、松竹キネマが経営する映画館のスタッフが着用していたユニフォームまでもが展示されました。

 

ロシア側の資料によると、このとき上映されたのは、3本の日本映画です。衣笠貞之助が監督を務めた時代劇映画『京洛秘帖』(1928)。日本の観光地を紹介するドキュメンタリー映画『島国』。そしてもう一本、松竹キネマの現代劇映画が紹介されたそうなのですが、その邦題や製作者の名前はこれまで確定されていませんでした。

 

今回、私が松竹大谷図書館をお訪ねしたのは、この3つ目の映画について何らかの情報を得るのが主な目的でした。ロシアの映画雑誌によると、その作品はアメリカ映画を意識したコメディーで、レニングラードで上映されたときは『若い武士の教育』、ウクライナで上映されたときは『フジコのクッキー』或は『フジコのビスケット』といったロシア語のタイトルで宣伝・公開されていました。昭和初期に作られていた日本映画で、そんなふざけたネーミングのものは一度も聞いたことがありませんでしたし、製作年や映画の具体的な内容など、調査を行うための手がかりは殆どなく、本当にフジコの映画は存在したのだろうかと半信半疑な思いでした。

 

ところが、『蒲田週報』の頁を一枚一枚めくって行くと、1928年の年明けに公開されていた牛原虚彦監督の現代劇映画、『近代武者修行』を紹介する文章が目に入ってきました。詳しく見てみると、この「森林喜活劇」の主人公は田中絹代が演じる藤子という娘で、しかも彼女はビスケットを作るのが得意だったというのです!『蒲田週報』の紹介文によると、信濃の伐採所で働く若者の休憩時間になると、藤子は「その快活な笑顔を見せてビスケットを持って来てくれるのが常であった」。「彼女の手製のビスケットはこれ程彼等には懐かしかったらうか」とも書かれています。昭和4年にロシアで公開された劇映画が牛原虚彦監督の『近代武者修行』だったと確信したあと、私は『キネマ旬報』や『映画と演劇』といった雑誌のなかでもその写真や解説文を見つけることが出来ました。しかし、それらの雑誌にはビスケットに関する言及はなく、今回の「発見」の決め手となったのはあくまで『蒲田週報』に記載されていた紹介文でした。

 

 『近代武者修行』が戦前のロシアで公開されていたということは、そのプリントが今もロシアのどこかで眠っている可能性があるということです。実際、昭和5年(1930)年にソビエト・ロシアで上映された鈴木重吉監督の『何が彼女をそうさせたか』のプリントは、1990年代に入ってからロシアで見つかりました。今回の小さな「発見」が牛原虚彦監督作品を発掘する手がかりになってくれれば、私はこれ以上嬉しいことはありません。この場をお借りして、私のリサーチを手厚く支持して下さった松竹大谷図書館の皆様にお礼を申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました!!デジタル化によって『蒲田週報』がより多くの方々の目にとまり、日本映画の更なる研究が深まるきっかけとなることを楽しみにしております。
 

 

2013年10月18日 
フィオードロワ・アナスタシア
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アナスタシアさんは博士論文の執筆でお忙しい中、メッセージと、台風一過の京都の青空に現れた虹の写真を送って下さいました。どうもありがとうございました!

 

(メッセージとともにお送りいただいた京都の虹の写真です)

 

『近代武者修行』 昭和3年1月5日封切 松竹キネマ蒲田作品
 原作・脚色:村岡義雄
 監督:牛原虚彦
 出演:河村黎吉、田中絹代、鈴木伝明、押本映治

『蒲田週報』105号(昭和2年12月4日発行)に紹介記事が掲載されています。

リターン

3,000


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■サンクスメール
■4月末に報告メール
■HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします

支援者
17人
在庫数
制限なし

5,000


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3,000円の引換券に加え、

■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー
 2種類1組セット
蔵出し台本「弁天娘女男白浪」&「男はつらいよ」の表紙の特製デザイン!

支援者
89人
在庫数
制限なし

10,000


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5,000円の引換券に加え、

■台本カバーに支援者のお名前をお入れします

※作品リストより(本文「引換券について」の台本カバーの説明のところから見られます)ご希望の作品の「台本番号」と「タイトル」を応援コメントにお書き下さい
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします

支援者
101人
在庫数
制限なし

30,000


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10,000円の引換券に加え、

■「かふきのさうし」オリジナル一筆箋
■歌舞伎座ギャラリーペア招待券

支援者
26人
在庫数
制限なし

50,000


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30,000円の引換券に加え、

■図書館見学会にご招待
※午前(15人)/午後(15人)
「午前」「午後」のご希望を応援コメントにお書き下さい

支援者
11人
在庫数
19

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